ホームワシントン条約についてワシントン条約決議>第12回ワシントン条約締約国会議 決議文和訳

ワシントン条約について

ワシントン条約決議

 
決議12.2 外部資金プロジェクトの承認手続き

締約国会議が第7回会議(ローザンヌ、1989年)で採択された決議7.2の中で、特別プロジェクトに対する非政府財源からの外部資金は常設委員会による再検討なしには受領されないことに合意し、事務局に対し、資金提供に関する優先順位一覧表を常設委員会並びに他の適切な委員会に提出するよう命じていることを想起し、

第8回、第9回、第10回締約国会議(京都、1992年、フォートローダーデール、1994年、ハラレ、1997年)で採択された決議8.1、決議9.2、決議10.1が、事務局に対し、非政府財源からの外部資金を受領する前に、常設委員会が第23回会議で立案し、承認した外部資金プロジェクト承認手続きを実施するよう命じていることを想起し、

第11回締約国会議(ギギリ、2000年)で採択された決議11.2が事務局に対し、非政府財源からの外部資金を受領する前に、外部資金プロジェクト承認手続きの実施を継続するよう命じ、さらに、3年後に資金を受領していない承認外部資金プロジェクトは承認プロジェクトの一覧表から削除し、かつ、条件付きで承認された外部資金プロジェクトについては、それらの条件が満たされない場合、1年後に一覧表から削除することを決定したことをさらに想起し、

外部資金プロジェクト承認手続きが常設委員会と事務局の両者にとって煩雑であると証明され、拠出国に対するプロジェクト提案と資金提供申請の提出が、拠出国が承認されるまで延期されていることに留意し、

常設委員会が第45回会議(パリ、2001年6月)で事務局に対し、常設委員会ではなく事務局による拠出国承認のための仕組みを提案するよう要求したことにさらに留意し、

「2005年までの戦略展望」の目標1.11が条約実施のための既存の手段、手続き、仕組み、勧告を、可能な限り、再検討し、簡素化することであることに留意し、

条約締約国会議は

付記1に記した外部資金プロジェクト承認手続きを採択し、プロジェクト案の立案にあたり締約国が従い、プロジェクト実施の優先順位決定と外部資金要求にあたり事務局が従うガイドラインと手続きを提供する。

次に列挙した決議または決議の一部を廃棄する。

a)決議7.2(ローザンヌ、1989年)―「事務局並びに締約国会議の資金および予算」―2番目の「合意する」の段落と「命じる」の段落

b)決議8.1(京都、1992年)―「事務局並びに締約国会議の資金および予算」―「命じる」の段落a)

c)決議9.2(フォートローダーデール、1994年)―「事務局並びに締約国会議の資金および予算」―「命じる」の段落

d)決議10.1(ハラレ、1997年)―「事務局並びに締約国会議の資金および予算」―「命じる」の段落

e)決議11.2(ギギリ、2000年)―「事務局並びに締約国会議の資金および予算」―3番目の「命じる」の段落

付記1 外部資金プロジェクト承認手続き

1.プロジェクト立案基準

a)以下は締約国と事務局によりプロジェクト立案のための優先分野とみなされる。

i)取引によって脅かされているか、またはその可能性がある種に関する関連科学情報の編纂

ii)過剰な捕獲によって現在脅かされているか、または現実に害を受けている種に関する保護、保全または管理計画を立案し、それらの種が生息する生態系内における役割に合ったレベルまで回復できるようにすること

iii)条約実施改善のための締約国に対する科学上並びに法律上の助言提供

iv)条約実施改善のための締約国への法律、取引、経済政策立案上の援助提供

v)条約の実施と執行のための訓練パッケージの開発と配布、および

vi)条約への完全参加に関する途上国への援助提供

b)事務局はプロジェクトの提案にあたり、取引による種に対する脅威の程度という理由かまたはそのプロジェクトが条約実施を最大限に改善できるという理由で最大限の必要性がある分野を対象とするよう確約する。

c)事務局は実質または潜在的取引による脅威が感知されない豊富な種に関する技術的研究であるプロジェクトを優先事項とみなさない。

d)次のタイプのプロジェクトは外部資金を必要とするが、事務局によって日常業務の一部とみなされ、そのため、この手続きの対象とはならない。事務局はそれらの重要性と資金の入手可能性に基づき、これらのプロジェクトの優先順位を決定する。

i)締約国会議で採択された決議並びに決定から派生する活動またはプロジェクト

ii)訓練、法律制定、執行または専門家協議に関する会議の組織および会議への参加

iii)発展途上国による条約管理改善に対する援助提供、および

iv)実施マニュアルなどのCITES実施能力育成資料の制作

2.プロジェクト案の提出と承認

a)資金を請求するため、または自由に提供される資金がある場合は合意内容をまとめるために、プロジェクト案を事務局に提出する。考慮するために提出されたプロジェクト案は、上記1.1の優先基準と付記2の書式に従うものとする。

b)資金を求める締約国によって提案された種に関連するプロジェクトおよび著しい取引に関する検討の中で、動物委員会並びに植物委員会が行った勧告の結果として立案されたプロジェクトを事務局は検討する。

c)事務局は必要に応じて動物委員会並びに植物委員会と協議し、実施するプロジェクトを承認し、優先順位をつける。

d)事務局は資金の財源が次の手続きに従い承認されていることを条件として、資金を請求するかまたは自由に提供される資金を獲得する。

e)3年後に資金を受領していないプロジェクトは承認プロジェクトの一覧表から削除し、かつ、条件付きで承認されたプロジェクトについては、それらの条件が満たされない場合、1年後に一覧表から削除する。

3.資金の財源と承認

a)いかなる締約国または組織も、ある組織を将来のドナーとして提案できる。

b)領土内にその組織の本部を持つ締約国の管理当局から提案を受領した場合、事務局はその組織の目標と法的地位を検討する。事務局が何ら異議を唱える理由を持たない場合、その組織は承認ドナーの一覧表に加えられる。

c)その組織が別の締約国の領土内に本部を置いているかまたはその組織が管理当局以外の存在によって提案された場合、事務局は領土内にその組織の本部を持つ締約国の管理当局と連絡をとり、その組織を承認ドナーの一覧表に加えることに対する異議の有無を尋ねる。管理当局が異議を唱えなければ、事務局は組織の目標と法的地位を検討する。事務局が何ら異議を唱える理由を持たない場合、その組織は承認ドナーの一覧表に加えられる。

d)一覧表への掲載が提案された組織が数ヵ国に事務所を持つ国際組織である場合、事務局は領土内に組織の公式本部を持つ締約国の管理当局、および可能であれば組織が事務所を置いている国の管理当局と連絡を取り、その組織を承認ドナーの一覧表に加えることに対する異議の有無を尋ねる。管理当局が異議を唱えなければ、事務局は組織の目標と法的地位を検討する。事務局が何ら異議を唱える理由を持たない場合、その組織は承認ドナーの一覧表に加えられる。

