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2000. 3.31

虎骨を含む医薬品の取引は減少、しかし、トラの密猟は続いている

 虎骨を使用した医薬品の流通は、90年代の初頭に比べて減少してきている。にもかかわらず、野生のトラの密猟には、明確な減少がみえない。IUCN(国際自然保護連合)とWWF(世界自然保護基金)の野生生物取引モニタリングプログラムであるトラフィックは、30日に発表した報告書で、虎骨を利用するアジアの伝統的な医薬品の取引が依然として野生のトラの生存を脅かしており、トラの皮や爪の取引も脅威となっていると指摘した。対策として、国内取引の規制や密猟対策の強化、違法取引や密猟の厳重な処罰のほかに、トラと人間との摩擦が生じている地域での管理政策や、漢方薬業界との密接な協力の継続などを求めている。

 この報告書、"FAR FROM A CURE: THE TIGER TRADE REVISITED"は、主に市場調査に基づいて90年代後半の取引について考察しており、94年に発行された"KILLED FOR A CURE: A REVIEW OF THE WORLDWIDE TRADE IN TIGER BONE"の続編である。米国魚類野生生物局とエクソン・モービルとの特別共同プロジェクトであるSave the Tiger Fundと、ジョンソン・アンド・ジョンソン、WWF-UK、WWF-US、WWFジャパンの資金援助により刊行された。

 虎骨を含む医薬品の国内取引の禁止と、漢方薬業界との協力体制の強化によって、虎骨を成分として表示した医薬品の販売や利用は90年代初頭に比べて世界的に減少している。日本でもようやく、種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)の政令が改正され、4月1日をもって、トラの骨と生殖器(オス)を含む医薬品・酒・健康食品などの譲渡が規制の対象となる。しかしながら、特に東南アジア諸国で、トラの密猟と違法な取引が依然として続いていることが今回の調査で明らかになった。この傾向は、WWFインドネシアの最近のフィールド調査でも裏付けられている。2年間で少なくとも66頭のスマトラトラが密猟されたが、このような短期間の減少はスマトラトラの推定個体数の20%近くが失われたことを意味する。

 「90年代は、トラの骨の漢方薬への利用を減らすことにおいて前進があった。しかし、我々はこの成功に満足していてはいけない。以前からの問題がまだいくつか残っており、新たな問題も生じている。そのどれもがトラの将来の生存に大きな脅威を与えている」と、トラフィックネットワーク事務局長のスティーブン・ブロードは語っている。

この件に関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。

トラフィックジャパン 石原明子・清野比咲子  Tel: 03(3769)1716


 

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