ホーム>ワシントン条約について>ワシントン条約決議>第10回ワシントン条約締約国会議 決議文和訳
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締約国会議の定例会議に提出する文書の準備に要する作業量を考慮し、
締約国会議の会合を組織するにあたり、事務局と緊密に協力するという締約国の義務を確認し、
他の締約国によって提出される決議案その他の文書に関し、締約国に事前に通知する必要性を認識し、
条約の第15条1(a)項が締約国に対し、附属書IならびにIIの改正案本文を締約国会議の少なくとも150日前に事務局に通告するよう要求していることに注目し、
条約締約国会議は
条約第15条1項中の「改正案の本文」という言葉には、それに付随する実質的に完全な添付書類が含まれ、締約国会議の会合で協議するために提出される決議案、その他の文書にも、この解釈は拡大して適用されることに合意する。
次のとおりに勧告する。
a)締約国会議の会合に協議するために提出される決議案や他の文書の本文は、会合の少なくとも150日前に事務局に通告する。
b)150日間の期限の後は、その決議案または文書を期日前に通告できなかったことが、事務局が満足できる形で立証されるという例外的な状況に限り、事務局は決議案および文書(附属書IおよびIIの改正案を除く)を受理する権限を持つ。
c)網羅的であること、または対象を包括的に取り扱うこと、または対象を取り扱う方法に重大な変更を加えることを意図する決議案を作成するにあたり、締約国は、その草案が採択された場合、それが同じ対象に関するすべての既存の決議(または適宜、関連する条項)に置き換わり、かつそれらを無効にするよう、草案を作成する。
d)情報収集を必要とする決議ならびに決定の草案作成にあたり、締約国はそのような情報を年次または隔年の報告書を通じて探すことが可能か、それとも特別な報告書を必要とするかを考慮し、全般的に報告に関する負担を最小限に抑えるよう保証する。
e)実際上の考慮事項によって別に指示されない限り、決議案には次のものを含めない。
i) それらが長期的手続きの一部でない限り、委員会、作業部会または事務局に対する指示または要求
ii) 附属書の提示に関する決定
iii)採択直後に実施され、その後は陳腐化するような勧告(または他の形の決定)
f)通則として、締約国会議の会合で協議するために提出される文書の長さは12ページまでとする。
g) 既存決議中の勧告(または他の決定)に単にいくつかの点を追加するか、またはそれに対して些細な改正を加えるのみの決議案が採択された時は、合意した変更を盛り込んだ改訂版で既存決議を置き換える。
次回の臨時締約国会議が開催された時に次の提案を条約改正案として議題に盛り込むよう事務局に命じる。
a) 附属書IIIの部分ならびに派生物に関する第16条の規定と附属書IならびにIIに関する条約手続き(第15条)との調整を図る。
b) 第14条5項を「第4条の規定にかかわらず、標本の輸出は」とする。
c) 第3条3(b)ならびに5(b)項を「国の管理当局か科学当局のいずれか」とする。および
d) 条約本文中でみつかった誤字の訂正。
事務局に対してさらに次のように命じる。
a) 締約国会議の各会合後に現行決議を記載した公報を改訂する際、他の決議への言及すべてが正確に行われるよう既存決議の本文を訂正する。かつ
b) 締約国会議の各会合後に決定の一覧表を更新する際、決議中に記録されず、有効なまま残るすべての勧告(または他の形式の決定)をそれに含めること。一覧表は決議の表題を使い表題順に並べ、各表題の中ではそれらに対応する本文に従い分割する。締約国会議の各会合の直後に事務局は更新された決定一覧表の写しを締約国に配布する。
締約国会議の会合で協議するために提出される決議案または決定で、事務局または常置の委員会の予算および作業量に影響を与えるものには、必要な作業の予算および資金源の提示を盛り込むか、または添付しなければならないことを決定する。
締約国会議によって採択された決議および決定に含まれる勧告は、その勧告中に別に指定されない限り、それが採択された会議の90日後に効力を発することを、さらに決定する。■
