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2008年12月11日

シンポジウム&セミナー「ルーツをたどれ!ワイルドライフ」開催報告
種の保存法改正の必要性についてなげかける

ivory carvings
28日の東大で開催されたシンポジウムの様子© TRAFFIC East Asia-Japan

 世界での有数の野生生物の輸入国である日本。たくさんの野生生物を世界の国々から持ち込んでいる日本は、世界の生物多様性の保全に対して大きな影響力を持ち、大きな責任を負っている。来年名古屋で開催される生物多様性条約の締約国会議を前に、日本が世界の生物多様性を守るリーダーシップをとるにふさわしい体制を整えるにはどうしたらよいか、法律整備の面から考えるセミナー(11月27日)とシンポジウム(11月28日)を開催した。

 輸入される野生生物の国内取引に焦点をあて、野生動植物の取引に関する日本の法律「種の保存法*」の改正の必要性について確認する会議となった。

 
米国の野生生物に関する法体制や執行の実例を紹介する米国政府・魚類野生生物局・管理当局部門長のクレイグ・フーバー氏 © TRAFFIC East Asia-Japan  

 講演は、トラフィック、環境省から、問題提起と日本の現状報告からはじまった。続いて、米国魚類野生生物局から、ユニークな考え方をもとに、海外から輸入される野生生物に対しても独自の法体制整備についての報告があった。

 東南アジアのIUCN環境法委員会のメンバーであるアズリナ・アブドゥラ氏からは、日本と野生生物の取引上強いつながりのある地域として、また、守るべき豊かな生物多様性を保有する地域として、その法体制と施行状況についての報告があった。

 また今回は、米国のジャーナリストで世界の爬虫類の取引の事情通であるブライアン・クリスティ氏(『Lizard King』著者)からの、世界の爬虫類取引表事情・裏事情についても報告があった。

 さらに日米の環境法を研究する上智大学の畠山教授による日本の野生生物法に関する発表があり、最後にWWFジャパンの草刈が、法改正の必要性について体系的に説明がされた。聴講者には改正が必要だという強い印象を残した。



 ※シンポジウムで話された内容については詳しくはこちら


  シンポジウムの質疑応答では、「野生生物取引」「生物多様性」「法体制」についての活発な質問が途切れることなく出され、発表者と参加者とで具体的な情報を交換することができた。

 シンポジウム出席者の声(アンケート)からは、野生生物取引に関する法律について知ることができた、種の保存法改正が必要であるとの意見が多かった。そしてまた、情報入手だけではなく、会場の熱意に影響を受けた、という声も多く聞かれた。

 トラフィックでは、この2日間の結果をまとめ、日本の野生生物の取引が、種の存続にとって有害なものにならないよう、世界の生物の多様性を守る役割を担えるものとするための実質的な一歩にしたいと考えている。

ブライアン・クリスティ氏のビデオによるプレゼンテーション
© TRAFFIC East Asia-Japan
急遽司会者として参加し、場を盛り上げてくれた吉本芸人の井上マーさん
© TRAFFIC East Asia-Japan

*正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」。


(2010年1月4日更新)

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