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決議12.7(CoP16で改正) チョウザメ並びにヘラチョウザメの保護および取引

*以下は、2010/6/23(CoP15)時点の内容。

第10回締約国会議(ハラレ、1997年)で採択され、第11回会議(ギギリ、2000年)で改正された決議10.12(改正)および第11回締約国会議で採択された決議11.13を想起し、

チョウザメ目Acipenseriformesの現存するチョウザメ並びにヘラチョウザメが、近年、違法漁獲並びに違法取引、水流調節および自然産卵場の減少などの負の要因によって影響を受けてきた貴重な再生可能生物並びに経済資源であることを意識し、

常設委員会の第45回会議(パリ、2001年6月)で承認された「パリ協定」に従い、カスピ海のチョウザメ目の保全のために支持された概念およびそれに向けた進歩を想起し、

持続的漁業管理の基礎としてのさらなる研究の必要性および資源の状態の科学的モニタリング並びにそれらの遺伝的構成の理解の重要性に留意し、

保全、生息地保護、違法漁獲並びに取引防止のための地域管理並びにモニタリング計画を立案するために、チョウザメ種のユーラシアの生息国が資金並びに技術援助を必要としていることを考慮し、

条約第6条7項で、附属書に掲げる種の標本は、それらの識別を促進するためにマーキングできると規定されていることを想起し、

取引される全キャビアのラベリングが、チョウザメ並びにヘラチョウザメの標本の取引の有効な規制に向けての基本的一歩になることを考慮し、

取引される合法的キャビアの識別に関して締約国を補助するために、マーキングを標準化すべきであり、かつ、ラベルのデザインに関する特定の仕様が根本的に 重要であり、全般的に適用されるべきであり、現行のマーキング制度およびマーキング制度において予想される技術的進歩を考慮に入れるべきであることに留意し、

元の輸出に関連したキャビアの再輸出および年間輸出割当に関連した輸出水準のモニタリングを改善する必要性があることを承知し、

UNEP世界自然保護モニタリングセンター(UNEP-WCMC)によるキャビア取引データベースの設置を歓迎し、

締約国は輸出許可書、再輸出証明書の発給または輸出割当量の設定を行う際、国内市場および違法取引を考慮に入れることを認識し、

共有資源からのチョウザメ標本の輸出割当量の設定には透明性を要することを認識し、

条約締約国会議は

チョウザメ目の種の生息国に対して次のとおりに促す。

a) 適切な管理計画を通じてチョウザメ並びにヘラチョウザメ漁業の持続可能性を促進するために、科学研究を奨励し、個体群1の状態の十分なモニタリングを確約する。

b) CITES事務局、ICPO-インターポール、世界税関機構との密接な協力により、漁業および輸出を規制する現行法の規定および執行を改善することにより、チョウザメ並びにヘラチョウザメの標本の違法漁獲並びに取引を削減する。

c) チョウザメ並びにヘラチョウザメに関して責任を持つ全機関の代表によるそれらの種の保護および持続的使用計画への参加を促進する方法を探る。

d) チョウザメ並びにヘラチョウザメの生息国間で、それらの種の適切な管理および持続的利用をねらいとする地域協定を推進する。

e) ユーラシア地域のチョウザメの生息国の場合、地域保全戦略ならびに行動計画を策定する際には、文書CoP12 Doc.42.1中の勧告を考慮に入れる。

チョウザメ製品の取引規制に関して次のとおりに勧告する。

a) 生息国はチョウザメ並びにヘラチョウザメの標本の合法的輸出者に対して免許を与え、それらの人物または企業の登録簿を維持し、事務局にこの登録簿を提出する。変更が生じた時は登録簿を更新し、遅滞なく事務局に伝える。事務局は通達を通して締約国にこの情報を配布し、CITESウエブサイトの登録簿に掲載する。

b) 輸入、輸出、再輸出を行う各締約国は、国内法と一致する場合、その領土内の養殖事業を含むキャビア加工工場および再包装工場の登録制度を設け、それらの施設と正式な登録コードの一覧表を事務局に提出する。変更が生じた時は一覧表を更新し、遅滞なく事務局に伝える。事務局は通達を通して締約国にこの情報を配布し、CITESウエブサイトの登録簿に掲載する。