締約国は附属書I、II、およびIIIに掲げられている種に関して、条約第14条に基づいてより厳しい国内措置を採用できることを想起。
条約第14条が締約国に対して、附属書IIIに掲げようとする種に関する国内のすべての法律と規則並びにそれらの解釈のコピーの提出を義務づけていることを想起し、
締約国がこれまでに、附属書I、II、およびIIIに掲げられている種の標本に関して、それぞれの国が講じてきたより厳しい国内措置に関する報告を事務局に対して随時行ってきたこと、また、事務局が、そのような措置に関する通達を配布してきたこと、さらに、事務局が締約国に対して、そのような措置を考慮に入れるよう求めてきたことを認識し、
一部の締約国が、しかるべき行動を取るためにそのような措置に関する文書をさらに必要とする可能性があることを認識し、
条約締約国会議は
以下のとおり勧告する。
a) より厳しい国内措置の存在、採択、または修正を事務局に通達する締約国は、事務局に対して、法律、規則、命令、およびその他の当該措置を理解するための助けとなる情報、法律、規則、命令、およびその他の文書の引用例、当該措置の施行に責任を有している政府機関および担当部署の名称、住所、電話およびファクス番号、メールアドレスのコピーを提出すること。
b) 許可書または証明書の無効性、不完全性、またはこれらの文書に関する特殊な必要条件を事務局に通達する締約国は、関連許可書または証明書の発行に責任を有する政府機関と担当部署の名称、住所、電話およびファクス番号、メールアドレスを記載した署名入りの報告書を用いてその通達を行うこと。
締約国会議はまた、条約事務局に対して、事務局が締約国への通達に、上記a) およびb)に従って締約国が提出した情報のコピーを添付することを要請する。
条約第23 条に従い、ある国がCITES の締約国になる際に、附属書I、II またはIII に掲げる種、もしくは附属書III に掲げる種に関して指定された部分または派生物に留保を付することができること、また、その場合、そのような留保を撤回するまで、指定した種もしくは部分または派生物の取引に関し、現行の条約の締約国ではない国として扱われることを認識し、
条約第15 条に従い、附属書I またはII が改正される時、いかなる締約国も90 日以内に、その改正について留保を付することができること、また、その場合、そのような留保を撤回するまで、当該種の取引に関し、条約の締約国ではない国として扱われることを認識し、
さらに、条約第16 条に従い、締約国はいつでも、附属書III に掲げる種、もしくは指定された部分または派生物に留保を付することができること、また、その場合、そのような留保を撤回するまで、当該種もしくは部分または派生物の取引に関し、現行の条約の締約国ではない国として扱われることを認識し、
条約のこれらの規定については、締約国により異なる解釈があることに留意し、
条約のある附属書から別の附属書に種を移行することは、ひとつの附属書からの削除およびそれと同時の他の附属書への掲載とみなさなければならないことを信じ、
種を附属書から削除する場合、その種に関して付された留保は有効性を失うことを考慮し、
全締約国が条約を均一な方法で解釈すべきであることも考慮し、
条約締約国会議は
附属書I に掲げる種に関して留保を付した締約国は、書類と取り締まりを含むすべての目的のために、それが附属書II に掲載されているかのように扱うよう勧告する。
ある種をひとつの条約附属書から削除し、同時に別の附属書に掲載する場合、その種に関して有効だったいかなる留保も、削除により無効になり、したがって、その種に関する留保を維持することを望む締約国は、第15条3 項または第16 条2 項に従い、新たな留保を付さなければならないことに合意する。
留保を付した締約国に対し、それに関わらず、それらの種の標本の国際取引が適切に監視されるよう、年次報告書の一部として、当該種の取引に関する統計記録を維持し、かつ伝達するよう求める。および事務局に対し、無効になる留保について、締約国が希望する場合に、留保の更新が間に合うよう影響を受ける締約国に対して明確に注意を促すよう命じる。 ■