e)組織が本部を置く締約国の管理当局がその組織を承認ドナーの一覧表に加えることを支持しない場合、事務局はその理由について当該当局と話し合う。管理当局から提供された情報に基づき、事務局はその組織の掲載を提案した締約国または組織に、それが却下されたことおよび却下の理由を通知する。

f)承認ドナーの一覧表には以下を含まないものとする。

i)有罪判決の有無を問わず、CITES掲載種の違法取引またはその他の関連する野生生物保護違反に関与したことが、事務局が入手できる信頼のおける証拠を通じて知られている組織

ii)CITES掲載種の合法的商取引に直接関与している個別の企業、および

iii)条約に対する世間的評価を意図的に落とさせたことがある組織

g)あるプロジェクトの財源がドナーとして承認された後、事務局は資金の要求、寄附金契約の締結、実施の開始へと進む。

4. 事務局は承認プロジェクトの一覧表と承認ドナーの一覧表を維持し、締約国への事務局通達とウェブサイトを通じ、それを公表する。


付記2 プロジェクト検討書式

CITESプロジェクト申請書
1. 表題
2. 提出日
3. プロジェクト提案者
4. プロジェクト期間
5. 必要な資金と潜在的財源
6. 目標
7. 正当化理由
8. 実施
a) 活動
b) 作業計画
c) 成果物
d) 要員(現地の専門家を含む)
9. 予算

ワシントン決議一覧へ戻る


決議12.3(Cop.14で改正) 許可書および証明書

第8回締約国会議(京都、1992年)で採択された決議8.16を想起し、

第10回締約国会議(ハラレ、1997年)で採択され、第11回会議(ギギリ、2000年)で改正された決議10.2(改正)を想起し、

許可書および証明書に関する条約第6条の規定を想起し、

偽造および無効な許可書および証明書が不正な目的で使用される頻度がますます増え、そのような書類の受領を防ぐために適切な処置が必要であることに注目し、

非常に貴重な標本や附属書Iに掲げる種の標本に関する許可書および証明書の発給に関し、締約国が特に慎重に管理する必要性を認識し、

許可書および証明書の標準化を改善する必要性を考慮し、

CITES許可書および証明書の発給が、附属書に掲げる種の存続に対してその取引が悪影響を与えないことを確約する証明制度の役割を果たすことを認識し、

許可書および証明書に掲載されたデータは輸入のためと同程度に輸出のためにも、標本と書類との一致を確認できるよう最大限の情報を提供しなければならないことを自覚し、

標本が輸出された後、輸入のために許可書を提示する前に有効期限が切れた輸出許可書の受領可能性に関し、条約では何ら指導を提供していないことを認識し、

輸入許可書の最大有効期間を定めるための規定が存在せず、条約の第3条3項の規定の遵守を確約するために適切な有効期間を定める必要があることを考慮し、

条約第3条、4条、5条で、附属書に掲げる種の標本の取引は関連書類の事前の発給と提示を必要とすると規定されていることを想起し、

条約第8条1(b)項に従い、締約国は条約に違反して取り引きされた標本を没収するかまたは輸出国に返還する準備を整えておく義務があることを想起し、

条約の第8条1(b)項による義務を遂行するための輸入国による努力が、許可書または証明書を伴わずに輸出国または再輸出国を離れた標本に対する遡及的な許可書または証明書発給により、深刻な妨害を受ける可能性があり、条約の要件を満たさない書類の有効性に関する宣言も同様の効果を与えそうであることに留意し、

許可書および証明書の遡及的発給は条約の適切な施行の可能性に対してますます悪影響を与え、違法取引の抜け穴の発生につながることを考慮し、

条約第7条7項で、一定の状況下で「管理当局は、移動動物園、サーカス、動物展、植物展その他の移動する展示会を構成する標本の移動について第3条、第4 条、第5条の要件を免除し、許可書または証明書なしにこれらの標本の移動を認めることができる。ただし、次のことを条件とする。・・・中略・・・標本がこ の条文の2または5項のいずれかに規定する標本に該当するものであること」と規定されていることを考慮し、

ただし、この免除規定が条約附属書に掲げる標本の国際取引の規制に必要な措置を回避するために使われないことを願い、

多数の生物サンプルの取引が、それらの特別な性質またはそれらの取引の特別な目的を理由として、積み荷の時宜を得た移動を可能にするような許可書並びに証明書の迅速な処理を必要とすることを認識し、

締約国は条約第8条3項に従い、標本が取引に必要な手続きを最小限の遅延で通過するよう確約する必要があることを想起し、

条約第7条で、条約の規定が適用される前に取得された標本並びに飼育により繁殖させたかまたは人工的に繁殖させた標本の取引に対し、規制レベルを引き下げることが特に規定されていることを認識し、

生物多様性条約の締約国の義務と一致する簡素化された手続きを立案する必要性に留意し、

条約締約国会議は

この決議の次の項を定める。

I. CITES許可書および証明書の標準化に関して

II. 輸出許可書および再輸出証明書に関して

III. 輸入許可書に関して

IV. 条約適用前取得証明書に関して

V. 原産地証明書に関して

VI. 移動展示証明書に関して

VII. 植物衛生証明書に関して

VIII. 割当対象種の許可書および証明書に関して

IX. ワニの標本の許可書および証明書に関して

X. サンゴの標本の許可書および証明書に関して

XI. 注釈「丸太、材木、ベニヤ板を指定」を伴う附属書II、IIIに掲げる木材種に対する許可書および証明書に関して

XII. 簡素化した許可書および証明書発給手続きの使用に関して

XIII. 許可書および証明書の遡及的発給に関して

XIV. 書類の受領と通関手続きおよびセキュリティ措置に関して

XV. ATAカルネの対象となるサンプル収集物に関する書類について

付記1 CITES許可書および証明書に記載すべき情報

付記2 標準CITES書式、指示と説明

付記3 移動展示会証明書のモデル-指示および説明、連続紙面

付記4 生物サンプルおよびそれらの使用のタイプ

I.CITES許可書および証明書の標準化に関して

次のとおりに合意する。

a) 条約第6条および関連決議の要件を満たすため、輸出入許可書、再輸出および条約適用前取得証明書、飼育繁殖および人工繁殖の証明書には(植物衛生証明書がこの目的で使用された場合を除く)、この決議の付記1に特定した情報すべてを記載する。

