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2008年7月28日 トラフィックネットワークNEWS

チョウザメの「試験的な漁獲」が抜け穴に

 
 
ダウリチョウザメ ©WWF-Russia

 ケンブリッジ、英国―「試験的な漁獲」はチョウザメ資源量のモニタリングを目的としたシステムであるが、このシステムが1984年に課された商業的な漁獲の正式な禁止を巧みに逃れるために、禁止によって生じた不足分を補うことに利用されていることが、アムール川のチョウザメに関するレポートでわかった。

 過剰漁獲や違法漁獲に対して深刻な懸念があるにもかかわらず、ワシントン条約事務局がアムール川のチョウザメに関する2008年の輸出割当を公表した。レポート『Siberia’s black gold: Harvest and trade in Amur River sturgeons in the Russian Federation(ロシア連邦におけるアムール川のチョウザメの漁獲と取引)』はその公表直後に発表された。

 「ロシア政府が「試験的な漁獲」を定義し、その限度を明確に設定することは重要な意味を持つ」とトラフィックヨーロッパのシニアプログラムオフィサーのアレクセイ・ワイズマンは強調する。アレクセイはモスクワを拠点としており、このレポートの主執筆者である。

 例えば、2002年には、最高でおよそ800kgのアムール川のチョウザメのキャビアが、「試験的な漁獲」として認められた漁獲可能量にもとづいて合法的に採取された可能性がある。しかし、正式な獣医証明書(チョウザメ製品を取引するにあたって必要である)を受領している分の総量は2,173kgで、この合法的な数値の2.5倍以上になる。

 トラフィックとWWFのアムール川のチョウザメのキャビア取引に対する調査は、汚職、違法漁獲と「試験的な漁獲」の抜け穴の悪用の証拠をみつけた。歴史的に見て、チョウザメはアムール地域において重要な経済資源である。ダウリチョウザメ(カルーガ)とアムールチョウザメの2種が、中国とロシアの国境の一部となっているアムール川に生息している。2000年から2004年におこなわれたロシア極東地域の地元住民への聞き取り調査や取材によって、漁獲されるチョウザメの数が著しく減少していて、個々の魚体の平均重量は減少していることがわかった。これは過剰漁獲の確たる徴候である。

 また現行の法律の問題もある。国内市場において、チョウザメ製品は公衆衛生的な必要条件と品質基準への適合性を確かめる書類のみが必要である。チョウザメ製品が合法的に入手されたことを示す書類は必要ではない。

 「チョウザメの漁獲やキャビアの利用を規制する現行の法制度は、不十分かつ複雑であり、違法取引がはびこる抜け穴を残している」とワイズマンは言う。

 ロシアでの違法漁獲と同様、レポートではまた、ロシアから中国へのアムール川全域のアムール川産のチョウザメのキャビアの違法取引についても立証している。そしてこれらは中国から日本や米国へ輸出されていると考えられている。著者は、ロシアを原産とするキャビアの違法取引に対してこれらの国々が共に協力して取り組むべきだと呼びかけている。
 

 

>> レポート(英文)のダウンロードはこ ちらから
Siberia’s black gold: Harvest and trade in Amur River sturgeons in the Russian Federation(ロシア連邦におけるアムール川のチョウザメの漁獲と取引)


(2008年7月28日更新)

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