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2007年2月5日 トラフィックネットワークNEWS

アワビが国際取引規制の対象に


ivory carvings© TRAFFIC - Markus Burgener


【2007年2月5日 南アフリカ、ケープタウン発】
 南アフリカは、固有種であるアワビの1種ミダノアワビHaliotis midae の違法採取や違法取引を食い止めるため、この種をワシントン条約の附属書IIIに掲載するという思い切った措置をとった。Perlemoenとしてより広く知られているミダノアワビの附属書への掲載は、2007年5月3日に効力を発することとなり、今後ミダノアワビを国際的に取引する際には、すべての積荷についてワシントン条約の書類を伴うことが求められることになる。

 「この高価で希少な海洋性の軟体動物がワシントン条約の規制対象となったことで、違法採取や違法取引を減らすことが期待できる。南アフリカ政府はそのイニシアティブをとったことで歓迎されるだろう」とトラフィックのマーカス・バーゲナーは言う。「しかし、ワシントン条約への掲載だけでは成果を確実に上げることはできず、その成否は、このアワビ製品の取引がおこなわれているすべての国の税関と条約の担当職員に対する支援にかかっている。」

 南アフリカでのアワビ違法採取は、今日のアフリカでもっとも犯罪性の高い野生生物取引だといわれている。違法採取と取引が続けば、アワビの商業的漁獲ができなくなり、合法的におこなわれる漁業が廃業に追い込まれ、何百人もが失業しかねない。Perlemoenの密漁によって、合法的な商業漁業における漁獲許容量は、2002/2003年シーズンの430 t から、2006/2007年シーズンの125 t へと減少した。トラフィックは、過剰漁獲によって種の保全状況が脅かされ、海洋岩礁の生態系全体の複雑なバランスに悪影響が及ぶことを懸念している。ワシントン条約の附属書にアワビ種を掲載しているのは南アフリカだけだが、バーゲナーは、「オーストラリア、ニュージーランドのような他の多くのアワビ輸出国も同様に、アワビの密漁と違法取引の問題に取り組もうとしている」と述べている。

 
© TRAFFIC - Markus Burgener

 南アフリカで採取されたアワビの多くは、香港を主とした東アジアに輸出されている。他の主要な行き先は、台湾、中国、そして日本である。密漁されたアワビは、近隣のジンバブエ、モザンビーク、スワジランドに密輸され、そこから輸出されていることが多い。これらの国々でのアワビの商業漁獲および合法取引はおこなわれていないにもかかわらず、香港の輸入記録から、この3ヵ国から乾燥アワビおよび冷凍アワビが輸入されていることがわかる。また、密輸されたアワビはナミビアを通じても取引されているが、ナミビアではPerlemoenの生産と取引をおこなう合法で商業的養殖事業がおこなわれていることから、このことが取り締まり上の問題となっている。

 特別にアワビに関係する犯罪を扱う環境に関係する司法部門の設置など、南アフリカ政府による密漁への取り組みは賞賛に値するものだが、取引は国際的におこなわれることから他国の支援を確保する必要であり、それはワシントン条約の附属書への掲載によってもっとも効果的に達成される。トラフィックは、南アフリカ環境観光省(South African Department of Environmental Affairs and Tourism)、南アフリカ歳入庁(South African Revenue Service)と協力して、南アフリカの管理職員と税関職員が附属書への掲載を実施する準備をおこなっている。

 Perlmoenは、南アフリカ水域にのみ生息している3種あるアワビのうちの1種で、、世界中の他の地域では見ることができない。その身は、高価な珍味であり、いくつかの東アジア諸国では媚薬とされている。その貝殻は、灰皿、石けん入れ、または食器として人気がある。乾燥アワビの取引は、中国の新年である春節(今年は2月18日)には、1 kg につき1,000米ドルもの高値がつく、うまみのある商売となる。

 WWF南アフリカの自然保護ディレクター(Director of Conservation)のロブ・リトル博士は、「自然保護団体であるWWFは、この貴重な海洋資源であるアワビの違法採取を減少させる試みとして、アワビをワシントン条約の附属書 III に掲載したことを高く評価する。他方で、アワビの資源量の持続可能性を高めることとは別に、密漁によって南アフリカが何百万ランドもの損失を被り、それが外国の収入となっていることは大問題だ」と述べている。

◆詳細に関するお問い合わせ
Markus Burgener
Senior Programme Officer
TRAFFIC East/Southern Africa
Tel: 27 (0)21 799 8673 Fax: 27 (0)21 797 7186
E-mail: Markus Burgener

 


(2007年3月6日更新)

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