b) あらゆる書類は、条約で使用される言語(英語、スペイン語、フランス語)のうち一以上および公用語が条約の使用言語でない場合は公用語でも印刷する。

c) あらゆる書類はそれがどのようなタイプの書類であるか(輸入または輸出許可書、再輸出または条約適用前取得証明書、飼育繁殖または人工繁殖の証明書)を示す。

d) 許可書または証明書に申請者が署名する部分がある場合、署名がなければその許可書または証明書は無効とする。

e) 許可書または証明書の一部として付記が添付されている場合、その旨とページ数を許可書または証明書に明瞭に示し、付記の各ページに次の事項を記載する。

i) 許可書または証明書の番号と発給日、および

ii) 書類発給当局の署名並びにスタンプまたは印章(エンボスが望ましい)
次のとおりに勧告する。

a)許可書および証明書の書式の変更、既存書類の重刷、新規書類の導入を希望する締約国は最初に事務局に助言を求める。

b)締約国は許可書および証明書の内容および実行可能な範囲で、書式を本決議の付記2として添付した標準書式に適合させる。

c)外部資金獲得を条件として、事務局はそれを必要とする締約国のためにセキュリティ用紙への許可書および証明書の印刷を手配する。

d)悪用または不正使用を避けるために、締約国はCITES書類と同じ書式を国内取引証明書に使わない。

e)追跡および年次報告の目的のために、許可書および証明書の番号は可能であれば次の形式で14文字までに制限する。

WWxxYYYYYY/zz

ここでWWは発給年の末尾2桁、xxは2文字のISO国番号、YYYYYYは6桁の連番、zzは締約国が国内での照会目的に使用できる2桁の数字または文字あるいは数字と文字の組合せを表す。

f) 締約国は各許可書および証明書に次のコードを使って取引の目的を明記する。

T 商業

Z 動物園

G 植物園

Q サーカスおよび移動展示

S 科学研究

H ハンティングトロフィー

P 私用

M 医療(生物医学研究を含む)

E 教育

N 野生への再導入または導入

B 飼育繁殖または人工繁殖

L 法執行/司法/科学捜査

g)標本の出所は次のコードで示す。

W 野生から取得された標本

R ランチング事業から産出された標本

D 商業的目的で飼育により繁殖させた附属書Iの動物および商業的目的で人工的に繁殖させた附属書Iの植物およびそれらの部分および派生物で、条約第7条4項の規定に従い輸出されたもの

A 決議11.11(Cop13で改正)のa)項に従い人工的に繁殖させた植物およびその部分および派生物で、条約第7条5項の規定に従い輸出されたもの(非 商業的目的で人工的に繁殖させた附属書Iに掲げる種の標本および附属書IIおよびIIIに掲げる種の標本)

C 決議10.16(改正)に従い飼育により繁殖させた動物およびその部分および派生物で、条約の第7条5項の規定に従い輸出されたもの(非商業的目的で飼育により繁殖させた附属書Iに掲げる種の標本および附属書IIおよびIIIに掲げる種の標本)

F 決議10.16(改正)における「飼育により繁殖させた」の定義を満たさない飼育下で生まれた動物(F1またはその後の世代)およびその部分および派生物

U 出所不明(正当な理由を示さなければならない)

I 没収または押収された標本

O 条約適用前取得標本

h) 取引される標本のタイプを示すための用語並びにコードが許可書および証明書に使われている場合、これらは事務局の最新の「ワシントン条約年次報告書の作成および提出のためのガイドライン」で規定された用語並びにコードに従い、使われる計測単位もこれらのガイドラインに従う。

i)全締約国がセキュリティ用紙に印刷された許可書および証明書の発給を考慮する。

j)まだそれを行っていない締約国は各許可書および証明書にセキュリティ・スタンプを押す。

k)許可書または証明書にセキュリティ・スタンプが押されている場合、署名並びにスタンプまたは印章(エンボスが望ましい)によって取り消すことができ、かつ、スタンプの番号も書類に記録する。

l)許可書および証明書発給の際、締約国は締約国会議で種の名称を示すために採用された標準学名に従う(決議12.11(Cop13で改正)を参照)。

m)まだそれを行っていない締約国は許可書および証明書に署名する権限を与えられた人物の氏名およびそれらの人物の署名のサンプル3件を事務局に通報し、 かつ、全締約国はそれを変更してから1ヵ月以内に、すでに署名の権限を与えられた人物の一覧表に追加された人物の氏名、署名がもはや有効でない人物の氏 名、変更が効力を持った日付を通報する。

n)使われる輸送手段が「船積貨物運送状」または「航空貨物運送状」を必要とする場合、その書類の番号を許可書または証明書に明記する。

o)各締約国は他の締約国に直接または事務局を通じ、条約第14条1 (a)項に従い同国が設けている一層厳重な国内措置について通知し、かつ、それを通知された締約国はそれらの措置に反するような許可書および証明書の発給を控える。

p)許可書または証明書の取消、紛失、盗難、または破損が起きた場合、それを発給した管理当局はただちに目的地国の管理当局および商業的出荷に関しては事務局にも通知する。かつ、

q)許可書または証明書が、取消、紛失、盗難、または破損が起きたかまたは有効期限の過ぎた書類を交換するために発給される場合、交換された書類の番号および交換の理由を示す。

II.輸出許可書および再輸出証明書に関して

再輸出証明書は次の事項も特定することに合意する。

a) 原産地、原産地の輸出許可書番号、その発給日。および

b) 最後の再輸出国、その国の再輸出証明書番号、その発給日。

またはその必要性が生じた場合、

c)前述の情報が省略されたことの正当な理由の提出。

次のとおりに勧告する。

a) 輸出者は意図する輸出時点の直前に許可書を申請するよう推奨する。

b) 管理当局は、各許可書により輸出される標本の数または量に関する正確な情報を要求し、かつ、数または量が実際に輸出される数または量を正確に反映しない許可書の発給を、可能な限り回避する。

c) 未使用の許可書の差し替えが要求された場合、発給した当局に原本を返却した場合にのみ差し替えが行われるが、原本の紛失が報告された場合はその限りではない。後者の場合、発給した管理当局は目的国の管理当局に対し、許可書原本が取り消され、差し替えられたことを通知する。

d) 輸出許可書で認可された量よりも少ない数または量の標本を輸出するために許可書を使ったと輸出者が主張し、残りを輸出するために別の許可書を要求した場合、管理当局は新規許可書を発給する前に、すでに輸出した数または量の証拠を取得する(有効輸出許可書の写しや、許可書原本を使い輸入された標本の数または量に関する目的国の管理当局による確認など)。

e) 輸出される標本と再輸出される標本は、どの標本が輸出され、どの標本が再輸出されるかが明瞭に示されない限り、同一の書類上に記載しない。

f) 輸入されて以来形が変わっていない標本に対して再輸出証明書が発給された場合、使われる計測単位は、輸入の際に受領された許可者証明書で使われたものと同一の単位とする。

g) 条約第3条3項、第4条4項、第5条3項、第6条2項の規定は、輸出許可書または再輸出証明書がそれを受けた日から6ヵ月の期間内のみ有効であり、その有効期間中を除き、輸出、再輸出または輸入を認可するために受領されないことを意味するものと解釈される。