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条約第3条3項(c)および5項(c)に基づき、附属書Iに掲げられた種の標本の輸入許可書または海からの持ち込みのための証明書は、輸入国〔あるいは持ち込まれる国〕の管理当局が、標本が主として商業目的に利用されるものではないと認めることを含む一定の条件を満たした場合にのみ発行されることに鑑み、
「主として商業的目的」、および第7条4項の「商業的目的」、あるいは第7条6項の「非商業的目的」の用語について条約が明確な定義を下していないために、「主として商業的目的」〔および上記の他の用語〕が締約国によって異なって解釈される可能性があることを認識し、
締約国によって国内法および法慣例が異なるために、単に「目的」の用語についても合意を得ることが困難となること、また利用の目的が主として商業的目的か否かはそれぞれの輸入に関する事実によって判断されることを認め、
「商業的」などの用語が明確な定義を欠いており、またそれぞれの取引に関する事実が重要とされることから、輸入される附属書Iの種の標本の利用目的を締約国が評価するに際して指針とすべき一般原則および事例に関する合意を形成することが必要であることを認識し、
条約第2条1項が附属書Iの種の標本の取引を特に厳しく規制し、その取引は例外的な場合に限って認めることを基本原則としていることから、「主として商業的目的」の解釈についての合意が重要であることを認め、
条約締約国会議は
締約国に対して、条約第3条3項(c)および5項(c)については、以下の一般原則およびこの決議に添付する付属文書の事例を参照し、附属書Iの種の標本の輸入が、主として商業的目的に該当するか否かを判断するよう勧告する。
一般原則
1. 附属書Iの種の取引は特に厳しく規制され、例外的な場合に限り認められる。
2. 利潤(金銭または物品の形で)など経済的利益を得ること、および転売、交換、サービスの提供および他のいかなる形態での経済的利用または利益を目的とした活動は一般に「商業的」とみなされる。
3. 輸入国は、「商業的目的」という用語をできるだけ広く定義し、必ずしも「非商業的」ではない取引はすべて「商業的」とみなすべきである。この原則を「主として商業的目的」の用語に適用するにあたっては、利用の非商業的側面が明確に顕著なものでない限り、すべて主として商業的目的とみなし、附属書Iの標本の輸入は認めないことで合意する。附属書Iの種の標本の利用目的が明確に非商業的であるとの立証責任は、当該標本を輸入しようとする個人または企業、団体が負うものとする。
4. 条約第3条3項(c)および5項(c)は、輸入国における附属書Iの標本の利用目的に関するものであり、輸出国の標本所有者と輸入国の荷受人との間の商取引の性質に関するものではない。附属書Iの標本が輸出国から輸入国へ渡るまでの移転の段階においては商取引が伴うと考えられるが、これらは必ずしもそのまま標本が主として商業目的の利用されることを意味するものではない。
事例
以下の事例は、それぞれの状況の事実関係に応じて非商業的側面が顕著な取引の部類とそうでない部類とを分類したものである。各事例の続く議論は実際のケースバイケースでの商業性の判断のための指針および基準を示している。ただし、このリストは、主として商業的目的ではない附属書Iの標本の輸入にあたる場合をすべて網羅的に示すものではない。
a) 純粋な個人利用: 条約第7条3項は、「個人の手回品または家財である標本」についての特別の規定を設けている。この例外は、附属書Iの種の標本がその所有者が通常居住する国以外において取得され、通常居住する国へ輸入された場合には適用されない。しかしこの規定から演繹して、純粋な個人的利用のために輸入された標本は主として商業的目的とは見なされない。
b) 学術的目的: 条約第7条6項は、「科学者または科学施設の間で商業的目的以外の目的の下に貸与され、贈与されまたは交換される場合」という表現を用いている。すなわち条約は、科学的目的については条約の一般的手順を特別に免除することを認めている。科学的目的が顕著であり、輸入を行う者が輸入国の管理当局に登録されたまたは他の方法で管理当局に認められた科学者あるいは科学施設であり、また標本の転売、あるいは商業的交換または経済的利益を上げるための展示が主な利用目的ではない場合、附属書Iの種の標本の輸入が認められている。