c) 輸入国は、チョウザメの標本の荷下ろし、積み替え、再包装、再ラベリング、再輸出を含め、チョウザメならびにヘラチョウザメの種の取引に関するすべての側面の規制については特に注意する。

d) 締約国は無税地帯および自由港において、および航空路線ならびに航路での配膳業のためのチョウザメならびにヘラチョウザメの標本の貯蔵、加工、再包装を監視する。

e) 締約国はチョウザメならびにヘラチョウザメ種に関する条約の規定を施行するために必要な行政、管理、科学、規制上の機構を確立するために、関連機関すべてが協力するよう保証する。

f) 締約国は条約第7条3項に従う手回り品の免除を許可するため、およびこの免除を1人あたりキャビア125gまでに制限するために、キャビアに関する手回り品免除に関係する国内法の関連を考える。

g) 共有資源から2007年に漁獲され、合意された輸出割当量に従うすべてのキャビアは、2007年末までに輸出しなければならない。2008年以降、共有資源から漁獲され、輸出割当量に従うすべてのキャビアは、漁獲され、加工された割当年(3月1日から2月末日まで)の年末までに輸出しなければならない。この目的のために、そのようなキャビアに対する輸出許可書は最長で割当年の末日まで有効とする。締約国は前の割当年に漁獲または加工されたキャビアを輸入しないものとする。

h) 関連する輸出許可書原本の発給日から18ヵ月を越えたキャビアの再輸出は行われない。

i) 締約国はUNEP-WCMCに対して直接、または事務局に対し、キャビアの取引を認可するために発給されたすべての輸出許可書並びに再輸出証明書の写しを、発給後1ヵ月以内に提出し、UNEP-WCMCキャビア取引データベースに入力できるようにする。

j) 締約国は再輸出証明書の発給に先立ち、UNEP-WCMCキャビア取引データベースを調べる。

k) 事務局は常設委員会の各会議で、UNEP-WCMCキャビア取引データベースの運用に関する進捗状況報告書を提出する。

l) 締約国はキャビアに関し、他の魚種の卵も含み、正確さが劣る6桁のコードの代わりに、入手可能な限り、8桁全部の税関コードを使用する。

m) 締約国は付記1並びに2に概略を示したキャビアに関する統一ラベリング・システムを施行し、輸入締約国はこれらの規定を遵守しない限り、キャビアの積荷を受け入れないものとする。

漁獲並びに輸出割当量に関し、さらに次のとおりに勧告する2

a) 締約国は、異なる生息国3の間で共有される資源からのチョウザメ目の種のキャビア並びに肉の輸入を受け入れない。ただし、以下の手順に従い輸出割当量が設定されている場合を除く。

i) 生息国がその割当年についてチョウザメ目の種のキャビア並びに肉の輸出割当量を定めている。割当年は2008年以降、3月1日に始まり、翌年の2月末日に終わる。

ii) i)に言及された輸出割当量が、当該種に関する適切な地域保全戦略並びにモニタリング方式に基づく漁獲割当量に由来するものであり、野生でのその種の存続に悪影響を与えない。

iii) i)並びにii)に言及された漁獲並びに輸出割当量が、チョウザメ目の種の同一資源の生息域を提供する全締約国間で合意される。ただし、資源が3ヵ国以上の間で共有され、これらの締約国のいずれかが、これらの全締約国の合意による決定に従い開催される共有資源割当量合意会議に参加することを拒否するか、または参加しない場合は、共有資源の合計並びに国別割当量は、残りの生息国の合意により決定することができる。締約国への通達のために、この状況を裏付ける書面を両方の側から事務局に提出しなければならない。参加しなかった締約国は、割当量を受け入れることを事務局に通知し、事務局が締約国にそれを通達した後、初めて割当量の中からキャビア並びに肉を輸出することができる。2ヵ国以上の生息国が上記の過程への参加を拒否するか、または参加しない場合、共有資源に関する合計並びに国別割当量を定めることはできない。生息国2ヵ国のみが共有する資源の場合、割当量は意見の一致により合意されなければならない。意見の一致に達することができない場合、CITES事務局を含め、過程を促進するために仲介者を要請することができる。意見の一致に達する時点まで、それらの国の割当量はゼロとする。