h) 6ヵ月の有効期間の期限が切れた後は、木材種に関する第11節で言及される場合を除き、輸出許可書または再輸出証明書は無効であり、いかなる法的価値も持たないものとみなす。

i) 標本が以前に没収されたものでない限り、国内法に従って輸入された場合も、違法に取得されたことが知られている標本に対しては輸出許可書または再輸出証明書は発給されない。

j) 締約国は標本が原産国で合法的に取得されたものではないと信じる根拠を有する場合、いかなる標本の輸入も認可しない。

k) 主として商業目的の使用であり、標本がCITES登録繁殖事業に由来したものでない時に輸出許可書の発給を避けるために、締約国は附属書Iの標本の原産地を確認する。

l) 可能な限り、書類および積荷の検査は輸出時に行う。これは生きた動物の積荷については必須とみなされる。

CITES規定の免除を受けて原産国から輸出された植物標本がその資格を失った場合、原産国はその標本が免除の資格を失った最初の国とみなされることに合意する。

そのような事例において有用と考えられる場合、締約国は許可書の第5欄に「CITES規定の免除の下で合法的に輸入された」という文を追加し、さらに、それがどの免除を指すかを明記できることにさらに合意する。

III.輸入許可書に関して

附属書Iに掲げる種の標本に対する輸入許可書には、他のものに加え、その標本が主に商業的目的に使われないこと、かつ、生きている標本の場合には受領者がそれらを収容し、それらの世話をするために適切な設備を持つという証明を記載できることに合意する。

次のとおりに勧告する。

a)条約第3条2項並びに4項の規定は、輸入許可書がそれを受けた日から12ヵ月の期間有効であり、その有効期間中を除いては輸入を認可するために受領されないことを意味するものと理解される。

b)12ヵ月の有効期間の期限後、輸入許可書は無効であり、いかなる法的価値も持たないものとみなす。

IV.条約適用前取得証明書に関して

条約適用前取得証明書は次の事項も特定することに合意する。

a) 証明書の対象である標本が条約適用前に取得したものであること。および

b) 第13回締約国会議(バンコク、2004年)で採択された決議13.6による定義に従う標本取得日付。および

発給国における条約発効日以降に締約国となった国への輸出または条約締約国ではない国への輸出を除き、条約適用前証明書を発給しないよう勧告する。

V.原産地証明書に関して

次のとおりに勧告する。

a)附属書IIIに掲げる輸出する種の標本の原産地証明書は条約の許可書または証明書を与える権限を持つ管理当局によって発給されるか、または取引が非締約国によるものである場合は権限ある当局のみによって発給され、かつ、そのような当局によって発給されたものでない限り締約国は原産地証明書を受領しな い。

b)条約第5条3項の規定は、原産地証明書がそれを受けた日から12ヵ月の期間有効であり、その有効期間中を除いては輸出または輸入を認可するために受領されないことを意味するものと理解される。

c)12ヵ月の有効期間の期限後、原産地証明書は無効であり、いかなる法的価値も持たないものとみなす。

VI. 移動展示証明書に関して

次のとおりに勧告する。

a)国内に本拠地を置き、管理当局に登録し、展示目的のみのために他の国にCITES掲載種の標本を輸送することを望む移動展示に所属するCITES標本 に対し、各締約国は移動展示証明書を発給するが、ただし、それらが合法的に取得されたものであり、展示が本拠地を置く国に返却され、かつ、次のとおりであ ることを条件とする。

i) 1975年7月1日よりも前、またはその種が条約附属書に掲載された日よりも前に取得された。
ii) 決議10.16(改正)の定義に従い飼育により繁殖させた。または
iii) 決議11.11(Cop13で改正)の定義に従い人工的に繁殖させた。

b)移動展示証明書は本決議の付記3に掲げるモデルに基づくものとする。それらは条約で使用される言語(英語、スペイン語、フランス語)のうち一以上および公用語が条約の使用言語でない場合は公用語でも印刷する。

c)移動展示証明書には目的コード「Q」を記載し、かつ、5欄またはモデル書式を使わない場合は別の欄に次の文を記載する。「この証明書の対象となる標本は、展示の本拠地が置かれ登録されている国以外のいかなる国においても、販売またはそれ以外の方法で譲渡することはできない。この証明書は譲渡できない。 標本の死亡、盗難、破壊、紛失、販売またはその他の方法による譲渡が起きた場合、この証明書はただちに所有者により発給管理当局に返却しなければならな い。」

d)生きた動物各々に対して個別の移動展示証明書を発給しなければならない。

e)生きた動物以外の標本の移動展示については、管理当局は各標本に対してモデル書式の9欄から16欄の情報すべてを記載した目録を添付する。

f)移動展示証明書は、その対象となる個々の標本について複数回の輸入、輸出、再輸出を可能にするために、それを受けた日付から3年間有効とする。

g)締約国は移動展示証明書を当該標本が発給管理当局に登録されている証拠とみなし、その標本の国境を越えた移動を許可する。

h)各国境検問所で、締約国は移動展示証明書に認可スタンプと検査官の署名で裏書きし、証明書は標本に添付したまま残す。

i)輸出/再輸出および輸入の際に、締約国は移動展示を綿密に検査し、特に生きた標本を負傷、健康に対する害または残酷な取扱いの危険性を最小限に抑える形で輸送し、かつ、世話をしているかどうかに留意する。

j)展示が入国する各国の当局が移動展示証明書と輸入される標本とが一致することを確認できるような方法で標本がマークされるかまたは特定されることを締約国は要求する。

k)ある国に滞在中、展示が所有する動物が出産した場合、その国の管理当局に通達し、管理当局は条約許可書または証明書のいずれか適切な方を発給する。

l)ある国に滞在中、標本の移動展示証明書の紛失、盗難、または偶発的破壊が起きた場合、その書類を発給した管理当局のみが写しを発給することができる。 この写しには可能であれば書類原本と同じ番号、同じ有効日付を記し、次の文を記載する。「この証明書は原本の真の写しである。」かつ、
m)締約国は年次報告書に当該年内に発給された全移動展示証明書の一覧表を記載する。

