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ワシントン条約の概要

ワシントン条約の本当の名前は?

 1973年、アメリカ合衆国のワシントンという町で、絶滅の危険がある野生動植物を国同士が取り引き(輸出入など)する場合のルールを設けることが決まりました。これがワシントン条約です。
 
正式には
 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約
英語では
 「Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora

 一般には、ワシントン条約と呼ばれたり、英語の頭文字をとってCITES(サイテス)と呼ばれています。

  2005年9月末日現在、日本を含む169の国々が、この国際条約を守ることを約束しています。

 


取引を制限する野生生物のリスト−「附属書」

 ワシントン条約には、国同士の取引を制限する必要がある野生生物のリストが付いています。このリストは「附属書(Appendix)」と呼ばれ、「附属書 I 」「附属書 II 」「附属書 III 」の3つに分かれています。2003年現在、約5,000種の動物と約28,000種の植物が附属書に掲載され、附属書ごとに取り引きがどんなふうに制限されるかが決められています。

 附属書に載っている生き物については、生きている状態での取引だけでなく、その生き物の肉や皮や骨などの取引も制限されることになっています。

 また、どの附属書に、どの生き物を載せるかは、2年ごとに開かれるワシントン条約締約国会議(条約に加盟している国の政府の代表が集まって話し合う国際会議)で話し合われます。

  どんな生き物が附属書に載っているの? どんなふうに取引が制限されるの?
附属書I 今すでに絶滅する危険性がある生き物 ジャイアントパンダ、トラ、ゴリラ、オランウータン、シロナガスクジラ、タンチョウ、ウミガメ科の全種など約900種の動植物(2003年現在)。

商業のための輸出入は禁止される。学術的な研究のための輸出入などは、輸出国と輸入国の政府が発行する許可書が必要となる。

附属書II 国同士の取り引きを制限しないと、将来、絶滅の危険性が高くなるおそれがある生き物
タテガミオオカミ、カバ、ウミイグアナ、トモエガモ、ケープペンギン、野生のサボテン科の全種、野生のラン科の全種など、2003年現在約32,500種の動植物(ただしサボテン科とラン科の植物は附属書Iのものもある)。 輸出入には、輸出国の政府が発行する許可書が必要となる。
附属書III その生き物が生息する国が、自国の生き物を守るために、国際的な協力を求めている生き物
ボツワナのアードウルフ、インドのオコジョ、ハクビシン、カナダのセイウチ、ガーナのコガモ、オナガガモ、ボリヴィアのオオバマホガニーなど約300種の動植物。

輸出入する場合には、輸出国の政府が発行する許可書が必要となる。



野生生物をたくさん輸入する日本

 日本は、ワシントン条約で取引が制限されている野生生物をたくさん輸入しています。特に多いのが、バッグや財布など、爬虫類の皮を使った製品。生きている植物、鳥、爬虫類の輸入も多く、鳥、リクガメなどの輸入量は世界一です(1996)。

 もちろん、これはワシントン条約を守って、正しい手続きをした上で輸入された数です。しかし、条約に違反して密輸された生き物が、日本で見つかる事件もたびたび起きています。大阪のペットショップで、密輸されたオランウータンの子どもが見つかった事件もありました。

 日本では近ごろ、珍しい動物をペットにする人が増えています。珍しい生き物を欲しがる人がいれば、必ずワシントン条約に違反して密輸をする人が現れます。輸出入が制限されているため、密輸品はますます貴重なものとなり、とても高く売れるからです。また、こうした状況は、密輸だけでなく、密猟をも引き起こしてしまいます。

附属書 I または II に載っている鳥(生きているもの)の輸入数(1996年)
日本 42.5%(136,179羽)
スペイン 21.2%
ポルトガル 9.4%
フランス 4.6%
その他 22.2%
世界の輸入総数 320,150羽
  資料:CITES Trade Database,1999

 

生きているリクガメの輸入数(1996年)
日本 54.5%(29,051頭)
アメリカ合衆国 19.6%
フランス 7.5%
チェコ 3.1%
ベラルーシ 2.9%
ドイツ 2.1%
その他 10.4%
世界の輸入総数 53,309頭
  資料:CITES Trade Database,1999

(2005年9月13日更新)

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