c) 教育および研修: 輸入国の管理当局によって認められた政府機関または非営利団体が自然保護、教育、研修を目的として附属書Iの種の標本を輸入することができる。例えば、ワシントン条約の効果的な規制のために税関係官の研修を目的として標本を輸入することは認められる。このような種類の輸入は許可されてよいものとみなされる。
d) バイオメディカル産業: バイオメディカル産業に関連する附属書Iの種の標本の輸入については、商業的であるとの前提に立って厳密な審査が行われる必要がある。このような輸入には二重の目的がある。ひとつは人々の健康を増進するための製品を開発することであり、もうひとつは、その製品を販売して利益を得ることである。ほとんどの場合、後者の目的が顕著であるとみなされることから、この種類の輸入は概して認められない。しかし輸入者が輸入国の管理当局に対し、製品の販売は健康増進の研究に付随するものであり、経済的利益や利潤が主要な目的ではないことを明確に示した場合は、このような輸入は上記b)の部類に属するものといえる。
e) 飼育繁殖事業: 飼育繁殖を目的とした附属書Iの種の標本の輸入については特殊な問題が生じる。決議10.16(改正)1が定めるとおり、飼育繁殖を目的とする標本の輸入は、当該種の長期的保護を第一の目的としなければならない。一部では、飼育繁殖事業のコストを補うため余剰標本の販売が行われている。このような状況下においては、いかなる利潤も個人または株主のための利益とならない場合、つまりすべての利潤が附属書Ⅰの種の標本ための飼育繁殖事業の継続支援を目的とする場合に限り輸入が認められ得る。したがって、このような場合には輸入を不当と見るべきではない。商業的目的を有する飼育繁殖事業のための飼育繁殖標本の輸入について第7条4項および5項は、第3条3項(c)に定める「主として商業的目的」の条件の適用を排除している。飼育繁殖事業にあたっては、輸入は、種の回復を目的とし、その種の原産国である締約国の協力を下で進められる事業の一環として行われねばならないとの原則に留意すべきである。結果として生じる利益は、附属書Iの種の回復を目的とする事業の継続のために利用すべきである。
f) 専門業者を介しての輸入: 上記の事例b)からe)までについては、輸入が専門業者を介して行われた場合に問題が生じる。このような輸入は、当初に商業的目的をもつものであるから、条約第3条3項(c)に基づき原則として禁止される。業者が、輸入標本を最終的には未特定の動物園または科学施設に対して販売するといった意向を申し立てた場合にもこの結論は変えてはならない。実際に、生きた標本の商業的輸入の多くはこのような意図で行われている。しかし、資格を有する科学施設、教育施設、動物園または他の非営利団体による専門業者を介しての輸入は、最終の利用目的が上記の事例b)、c)、e) のいずれかに該当し、専門業者と購入施設との間で、附属書Iの特定の標本の輸入および販売についての請負契約(許可書の発行を条件とする契約を含む)がすでに交わされており、その契約が輸入許可申請書とともに輸入国の管理当局に提出された場合には、認められ得る。事例d)についても、販売が健康増進の目的に付随するもので経済的利益や利潤が主な目的ではない場合には、同様の条件で認められる。
附属書Iの種の標本の輸入が、上記の事例のいずれかに該当する場合であっても、輸入が認められるためには条約によって適用される他のすべての関連規定を満たさねばならない。例えば、輸入の主な目的が科学的研究または動物園での展示であっても、さらに関連規定である条約第3条3項および5項に基づいて適用される諸要件を満たす必要がある。したがって、科学的目的または動物園での展示を目的とする場合でも、輸入によってその種の存続が脅かされると認められる場合、あるいは生きた標本については、標本を受領しようとする者が標本を収容し適切に世話するためのしかるべき設備の整った施設を有しない場合には、当該標本の輸入が不適当とされることもあり得る。
さらに第2条1項の規定に基づき、野生から採られた附属書Iの標本を上記のいずれかの目的で輸入する際には、原則として、まず輸入者は次の事実を明示しなければならない。