VII. 植物衛生証明書に関して

次のとおりに勧告する。

a)人工的に繁殖させた附属書IIの標本の輸出に関して植物衛生証明書の発給を管理する業務について考慮した上で、そのような業務により、標本が人工的に 繁殖させた(決議11.11(Cop13で改正)の定義に従い)という十分な保証が与えられると判断した締約国は、それらの書類を条約第7条5項に従う人 工繁殖証明書とみなすことができる。その証明書には、種の学名、標本のタイプ並びに量を記載し、スタンプ、印章またはその他、標本がCITESの定義に従 い人工的に繁殖させたことを表明する特別な表示をつけなければならない。

b)植物衛生証明書を人工繁殖証明書として使用する締約国は事務局に通知し、使われた証明書、スタンプ、印章などの写しを提供する。

c)植物衛生証明書は当該標本の人工繁殖を行った国から輸出する目的のためだけに使われる。および

ある締約国が、附属書IIの種の人工繁殖させた植物の輸出のために植物衛生証明書を発給するのを確認した場合、全締約国にそれを通知するよう事務局に命じる。

VIII.割当量対象種の許可書および証明書に関して

次のとおりに勧告する。

a)附属書Iに掲げる種の標本の非商業的目的での国別輸出割当量および/または附属書IIおよびIIIに掲げる種の標本の国別輸出割当量を自発的に定めた締約国は、輸出許可書を発給する前に割当量を、また、それに対して変更を加えた場合はただちにその変更を、事務局に通知する。

b) 年間輸出割当量を設定したのが国であるか締約国会議であるかを問わず、年間輸出割当量の対象となる種の標本について発給された各輸出許可書には、当年について設定された全割当量を示し、その割当量に準拠しているという証明を記載する。この目的のために、締約国は当年にすでに輸出された標本の合計数または合計量(当該許可書によるものを含む)および割当量の対象となる種および標本に関する輸出割当量を明記する。

c)締約国会議、常設委員会または事務局により要求された場合、締約国は事務局に対し、割当量の対象である種に対して発給された許可書の写しを送付する。

IX.ワニの標本の許可書および証明書に関して

次のとおりに勧告する。

a)タグを付けたワニ皮の取引が認可された場合、タグ上と同一の情報を許可書または証明書にも記載する。

b)締約国会議によって承認された割当量の対象となるワニ目の種の場合、発給管理当局の要件に従い皮にタグを付け、それらのサイズを記録しない限り、皮に対する許可書または証明書は発給されない。

c)ワニ皮に対する許可書または証明書に記載された情報に不一致が起きた場合、輸入締約国の管理当局はただちに輸出/再輸出締約国の管理当局に連絡し、そ れが本決議および決議11.12によって要求される情報の量から発生する純粋な誤りかどうかを確認し、その場合は、その取引の関与した人々の処罰を回避す るためにあらゆる努力を払う。

X.サンゴの標本の許可書および証明書に関して

次のとおりに勧告する。

a)サンゴ岩[決議11.10(Cop12で改正)の付記に定義される]であることは即座に認識できるが、属は即座に決定できない標本の取引に対する許可書および証明書において、標本の学名は「Scleractinia」とする。

b)目レベルまでのみ特定されたサンゴ岩(決議11.10の付記の定義による)の輸出の認可を希望する締約国は、条約第4条2(a)項に従いサンゴ岩に対する無害の決定を下せないという観点から、第4条3項を適用する。

c)サンゴ岩の輸出を認可する締約国は、

i) 年次輸出割当量を確定し、この割当量を締約国に配布するために事務局に通報する。かつ、

ii) 自国の科学当局を通じ、モニタリング計画に基づき、その標本の抽出によって影響を受ける生態系においてそのサンゴ岩が果たす役割に対し、輸出が影響を与えないという評価を下す(事務局からの要求に応じて提出可能とする)。

XI.注釈「丸太、材木、ベニヤ板を指定」を伴う附属書II、IIIに掲げる木材種に対する許可書および証明書に関して

輸出許可書または再輸出証明書の有効性を発給日から6ヵ月間という通常の最大期限を越えて延長できるようにすることを勧告する。ただし、次のことを条件とする。

a)積み荷は許可書または証明書に記載される期限日前に最終目的地の港に到着したが、保税地域内に留め置かれている(つまり、輸入されたとはみなされない)。

b)期間延長が許可書または証明書の期限日から6ヵ月を超えず、以前に延長が認められたことがない。

c)適切な執行官が、輸出許可書または再輸出証明書上の特別な条件に関する欄またはそれと同等の場所に到着日および新規期限日を記載し、その変更を公式のスタンプまたは印章並びに署名で証明した。

d)積み荷は延長が承認された時点および新規期限日よりも前にそれが置かれていた港から消費のために輸入される。かつ、

e)上記c)項に従い修正された輸出許可書または再輸出証明書の写しが、年次報告書を修正するために輸出国または再輸出国に送付され、CITES事務局にも送付される。

さらに、本決議の付記1、d)項に従い、(再)輸出者および輸入者の完全な氏名および住所を記載した許可書または証明書は、それが発給された対象である国以外の国への輸入のために受領しないよう勧告する。ただし、次の場合を除く。

a)輸出または再輸出される標本の実際の数量が許可書または証明書の指定欄に記載され、輸出または再輸出の際に検査を実施した当局のスタンプまたは印章並びに署名で証明されている。

b)上記a)項に言及した正確な数量が輸入される。

c)積み荷の船積貨物運送状の番号が許可書または証明書に記載されている。

d)輸入の際に、許可書または証明書の原本と併せて積み荷の船積貨物運送状が管理当局に提示される。

e)輸入が輸出許可書または再輸出証明書発給後6ヵ月以内、または原産地証明書発給後12ヵ月以内に行われる。

f)許可書または証明書の有効期間がまだ延長されていない。

g)輸入国の管理当局が許可書または証明書の特別な条件に関する欄またはそれと同等の場所に次の文を記載し、スタンプまたは印章並びに署名で証明する。「決議12.3(Cop13で改正)(XI)に従い、[国名]への輸入を[日付]に許可した」、かつ

h)上記g)項に従い修正された許可書または証明書の写しが、年次報告書を修正するために輸出国または再輸出国に送付され、CITES事務局にも送付される。

XII.簡素化した許可書および証明書発給手続きの使用に関して

次のとおりに勧告する。

a)当該種の保護に対して無視できる程度の影響しか与えないかまたはまったく影響を与えない取引の円滑化および促進のために、締約国は簡素化した許可書および証明書発給手続きを使う。次のような例がある。

i) 本決議の付記4に特定されたタイプとサイズの生物サンプルが緊急に必要とされる場合

  A.個別の動物のために
  B.当該種または附属書に掲げる他の種の保護のために
  C.司法または法執行の目的で
  D.附属書に掲げる種の間で感染する病気の予防のため、または
  E.診断または識別の目的で

ii) 条約第7条2項に従う条約適用前取得証明書発給のため

iii) 条約第7条5項に従う飼育繁殖または人工繁殖証明書発給のため、または第7条4項に言及された標本に対する条約第4条に従う輸出許可書または再輸出証明書発給のため

iv) その他、簡素化した手続きの使用に値すると管理当局が判断した場合

b)締約国は、上に概説した状況下で許可書および証明書発給に関する手続きを簡素化するために、次のことを行う。

i)簡素化した手続きの恩恵を受ける可能性がある人物並びに団体、および簡素化した手続きに従いそれらが取り引きする可能性がある種の登録簿を維持する。

ii)登録した人物並びに団体に対し、輸出許可書については6ヵ月まで、輸入許可書または再輸出証明書については12ヵ月まで、条約適用前取得証明書およ び飼育繁殖または人工繁殖証明書については3年まで有効な部分的に記入された許可書および証明書を提供する。かつ、

iii)管理当局が5欄またはそれと同等の場所に以下の事項を記載した場合、登録した人物または団体がCITES書類上に特定の情報を記入することを認可する。

A.登録した人物または団体が各積み荷に関して記入することを認可された欄の一覧表。一覧表に学名が記載される場合、管理当局は許可書または証明書に、または添付される付記に、承認された種の目録を記載しなければならない。