iv) 生息国が前年の12月31日までに、上記i)に言及した輸出割当量およびii)並びにiii)に従う漁獲並びに輸出割当量を設定するために使用した科学的データを事務局に提出した。

v) 上記iv)に示した期日までに事務局に割当量が伝えられない場合、関連する生息国が割当量を書面で事務局に伝え、それを事務局が締約国に通報する時点まで、それらの国の割当量をゼロとする。事務局は生息国から遅滞について通報を受け、それを締約国に通達するものとする。

vi) 事務局は生息国から情報を受領してから1ヵ月以内に、合意された割当量を締約国に通報する。

b) 事務局は要求に応じ、iv)で言及した情報全部を締約国が入手できるようにする。

c) チョウザメ目の種の共有資源の生息国が、本決議に従い定めた自国の割当量をより厳格な国内措置に従い削減すると決定した場合、それはこの資源の他の生息国の割当量には影響を与えない。

事務局に対し、動物委員会の各会議で、関連書類への参照を含め、チョウザメ並びにヘラチョウザメの保全並びに取引に関係する活動に関する報告書を提出するよう命じる。

動物委員会に対し、事務局、関心を持つ締約国、国際組織、関連する専門家と協力し、本決議の関連規定に関する進捗状況を監視し、また、2008年から始まる3年のサイクルで、それ以前の年の情報を使い、上記の「さらに勧告する」a)項の規定に従い、チョウザメ目の種の資源に対して使われるアセスメント並びにモニタリング方法の評価を実施するよう命じる。

生息国に対し、「さらに勧告する」a)項並びに上記の「動物委員会に対し命じる」の項の規定を施行するという観点から、動物委員会並びに事務局と協力するよう促す。

動物委員会に対し、上記の進捗状況のモニタリング並びに3年サイクルの評価に基づき、講じるべき措置を常設委員会に対して勧告するよう命じる。

生息国、輸入国およびIUCN/SSCチョウザメ専門家グループなどの他の適切な専門家並びに組織に対し、事務局並びに動物委員会と協議の上、取引される標本の出所を後に識別する際の補助として、チョウザメ種の部分および派生物および養殖したストックに関する均一なDNAに基づく識別システムの開発を行い、また、DNAに基づく方法が役に立たない場合に、野生と養殖のキャビアを区別するための方法の開発並びに応用を行うための研究を続けるよう求める。

事務局に対し、次のとおりに命じる。

a) 産業界および保護分野の両方の国際組織並びに生息国と共同で、チョウザメ目の保護に関する行動計画を含む戦略の立案を補助する。

b) 締約国、国際組織、国連特別機関、政府間並びに非政府組織および産業界からの財源確保を補助する。
次に列挙した決議を廃棄する。

a) 決議10.12(改正)(ハラレ、1997年、ギギリ、2000年で改正)-「チョウザメの保護」

b) 決議11.13(ギギリ、2000年)-「キャビアの識別のための国際統一ラベル・システム」

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1 この決議の目的のために、「資源(stock)」は「個体群(population)」と同義とみなす。

2 第13回締約国会議において、この勧告はキャビアの商業目的の漁獲または共有する資源からの輸出を行わない生息国には適用されないことが合意された。だが、そのような資源からのチョウザメ製品の漁獲と輸出における著しい変化に関し、事務局または締約国は、常設委員会または締約国会議の注意を喚起することも合意された。

3 固有資源つまり他の国と共有しない資源および飼育繁殖または養殖事業からの標本については割当を設定する必要はない。そのような標本について通報された割当は自主割当である。

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付記1 キャビアの取引および識別のための国際統一ラベリング・システムに関するCITESガイドライン

a) 統一ラベリング・システムは、野生並びに養殖を出所とし、商業または非商業目的で、国内または国際的な取引のために生産されるすべてのキャビアに適用され、各一次容器への再利用不可ラベルの貼付を基本とする。

b) キャビアの取引に関しては、次の定義が適用される。

-キャビア:チョウザメ種の加工された未受精卵(魚卵)

-ロット識別番号:加工または再包装工場によって使われるキャビア追跡システムに関係する情報と一致する番号

-再利用不可ラベル:破損せずにはがすことも別の容器に移すこともできないラベルまたはマークで、容器を密封することもある。再利用不可ラベルが一次容器を密封しない場合、キャビアは容器の開封を視覚的に証明できるような方法で包装するものとする。