a) その種と同種の飼育下で繁殖させた適当な標本を入手できなかったこと。
b) 附属書Iに掲げられていない他の種では意図する目的に利用できないこと。
c) 他の代替手段では意図する目的が達せられないこと。
1:第10回および第11回締約国会議を受けて、事務局が訂正:以前は決議2.12と言及されていた。
事務局に対して、附属書IおよびIIの改正案に関して締約国に勧告を行うよう求めた条約第15条2項(b)および(c)に留意し、
事務局が、勧告の基礎とするための十分なデータを入手する際に直面する問題を認識し、
またデータおよび情報は、さまざまな出版物や情報源から入手し得ることを認識し、
条約締約国会議は
事務局が条約第15条2項(b)および(c)に基づき勧告を行うにあたって従うべき指針を次のとおり定める。
a) 適当とされる場合、特定のデータについて典拠で確認できるよう勧告の本文には参照資料を示す。
b) 参照の指示は、このような指示に関して認められた科学上の標準にしたがい行う。
c) 未発表のデータも利用でき、典拠を明示できる場合はこれを示す。情報が秘密扱いとされている場合は、その旨を明示しなければならない。
d) 以前に附属書に記載されていた、または記載することもしくは削除することを提案されたことのある種については、その記載または提案に関するこれまでの短い経過および条約の下でのその取扱いについて勧告の中で触れる。
e) 適切とされる場合、提案に影響を及ぼす現在のすべての決議または締約国が審議中もしくは検討を予定しているすべての決議案への参照指示を付す。
f) 提案国または生息国あるいは他のすべての情報源から、使用されたデータについての確認または反論するための生物学上あるいは取引上の補足データを請求することができる。
g) 事務局は、情報は科学的なものに限られるべきでないことを認識し、入手可能なかぎり広範囲な情報に基づき勧告を行う。
事務局に対して、条約の基本方針および効果的施行を促進するという主目的に沿って勧告を行う努力を続けるよう強く求める。
条約の目的を達成するためには国際間の協力が根本的に重要であることを認め、
条約第14条1項に基づきより厳重な国内措置を採用することが、原産国における種の保護状況にかえって悪影響を及ぼす可能性もあるとする一部の締約国の懸念を認識し、
より厳重な国内措置を採用することに伴う困難はすべて、相互の協議および協力によって解決できると信じ、
条約締約国会議は
次のとおり勧告する。
a) 自国に原産しない附属書に掲げられた種について条約第14条1項に基づきより厳重 な国内措置を採ろうとする締約国は、措置の採用に先立ちできるだけ早い段階で、当該種の生息国にその旨を通知し、この問題について協議を希望する生息国とは協議を行う。
b) 本決議が採択される前に、自国に原産しない種についてより厳重な国内措置を採用した締約国は、要請があれば、その措置の妥当性について当該種の生息国と協議を行う。
第7条4項が、商業的目的で飼育下で繁殖させた附属書Iの種の標本の国際取引は規制されるべきであると、特に規定していることを認識し、
また締約国会議は、締約国が承認されたランチング事業、第11回締約国会議(ギギリ、2000年)で採択され、第14回締約国会議で改正された決議11.16(Cop.14で改正)、によってもたらされた標本の商業的な取引を許可する権利を確立したことを認識し、
附属書Iに掲げられている種で、ランチングによる標本、飼育繁殖による標本、または年間割当に基づき輸出される標本は、類似種とみなされ、それぞれの規制の適用を推進するため、タッグをつけるか、その他の標示をしなければならないことを認め、
そして望まれる目的を達成するためには、ランチングによる標本、または飼育繁殖による標本、または年間割当に基づき捕獲される標本のマーキングは実用的であり、すべての締約国によって容易に施行できる必要があることをふまえ、
条約締約国会議は
次のように勧告する。
a) 生きた標本の識別について、標識タッグやバンド、そのほか特殊な標示のついたラベルをつける、または動物の体の一部にマーキングを施すことは、当該標本に対する人道的な扱い、標本の安全、および標本の自然の行動を考慮して行う。
