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チベットアンテロープのエステ通い、実は・・・・

 パネル展に足を運んでくださり、本当にありがとうございます。お配りした栞の「なぜー?」にお答えします。  チベットアンテロープにとって「密猟されないためにはエステに通って脱毛してもらうしかない」ということです。では、なぜ密猟されるのか、その真相をここでご説明します。


その体毛に秘密が!?

 チベットアンテロープは、インドや中国、チベットの標高3,700〜5,500mの高地にすんでいるウシ科の動物です。体長130-140cm、肩高80-94cmで、一見シカのように見えますが、ウシの仲間です。富士山頂より高いところで日頃生活しているため、チベットアンテロープは寒さ対策が不可欠。秘密は彼らの体毛にあります。

 チベットアンテロープの毛は一本が人間の毛髪の8分の一の細さ。軽くて保温性に富む彼らの毛は、まさに「ウールの王様」。古くから珍重されてきました。その毛で織られたショールは、指輪を軽々と通り抜けるほどなめらかで収縮性に富みます。一枚のショールを作るためには、約300〜500gの毛が必要。これはチベットアンテロープ3〜5頭に相当します。

 非常に警戒心の強いこの動物を生きたまま捕獲し、毛を刈り取ることはほぼ不可能です。したがって群で行動する彼らを撃ち殺して、その体毛をはぎ取ることになります。1kgの毛は、密猟者にとって数ヶ月分の労働賃金に相当します。


チベットアンテロープをとりまく状況

 20世紀には100万頭いたと言われるこの動物は、現在約10分の1未満の75,000頭にまで減少したと推測されています。その毛を目当てとした密猟や密輸が行われてきたため、1979年以降ワシントン条約によってその商業的な国際取引が禁止されました。また主な生息国である中国、インドでも国内の法律で狩猟や毛の取引などが禁止されています。しかし、未だにその毛を目当てとして毎年20,000頭が密猟されていると言われています。

 チベットアンテロープの毛で織られたスカーフやショールは、日本でも一枚40〜150万円で売られていました。しかし、日本へ輸入された公式な記録がないため、限りなく違法に近いと言わざるを得ません。実際に2001年東京でチベットアンテロープの毛で織られたショールを違法に販売したブティック経営者等が逮捕されました。

 75,000頭しか残されていないチベットアンテロープが、毎年2万頭づつ密猟されているとすると、ほんの数年でかれらは地球上から姿を消してしまうことになりそうです。アジアの高地にひっそりと暮らす彼らの未来は如何に・・・・・。


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知っ得・豆知識

 チベットアンテロープの毛織物を総称してシャトゥーシュと呼びます。実際に目にしたことがある日本人はそう、多くありません。近年流行となったパシュミナと似ていると言われています。家畜であるパシュミナヤギから得られる毛織物と間違えて買ってしまうことがないよう、以下のことを確かめましょう。

その一:何の毛か確認すべし
まず、毛織物は何からできているのかをお店の人に確認しましょう。店員があやふやな対応のときは、違法な取引に荷担することがないようよーく確認する。

その二:値段に注意すべし
シャトゥーシュは、高額で販売されます。パシュミナとして売られていても、10万円を越えるようなものはシャトゥーシュの疑いあり、要注意です。



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