-プレス・キャビア:より高級なキャビアの加工および調整後に残った、ひとつ以上のチョウザメ並びにヘラチョウザメ種の未受精卵(魚卵)から成るキャビア

-一次容器:キャビアと直接接触する缶、瓶または他の容器

-加工工場:キャビアを一次容器に最初に入れる責任を負う原産国の施設

-再包装工場:キャビアを受け取り、新しい一次容器に再包装する責任を負う施設

-二次容器:一次容器を入れる容器

-出所コード:関連CITES決議で定義されたキャビアの出所に対応する文字(例えばW、C、F)。注意点として、さまざまな状況の中でも特に、飼育下で生まれ、少なくとも片親が野生原産であるメスから生産されたキャビアには、「F」というコードを使用する。

c) 原産国では、加工工場で一次容器に再利用不可ラベルを貼付する。このラベルには少なくとも付記2に示す標準種コード、キャビアの出所コード、原産国 を示すISOの2文字のコード、採取年、加工工場の公式登録コード(例えばxxxx)並びにキャビアのロット識別番号(例えばyyyy)を記載する。

HUS/W/RU/2000/xxxx/yyyy

d)再包装が行われない場合、上記c)項で言及された再利用不可ラベルを一次容器上に貼付したまま残し、再輸出を含め、それで十分とみなす。

e)キャビアが再包装される一次容器には、再包装工場によって再利用不可ラベルを貼付する。このラベルには少なくとも付記2に示す標準種コード、標本の出 所コード、原産国を示すISOの2文字のコード、再包装した年、再包装工場の公式登録コード(再包装した国が原産国と異なる場合は、再包装した国のISO の2文字のコードを付ける)(例えばIT-wwww)並びにキャビアのロット識別番号またはCITES輸出許可書または再輸出証明書の番号(例えば zzzz)を記載する。

PER/W/IR/2001/IT-wwww/zzzz

f) キャビアが輸出または再輸出される際、国際的な税関規則に従い、内容の記載に加え、キャビアの正確な量も二次容器上に示さなければならない。

g) 容器に貼付されたラベル上と同一の情報を輸出許可書または再輸出証明書あるいはCITES許可書または証明書に添付された付記に記載しなければならない。

h) ラベルと許可書または証明書の情報が合わない場合、輸入国の管理当局は可能な限り早急に輸出国または再輸出国の管理当局に連絡し、それがガイドライン によって必要とされる情報の複雑さから生じる純粋な誤りかどうかを確認する。その場合は、その取引に関与した人々の処罰を回避するためにあらゆる努力を払う。

i) 締約国はキャビアの積荷を、それらがc)、d)またはe)項で言及された情報を含む適切な書類を伴う場合にのみ受け入れる。

付記2 チョウザメ種、交配種並びに混合種の識別コード

コード

Acipenser baerii

BAE

Acipenser baerii baicalensis

BAI

Acipenser brevirostrum

BVI

Acipenser dabryanus

DAB

Acipenser fulvescensa

FUL

Acipenser gueldenstaedtii

GUE

Acipenser medirostris

MED

Acipenser mikadoi

MIK

Acipenser naccarii

NAC

Acipenser nudiventris

NUD

Acipenser oxyrhynchus

OXY

Acipenser oxyrhynchus desotoi

DES

Acipenser persicus

PER

Acipenser ruthenus

RUT

Acipenser schrencki

SCH

Acipenser sinensis

SIN

Acipenser stellatus

STE

Acipenser sturio

STU

Acipenser transmontanus

TRA

Huso dauricus

DAU

Huso huso

HUS

Polyodon spathula

SPA

Psephurus gladius

GLA

Pseudoscaphirhynchus fedtschenkoi

FED

Pseudoscaphirhynchus hermanni

HER

Pseudoscaphirhynchus kaufmanni

KAU

Scaphirhynchus platorynchus

PLA

Scaphirhynchus albus

ALB

Scaphirhynchus suttkusi

SUS

混合種(プレスキャビアのみ)

MIX

交配種:オスの標本のコード×メスの標本のコード

YYYxXXX

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