b) ランチングまたは飼育下で繁殖された動物の部分や派生物について、事務局は、個々の締約国の要請に応じて、適切にコードを施したタッグまたはスタンプを購入、配布し、その費用は、それらを使用する締約国から回収されること。
CITESが保護とその強化に努めている野生の動植物種の大部分は世界の途上国に生息することに留意し、
消費的か非消費的かを問わず、野生動植物の持続可能な利用は、経済的に競争力を持つ土地利用の方法を提供することを認識し、
保護計画が現地の人々のニーズに配慮し、野生動植物の持続可能な利用を進めるためのインセンティブを提供しない限り、別の形態の土地利用への転換が起こる可能性があることを意識し、
過剰利用が野生動植物の保護に悪影響を及ぼすことを認識し、
さらに、種の合法的取引が分布域のいかなる場所でも、違法取引の増加という結果をもたらしてはならないことを認識し、
さらに、合法的利用から得られる利益が、違法取引防止のための野生動植物の管理を支える資金とインセンティブとなり得ることを認識し、
美的、科学的、文化的、レクリエーション的、その他、概して非消費的な野生動植物の利用もきわめて重要であることを認め、
その存続に取引が悪影響を及ぼす多くの種が存在することを認識し、
条約締約国会議は
商業取引が当該種の存続に対して悪影響を及ぼさない程度に行われた場合、それは種と生態系の保護または現地住民の発展に利益をもたらす可能性があることを認める。かつ
CITES掲載に関する決定の実施において貧困層の生計に対する潜在的影響を考慮に入れるべきであることを認識する。
条約第8 条が、条約の規定を施工するために適切な措置を講じ、それらに違反する標本の取引を禁じることを全締約国に義務づけ、また、条約第9 条が各締約国に対し、最低ひとつの管理当局と科学当局を設置するよう義務づけていることを想起し、
第11 回締約国会議(ギギリ、2000 年)で採択され、第13 回並びに第14 回会議(バンコク、2004 年、ハーグ、2007 年)で改正された決議11.3 で、条約の目的を満たすためには、条約の執行が常に締約国の関心事でなければならないという締約国の確信が表明されていることを想起し、
IUCN 環境法センターが事務局の委託を受け、CITES 施行のためのモデル法作成指針に関して報告書をまとめたことに留意し、
かなりの数の締約国が条約の規定を施行する適切な措置を講じていないと信じ、
条約締約国会議は
利用できる資金源の範囲内で次のことを行うよう事務局に指示する。
a) 国内措置に次のことを行う権威がない締約国を明らかにする。
i)最低ひとつの管理当局と科学当局を設置する。
ⅱ)条約に違反した標本の取引を禁じる。
ⅲ)そのような取引を罰する。または、
ⅳ)違法に取引されたか、あるいは所有された標本を没収する。
b) そのようにして見つかった各締約国に、条約の規定を適切に施行するために必要な手段の確立に必要な手続き、措置、時間を示す情報の提供を求める。
c) 常設委員会および各締約国会議に、所見、勧告、または進捗状況を報告する。
条約の完全施行のための適切な手段を採用していない全締約国に対し、それらを採用するよう促し、また、それらの手段が採用された場合、事務局にそれを報告するよう促す。
条約施行のための手段を設ける上で、締約国に技術的支援を提供するため、外部からの資金提供を求めるよう事務局に指示する。また、
そのような手段の措置に対する資金面並びに技術面での支援を提供するよう、全締約国、政府、政府間、非政府組織、その他の資金源に呼びかける。■
動物の識別方法として、コード付き埋め込みマイクロチップの使用が普及していることを認識し、
また、条約附属書に含まれる生きた動物の取引を規制するためにも、このマーキング方法の可能性を認識し、
生きた動物に使われる、いかなるそうした方法の適用についても標準化されなければならないと確信し、
コード付き埋め込みマイクロチップの使用を、附属書Iに掲げる生きた動物の種または価値の高い種のみに限定する根拠はないと確信し、
条約第7条第7項に従い、管理当局は許可書または証明書なしで移動展示またはサーカスの移動を許可することができることに留意し、
