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トラフィックネットワークNEWS

第14回ワシントン条約締約国会議の附属書改正提案が発表された


 
   

 今年開催される第14回ワシントン条約締約国会議(CITES COP14)では、取引管理を目的とした38の附属書改正提案について議論されることになった。ワシントン条約事務局は2007年1月17日に附属書改正提案のリストを公表した。これらのリストについて、2007年6月3〜15日にオランダのハーグで開催される会議で話し合われる。

 附属書とは、取引管理レベルにより附属書 I 、附属書 II 、附属書 III と3つにわかれており、提案された動植物の種はいずれかの附属書に掲載される可能性がある。これら3つの附属書掲載に関する提案があがったのは、アフリカゾウやヒョウのようなカリスマ的な哺乳類から、サメ、ウナギ、サンゴのような商業価値の高い海洋生物種までと、幅広い。

 今年提案にのぼった動物種のうち3分の1は、海洋生物種である。「このことで、野生生物取引の条約と国際的な水産資源取引の規制とのかかわりが大いに深まることは歓迎すべき傾向だ」とトラフィックインターナショナルの事務局長、スティーブン・ブロードは言う。「ワシントン条約が、商業的に重要な海洋資源のその他の保護・管理対策を補い完全なものにするために、国内そして国際レベルで、重要なツールであると認識されてきていることをはっきり示している。」

 議論されることになっている海洋生物種の提案の中には、EUの加盟国を代表してドイツから出された、ニシネズミザメ(Porbeagle shark)とアブラツノザメ(Spiny dogfish)を附属書 II に掲載する提案がある。ニシネズミザメは主に、鮮魚、冷凍または乾燥し塩蔵した肉としてヨーロッパで広く利用されている。アブラツノザメは、英国では、フィッシュ・アンド・チップスとして食されておりロックサーモンとも呼ばれている。ドイツでは燻製肉の珍味、シラーロッケンとして利用されている。これら両種の資源量は、北大西洋で劇的に減少しており、過去10〜40年の間の減少率は、それぞれアブラツノザメは95%、ニシネズミザメは89%にまでなっている。もし附属書掲載が採択されることになれば、これらの種は、ワシントン条約の許可書に基づいた形で取引を厳しく管理されることになる。許可書発行には、合法的であり、野生における種の存続や生態系での種の役割にとって有害でないことが求められる。

 他にも、ノコギリエイ類(sawfishes)の附属書 I (国際的な商業取引禁止)掲載、アメリカイセエビ(spiny lobster)、ヨーロッパウナギ(European eel)、サンゴ属(red and pink coral)、観賞魚のプテラポゴン・カウデルニイ(Bangaii cardinalfish) を附属書 II に掲載する提案などがある。

 アフリカゾウに関して4つの提案が提出された。そのひとつはアフリカゾウのタンザニアの個体群を、国際的な商業取引を禁止する附属書 I から附属書 II に移行する、タンザニアからの提案である。もしこれが採択されれば、タンザニアから認められた相手国へ一回限り輸出できる可能性が認められることになる。

 その他の提案では、野生生物の持続可能な利用が強調されている。ブラジルは、爬虫類皮の取引ができるようにするためクロカイマン(black caiman)のブラジルの個体群を附属書 II に移行する提案をし、ボリビアは生きたビクーニャから高品質の柔らかな毛をとるためのラベリングシステムについて提案している。

 植物については17の提案がある。これらの中には7種のスパニッシュシーダー(Spanish ceder)を附属書 II に掲載する提案が含まれている。これらは建築材や、同様に家具やパネル用材として広く利用されている。またブラジルボク(Brazilwood)とDalbergia属のローズウッド3種を附属書 II に掲載する提案も出ている。

 IUCNのSpecies Programmeとトラフィックは、毎回の締約国会議において、附属書改正提案すべてについて専門的な分析をおこない、「The Analyses of Proposals to Amend the CITES Appendices (附属書改正提案の分析)」を作成する。IUCNの種保存委員会(SSC)が専門家グループのネットワークや幅広い科学者団体からその種の生息状況や生物学的な情報を集め、トラフィックはワシントン条約の取引データベースや独自の情報ソースを用いて取引や利用に関するデータを集める。これらの分析は、締約国会議でおこなわれる決定が、得られるかぎりの科学的な情報にもとづくものであることを確実にすることを目的としている。これらはワシントン条約の掲載基準や他の決議の条件を満たす、条約が求める事柄に対して、できるだけ客観的で事実にもとづいた評価を改正提案に与えることになる。

 トラフィックはまた「Recommendations on Proposals to Amend the Appendices (附属書改正提案に対する提案)」も準備しするが、これは会議に先駆けて入手可能になる。

 また、附属書改正提案に加えて条約施行のための討議の議題があり、その中では多くの主要な野生生物取引問題が、169ヵ国の締約国によって厳しく議論される。ここには、2002年に原則的に合意されたボツワナ(20 t)、ナミビア(10 t)、南アフリカ(30 t)からの象牙在庫の輸出を認める条件を満たしているかどうか決めることも含まれている。昨年10月におこなわれた常設委員会では、まだすべての条件を満たしておらず、販売について進展はなかった。常設委員会は、また、アジア産大型ネコ科動物の生息国すべてに対し、トラの違法取引に取り組むためのワシントン条約の決議の施行に関する進捗状況についてCOP14で報告するよう求めており、追加対策が必要かどうかを決めることになる。会議では、トラや他のアジア産大型ネコの皮や骨の違法取引について着目する。

 チョウザメやヘラチョウザメの取引に関する決議の改正も話し合われる。ジュネーブのワシントン条約事務局は、昨年には野生の個体からとられたキャビアの国際取引を一時的に停止したが、取引を事実上再び認める2007年のチョウザメの割当量を今月発表している。

 今年の会議は、EUでおこなわれる最初のワシントン条約締約国会議となる。27ヵ国の加盟国から成るEUは世界でもっとも大きく、もっとも多様な野生生物製品の市場のひとつであり、その輸入は世界の合法的な輸入の3分の1以上を占める。EUが世界的にスポットライトを浴びるなか、トラフィックはEU加盟国に対し、違法な野生生物取引と闘うため、野生生物取引の(対策)を執行するにあたってコミュニケーションと相互協力を強化するために、EU間での執行努力についての協力を強化するよう促している。トラフィックはまた、第三国が持続可能なレベルで野生生物資源を管理できるよう支援するために、第三国に対し、さらなる財政支援と技術的サポートの有効性を確実にするために行動を起こすようEUを促している。

◆詳細に関するお問い合わせは
Sabri Zain, TRAFFIC International, tel: +44 (0) 1223 277427,
e-mail: Sabri Zain


 

-COP14の附属書改正提案の概要についてはトラフィックイーストアジアジャパンのCOP14特別ページへ(日本語)


-COP14の附属書改正提案の詳細についてはこちら
(ワシントン条約事務局のウエブサイト・英語)
http://www.cites.org/


(掲載日:1月29日、最新更新日:2007年2月9日)

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