B.特別な条件、および

C.書類に記入した人物が署名する箇所

c)現在の決議の付記4に特定されたタイプおよびサイズの生物サンプルの取引に関し、その目的がこの部分のa)項に特定された目的のいずれかである場合、 容器に「CITES生物サンプル」およびCITES書類番号を特定する税関ラベルなどのラベルを貼付することを条件として、積み荷が輸出または再輸出され た時点ではなく、書類を受けた時点で有効と確認された許可書および証明書が受領される。かつ、

d)本決議の付記4に特定されたタイプおよびサイズの生物サンプルの輸出に関する申請の処理にあたり、科学当局は生物サンプルの輸出または輸入がその種の 存続に対して悪影響を与えないかどうかを判断するために、附属書IまたはIIに掲げる種の標本の収集による影響を考慮し、そのような生物サンプルの複数の積荷を対象とする包括的な無害性に関する助言を作成する。

XIII.許可書および証明書の遡及的発給に関して

次のとおりに勧告する。

a)輸出国または再輸出国の管理当局は

i) CITES許可書、および証明書を遡及的に発給しない。

ii) 輸出者、再輸出者、および/または輸入国の荷受人に対し、必要なCITES書類を伴わずに国を離れた標本の輸出または再輸出の合法性に関する宣言を与えない。

iii) 輸出者、再輸出者、および/または輸入国の荷受人に対し、輸出、再輸出または輸入の際に条約の要件を満たさなかった許可書または証明書の合法性に関する宣言を与えない。

b)輸入国の管理当局または通貨あるいは積み替え国の管理当局は、遡及的に発給された許可書または証明書を受領しない。

c)上記a)およびb)に従う勧告の例外は附属書Iの標本に関しては許されず、附属書IIおよびIIIの標本に関しては、輸出(または再輸出)および輸入両国の管理当局が両国において調査を即時にかつ徹底的に行い、互いに密に協議した後、次のことを確認した場合にのみ許される。

i) 発生した不正が(再)輸出者または輸入者に起因するものかどうか、または手回り品または家財品として輸入または(再)輸出された標本の場合(当決議の目的から、所有者と共に旅行する生きたペットを含む)、管理当局は関連執行当局と協議し、それが純粋な過失であったことを示す証拠があり、詐欺を行う試みはな かったと確認する。かつ

ii) 当該標本の輸出(または再輸出)および輸入は、それ以外の点では条約および輸出(または再輸出)および輸入国の関連法を遵守していること。

d)例外が許される場合は必ず

i)許可書または証明書に、それが遡及的に発給されたことを示す。かつ、

ii) 上記c)の範囲内で行われる緩和の理由が許可書または証明書の条件に明記され、事務局にその写しが送られ、またそれらが事務局への隔年報告書に掲載される。

e) 上記c) i)項で言及した手回り品または家財品について遡及的許可書が発給された場合、締約国は遡及的許可書の発給に関する全般的禁止の免除を与える権限が悪用されないよう保証するために、適切であれば、それに続く6ヵ月以内に行われるその後の販売に対して科される罰則ならびに制約に関する規定を設ける。かつ

f) 許可書および証明書を遡及的に発給する上記の自由裁量権は、常習者に役立つようには与えない。

XIV.書類の受領と通関手続きおよびセキュリティ措置に関して

次のとおりに勧告する。

a)許可書および証明書に対して変更(こすり消されている、かき消されているなど)、修正または横線での取消が行われていた場合、その変更、修正または横 線での取消の真正性が、その書類を発給した当局のスタンプ並びに署名で立証されていない限り、締約国はその受領を拒否する。

b)変則性が疑われた場合は必ず、締約国は発給および/または受領された許可書または証明書を交換し、その真正性を確認する。

c)許可書または証明書にセキュリティ・スタンプが押されており、セキュリティ・スタンプが署名並びにスタンプまたは印章によって取り消されていない場合、締約国はその書類を拒否する。

d)現在の決議で特定された必要な情報すべてが記載されていない書類、許可書または証明書の有効性に疑いを持たせるような情報が記載された書類を含め、無効な許可書または証明書の受領を締約国は拒否する。

e)締約国は当該種(適宜、亜種も含む)の学名を示していない許可書および証明書の受領を拒否する。ただし、次の場合を除く。

i)上位分類学名の使用を認められると締約国会議で合意された。

ii)発給した締約国が、それが十分正当であることを明らかにすることができ、それが正当である理由を事務局に通報した。

iii)特定の加工製品が、種の水準まで特定できない条約適用前の取得標本を含む。

iv)2000年8月1日よりも前に輸入されたTupinambisの種の加工した皮またはその部分が再輸出される場合は、Tupinambis属と示すだけで十分である。

f)締約国は許可書または証明書の受領を拒否した場合、その原本を保管するか、またはそれが国内法に違反する場合は、その書類、特にセキュリティ・スタンプを、望ましくは穴を開けるなど、元に戻せない方法で取り消す。

g)締約国は輸出または再輸出のために発給された許可書または証明書の受領を拒否した場合、ただちに輸出または再輸出国に通知する。

h)締約国は輸出または再輸出のために発給した許可書または証明書が拒否されたことを通知された場合、問題の標本が違法取引に使われないよう確約するための措置を講じる。

i)許可書または証明書の原本が認可された取引のために被許諾者によって使われない場合、締約国はその書類の違法使用を防止するために、それが被許諾者によって管理当局に返却されることを確約する。

j) 締約国は許可書の正当性を確認するために受け取るEメールならびにファクスを注意深く確認し、そこに記載された数字を含む情報がCITES Directoryのそれと一致することを確保する。かつ
さらに、管理当局に対し、織物の裏に原産国に対応するロゴ並びに商標VICUNA-COUNTRY OF ORIGINが付いているか、またはそれが条約適用前のビクーニャの毛を含む織物である場合にのみ、ビクーニャの織物の輸入を認可するよう勧告する。