第7条第7項の規定により、識別を助けるという目的で、管理当局は標本のマーキングのための適切な方法を決定できることを念頭に置いて、
IUCN/SSC保全繁殖専門家グループが、すでにコード付き埋め込みマイクロチップの適用に関して広範囲な検討を行ったこと、また、条約第7条7項の効果的な施行により、動物の識別を目的とするコード付き埋め込みマイクロチップの使用が、次第に拡大することを意識し、
条約締約国会議は
以下のように勧告する。
a) 可能かつ適切な場合、また、他の方法の使用を排除せずに、締約国は、生きた動物の識別のために、永久的、プログラミング不可能、変更不可能、永久に一意であるコードの付いた埋め込み可能なトランスポンダーの使用を採用する。
b)トランスポンダーの周波数、サイズおよび滅菌状態に関し、締約国はIUCN/SSC保全繁殖専門家グループの所見を考慮する。
c)当該標本の福利と矛盾しない場合、マイクロチップトランスポンダーを埋め込む1。および、
d)埋め込みトランスポンダーの位置は、動物ごとにIUCN/SSC保全繁殖専門家グループからの助言に従い、標準化する。
以下のように指示する。
a) 事務局は、この件に関し、ISO中央事務局と定期的に協議を行い、標準ISO 11784およびISO 11785に関する現在の問題を解決するよう促す。
b) 各締約国の管理当局は、領土内の既知の埋め込みマイクロチップおよび関連機器製造業者すべてに対し、現在の決議に関する情報を伝え、全世界で使用可能な互換性のある機器の生産に努めるよう促し、CITESの必要性を満たす製品に関する情報を提供するよう要請する。かつ、締約国に関する情報として、その結果について事務局に助言する。
c)動物委員会は埋め込みマイクロチップ技術や適用技術の進展をモニターし、そのような開発についての締約国の情報に関して事務局に助言を与える。
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1: 許可書に含めるためのマイクロチップ・トランスポンダーに関する情報については決議12.3(Cop14で改正)を見よ。
※準備中
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ワシントン条約関連資料
CoP15 Doc44.1 『ゾウ取引情報システム(ETIS)と象牙の違法取引』(日本語訳版)
※2010年3月にワシントン条約締約国会議に提出されたCoP15 Doc44.1「The Elephant Trade Information System (ETIS) and The Illicit Trade in Ivory」(著者:T. Milliken, R.W. Burn and L. Sangalakula)の和訳版。
【2011年9月】和訳:トラフィックイーストアジアジャパン。ダウンロード版のみ 。
日本語/英語版『私たちの暮らしを支える世界の生物多様性-日本の野生生物取引のいま-』
発行:トラフィックイーストアジアジャパン 【2010年10月発行】
著者:石原明子、金成かほる、齊藤つぐみ、高橋そよ 【日本語/英語】 56pp.
Saiga Antelope Trade: Global Trends with a Focus on South-East Asia
発行:2010 TRAFFIC Europe and CITES Secretariat (TRAFFIC report to the CITES Secretariat) 【2010年9月発行】著者:Stephanie von Meibom, Alexey Vaisman, Neo Liang Song Horng, Julia Ng and Xu Hongfa【英語】
『ルーツをたどれ!ワイルドライフ-世界の生物多様性と日本の法体制-』開催報告書
発行:トラフィックイーストアジアジャパン 【2010年3月発行】
【日本語】47pp. ※2009年11月開催のシンポジウムの開催報告書
The Elephant and Ivory Trade in Thailand
発行:TRAFFIC Southeast Asia 【2009年6月発行】
著者:Daniel Stiles 【英語】