2005年9月9日
「動物の愛護及び管理に関する法律」政省令についての要望書を提出
昭和48年9月に制定された「動物の保護及び管理に関する法律」は、動物の虐待防止、適正な取り扱い方や、人に対する危害や迷惑の防止などを図るための動物の管理に関する事項を定めたものである。
平成11年12月第146回国会において改正、「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下、動物愛護管理法)に名称変更され、平成12年12月1日から施行、 さらに平成17年6月第162国会において改正されている。本改正法の施行は、公布の日(平成17年6月22日)から1年を超えない範囲で政令で定める日からとなる。
このたびトラフィックイーストアジアジャパンは、環境省の第10回中央環境審議会動物愛護部会の開催を前に、動物愛護管理法の内容を野生動植物の保護の観点から検討した結果、以下の内容が必要と考え、要望書を環境省自然環境局に提出した。
「動物の愛護及び管理に関する法律」についての要望書
トラフィックイーストアジアジャパン
代表 清野比咲子
1. 背景
我が国は、ペットとして利用するため哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類などの動物を海外から大量に輸入している。 なかにはリクガメなどワシントン条約の対象になっている動物も含まれている。
一方、税関では生きた動物の密輸摘発があとをたたない。最近では、スローロリス(2003年名古屋空港)やホウシャガメ(2003年名古屋空港)など密輸された個体が国内でみつかっている。税関が摘発したのは不正輸入の一部であり、税関の検査を逃れて国内に不正に持ち込まれたものがある。これらのなかには国内の取引を規制した「種の保存法」違反で摘発されたものもある。
今回の改正で、動物取扱業者の規制は、都道府県知事への届出制から登録制になる (改正法第11条)。また、動物取扱業者が不正の手段で登録を受けたときなどは、登録を取り消し、または六ヵ月以内で業務の停止を命ずることができる(改正法第19条)。さらに、登録の基準に適合しないときは、登録を拒否しなければならない(改正法第12条)。そして、動物取扱業者の登録に関して必要な事項については、環境省令で定めることになっている(改正法第20条)。
2. 要望内容
■環境省令で定める、動物取扱業者の登録を取り消す要件として、不正な輸入にかかわった場合を加えること。
具体的には、ワシントン条約を施行するための「外国貿易および外国為替法」の違反、関税法違反または「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)違反で有罪となった場合に登録を取り消すこと。または二年以内に上記の違反に該当する場合、登録を拒否すること。
■環境省令で定める、動物取扱責任者の研修(改正法第22条)に、ワシントン条約や種の保存法の内容を含めること。
3. 理由
■動物の密輸は動物虐待のひとつであり、動物愛護法の考え方に反するため。
動物愛護法は、動物の取り扱いや人々の身体への侵害防止を目的としている。さらに基本原則には、人と動物の共生に配慮することも記されている。
不正なルートで入手された動物は、捕獲時や移動時に取り扱いが適切でない場合が多い。とくに鳥類は不正に持ち込む場合に全体の三分の二が死亡するといわれている。このことから、動物愛護法でも密輸について十分考慮すべきである。
■生物の多様性に関する条約を遵守するため。
我が国は、生物の多様性に関する条約に加盟している(1992年)。この条約の前文では、生物の多様性を保全し、動植物の持続可能な利用のために、国際的な協力が必要であることを掲げている。また、各締約国は、生物多様性の保全のために、生息域外保全の措置を講じることが求められている(第9条a項)。
このことから、日本で野生動物を利用するときは、生物多様性の保全に寄与する対策をとる必要がある。密輸の多くは密猟と関連しており、生態系を脅かす最大の脅威のひとつである。個々の動物の取り扱いに注意する以前に、動物の生息域に影響がない適正なルートで入手されたものであることが前提でなければならない。
以上
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(2005年9月9日更新)
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