以下の場合、事務局に確認するよう締約国に求める。

a) 疑わしい貨物に伴った許可書の正当性について深刻な疑念がある時。および

b) 飼育繁殖または人工繁殖と申告された附属書Iの種の生きた標本の輸入を受け入れる前。および

XV.ATAカルネの対象となるサンプル収集物に関する書類について

次のように勧告する。

a) 以下に記す手続きの目的のために、「サンプル収集物」という用語は合法的に取得した死んだ標本、附属書IIまたはIIIに掲げる種の部分ならびに派生物、 附属書IIの標本として扱われる飼育繁殖または人工繁殖させた附属書Iの種で、販売またはその他の方法で譲渡する資格がなく、その移動が最初に認可された 国に戻される前に展示目的で国境を越えるものの収集物を意味する。かつ

b) そのようなサンプル収集物は「輸送中」とみなされ、次の条件で、決議 9.7(CoP13で改正)で説明された第7条1項に明記した特別規定の資格がある。

i) サンプル収集物はATAカルネの対象となり、標準のCITES許可書が添付され、そこには適宜、「輸出」または「再輸出」および/または「その他」のいず れかに関する許可書または証明書であることが示され、さらに、その書類が「サンプル収集物」のために発給されたことが明瞭に明記される。

ii) 第5欄またはそれに相当する場所に、「この書類はサンプル収集物を対象とするものであり、有効なATAカルネが添付されていない限り無効である。この証明 書の対象となる標本は、この書類を発給した国の外で販売またはそれ以外に譲渡することはできない」と明記する。添付されるATAカルネの数を記録し、必要 に応じ、これは税関またはCITES書類を裏書きする責任を持つその他のCITES執行係官が記入することができる。

iii) 輸入者および輸出者または再輸出者の氏名と住所(国を含む)は同一とし、第5欄またはそれに相当する場所に、訪れる国の名前を示す。

iv) そのような書類の失効日はそれに添付されたATAカルネの失効日以前とし、有効期間はそれが認められた日から6ヵ月以内とする。

v) 国境を越えるたびに、締約国はCITES許可書または証明書の存在を確認し、ただし、それをその収集物に添付したままに保ち、ATAカルネが税関係官によって公認されたスタンプと署名で正しく裏書きされていることを保証する。かつ

vi) 締約国は最初の輸出または再輸出およびその返却の時点でCITES許可書または証明書およびサンプル収集物を綿密に調べ、収集物に変化がないことを保証する。

次のように合意する。

a) そのような許可書または証明書は譲渡不可であり、ある国での滞在中に紛失、窃盗、または過失によって破壊された時は、それを発給した管理当局のみが複製を 発給できる。この複製は可能な限り原本と同じ番号および同じ有効日付を持ち、「この書類は原本の正確な写しである」と記述するか、またはそれがxxという 番号の原本に代わるものであると記述する。

b) 収集物中の標本が窃盗、破壊、紛失された場合、書類を発給した管理当局およびそれが起きた国の管理当局にただちに通報する。かつ

c) ATAカルネの使用を認知しないかまたは許可しない締約国は、サンプル収集物の輸出、再輸出、輸入に関する通常のCITES手続きに従う。かつ

次に列挙した決議を廃棄する。

a)決議8.16(京都、1992年)-「生きた動物の移動展示」

b)決議10.2(改正)(ハラレ、1997年、ギギリ、2000年で改正)-「許可書および証明書」

c) 決議11.6(CoP13で改正)(ギギリ、2000年、バンコク、2004年で改正)-ビクーニャの織物の取引。


付記1 CITES許可書および証明書に記載すべき情報

a)条約の完全な名称とロゴ

b)許可書を発給する管理当局の完全な名称と住所

c)一意の管理番号

d)輸出者と輸入者の完全な名称と住所

e)採用された標準命名法に従い標本が属する種(または当該分類群がどの附属書に掲げられているかを判断する上で関係する場合は亜種)の学名

f)事務局が配布した標本の学名を用い、条約で使用される3言語のいずれかで記された標本の記述

g)標本がマークされている場合または締約国会議の決議でマーキングが指定されている場合(ランチングから取得された標本、締約国による割当量承認の対象となる標本、附属書Iに掲げられ商業目的で飼育される動物を繁殖させる事業から産出された標本など)

h)その種または亜種または個体群が掲げられる附属書

i)標本の出所

j)標本の量、および必要に応じて用いた計測単位

k)発給日および有効期限

l)署名者の氏名および手書きの署名

m)管理当局のエンボス印章またはインクスタンプ

n)許可書が生きた動物を対象とする場合、それは輸送状態が「生きた動物の輸送に関するCITESガイドライン」または空輸の場合は「生きた動物に関するIATA規則」に従う場合にのみ有効であるとする表示

o)許可書が商業的目的の飼育繁殖または人工繁殖を営む事業から産出される附属書Iに掲げる種(条約第7条4項)の標本を含む場合、事務局がつけたその事業の登録番号およびそれが輸出者でない場合はその事業の名称

p)輸出の際に検査を実施した当局のスタンプまたは印章並びに署名によって証明された輸出される標本の実際の量

q)標本がマイクロチップ・トランスポンダーでマークされている場合、マイクロチップのコード全部およびトランスポンダー製造業者の商標、および可能であれば、標本中のマイクロチップの位置

原産地証明書のみに記載すべき情報
r)標本が証明書を発給した国の原産であるという表示


付記2 標準CITES書式 
 
(訳注:都合により省略)



付記3 モデル旅行-展示証明書

(訳注:都合により省略)

付記4 生物サンプルのタイプとその使用法

サンプルのタイプ 通常のサンプル量 サンプルの使用法
血液、液状

抗凝血薬とともに全血数滴または 5 ml を試験管にとる。36時間で質が低下する可能性がある。

病気の診断のための血液検査と標準生化学検査、分類研究、生物医学研究

血液、乾燥(塗沫)

顕微鏡標本用スライド上に血液1滴を塗り広げる。通常、化学固定剤で固定する。

血球の計数と病気を引き起こす寄生虫のスクリーニング

血液、凝血(血清)

試験管に血液 5 ml をとる。血の塊の有無は問わない。

病気の証拠を発見するための血清検査と抗体検出、生物医学研究

組織、固定

固定した組織片 5 mm3

病気の徴候を検出するための組織検査と電子顕微鏡検査、分類研究、生物医学研究

組織、未処理(卵子、精子、胚を除く)

組織片 5 mm3。冷凍保存する場合もある。

微生物と毒物を検出するための微生物検査と毒物検査、分類研究、生物医学研究

綿棒で集めた標本

綿棒についた微小な組織片を試験管に入れる。

病気を診断するための細菌、菌類などの培養

毛、皮、羽、鱗

試験管に皮の表面の小片(10 mlまで)を入れる。時に微小。固定剤を使う場合と使わない場合がある。

遺伝子検査と科学捜査検査、寄生虫と病原菌の検出、その他の検査
細胞株と組織培養
サンプルのサイズは無制限。

細胞株は一次または連続細胞株として培養される人工産物で、ワクチンその他の医薬品生産の検査と分類研究(染色体の研究やDNAの抽出など)に広く使われる。

DNA

少量の血液(5 mlまで)、毛、羽の小胞、筋肉、器官組織(肝臓、心臓など)、精製DNA、その他。

性別の決定、識別、科学捜査、分類研究、生物医学研究

分泌物(唾液、毒液、乳)

1~5 mlを瓶に採取する。

系統発生研究、解毒剤の生産、生物医学研究

ワシントン決議一覧へ戻る


決議12.4 メロの取引に関するCITESと南極海洋生物資源保存委員会の協力

野生動植物の特定の種の保護および国際取引によって引き起こされる過剰利用や、その他の悪影響の防止に国際協力が不可欠であることを認識し、

地球の生態系にとっての海洋の重要性、および海洋環境並びにその資源の保護と保存に対するすべての国の義務を意識し、

条約第15条2(b)項が、海洋種に関し、事務局はそれらの種に関係する機能を持つ政府間組織と協議するものと規定していることを想起し、

漁業分野におけるいくつかの組織と地域協定が、回復と持続的利用の促進を望む種の漁獲の原産地証明に関するガイドラインを含む保護対策を採用していること、およびそれらの努力を成功させるには、それらの組織または協定の構成員または締約国ではない国を含むすべての国が、それら保護対策に協力し、それらを実施することが重要であることを認識し、

南極海洋生物資源保存委員会(CCAMLR)が、過剰利用の防止と全廃のための措置とともに、南極海洋生物資源の漁業の持続的発展およびそれら資源の責任ある利用に、その取引が影響を与えないようにするために、特にマジェランアイナメとライギョダマシ(Dissostichus属)を含め、同委員会が規制する種の国際取引の透明性を確約することを目的とする他の措置を含む行動計画を採択したことに留意し、

CCAMLRが特定組織、並びに南極海洋生態系の保護に関係する側面において同委員会とその科学委員会の仕事に寄与するその他の組織との協力を進めていることに注目し、

違法、無規制、無報告の漁業活動が、マジェランアイナメとライギョダマシの個体群を含む数魚種の個体群に害を与えるおそれがあることを憂慮し、すべての国に対し、違法、無規制、無報告の漁業を根絶させるための国際的努力に協力するよう求め、

漁業が過剰利用の水準に達することを防ぐために、CCAMLRが全加盟国に対し、すべての南極海洋生物資源、特にマジェランアイナメとライギョダマシの商業利用に関する規制を定めたことに注目し、

CCAMLRが第21回会議でCITES締約国に対し、メロのすべての輸入に関し、CCAMLR漁獲証明制度に従う書類を要求するよう求めたことにさらに留意し、かつ、CITESとのさらなる協力が歓迎されることに合意し、

マジェランアイナメとライギョダマシの製品の国際取引に関する情報交換と、これらの種の国際取引が最大限の合法性、厳格性、透明性を伴い実施されることを保証するための努力という両面で、CCAMLRとCITESが密に協力する必要性も認識し、

CCAMLRによって規制される種の標本の違法国際取引が、CCAMLRの有効性とCITESの原則を損なうことを憂慮し、

CITES締約国に対し、自国の旗を掲げた船舶がCCAMLRによって採用された保護対策またはその条約の範囲外で、自国管轄水域内でDissostichus属の標本が捕獲される国々によって自発的に採用された保護対策を損なわないようにするために、権限内で行使できるあらゆる対策を講じるよう求め、

条約締約国会議は

メロの国際取引に関して

これらの種に関し、CCAMLRがDissostichus属に対して使用するDissostichus漁獲証明書を締約国が採用し、これらの種の標本が自国管轄圏内に持ち込まれるか、そこから輸出されるか、またはそこを通過するすべての場合に、確認要件として導入するよう勧告する。

メロ製品の違法取引に関して

違法、無規制、無報告の漁業との闘いにおけるCCAMLRの仕事を十分に歓迎し、CITES締約国に対し、マジェランアイナメとライギョダマシの標本の取引における疑問、特にそれらの地理上の原産海域を注意深く調べ、この点に関する情報収集においてCCAMLR事務局と協力するよう求める。

CCAMLRに対し、締約国会議を通じてCITES締約国に継続的に情報を流すことを奨励し、

一方、条約事務局はCCAMLR事務局に、これらの種の違法取引に関して入手可能なあらゆる情報を伝えることを要求する。

関心を持つすべての国、国連食糧農業機関(FAO)、並びにこの分野で活動する他の政府間または国際組織に対し、これらの種の違法取引を防ぐための努力において協力し、関連情報をCCAMLR事務局に伝えるよう呼びかける。

南極海洋生物資源保存条約の遵守に関して

メロを捕獲するか、またはメロ製品を取り引きし、まだそれを行っていない締約国に対し、南極海洋生物資源保存条約に遵守し、いかなる場合も、その保護対策に自発的に協力するよう勧告する。 ■

ワシントン決議一覧へ戻る


決議12.5 トラ並びに附属書Iに掲げる他のアジア産大型ネコ種の保護および取引

トラの保護および取引に関し、第11回締約国会議(ギギリ、2000年)で採択された決議11.5を想起し、

トラ並びに他のアジア産大型ネコ種(ユキヒョウUncia uncia、ウンピョウNeofelis nebulosa、ヒョウPanthera pardusのアジアに生息する全亜種、アジアライオン Panthera leo persica)の野生個体群が密猟とかく乱、断片化、破壊による生息地の消失との総合的影響によって脅かされていることに留意し、

トラ並びに他のアジア産大型ネコ科全種が附属書Iに掲げられ、アジア産大型ネコ種およびその部分およびに派生物の商業的国際取引が1975年以来(アジアライオンとアムールトラPanthera tigris altaicaは例外で、それぞれ1977年と1987年に追加された)、条約によって禁じられていることを意識し、

トラPanthera tigrisの3亜種が過去50年以内に絶滅したことを自覚し、かつ、アジア産大型ネコ種が附属書Iに掲げられているにもかかわらず、それらのほぼ全種の標本の違法取引が増加し、野生でのそれらの長期的存続を一層脅かしていることに憂慮しつつ留意し、

トラ並びに他のアジア産大型ネコ種の部分およびに派生物を含む医薬品および製品の使用が世界中の多数の国で続いており、かつ、それらの種の一部の骨は伝統薬の取引体系においてトラの骨の代替品として利用できることを憂慮し、

トラ並びに他のアジア産大型ネコ種の皮の取引が再び増加しているものと思われ、かつ、この傾向が密猟を助長し、それが野生での絶滅につながる可能性があることをさらに憂慮し、

常設委員会が条約の全締約国および非締約国に対し、トラおよびトラの部分およびに派生物の違法取引を停止するために必要な措置を講じるよう呼びかけたことに留意し、

トラおよびトラの部分およびに派生物の違法取引と取り組むため、および他の締約国との協力を促進するために、一部の生息国並びに消費国が講じた積極的対策を推賞し、だが、附属書Iのアジア産大型ネコ全種の標本の違法取引と取り組むための措置が必要であることに留意し、

トラ並びに他のアジア産大型ネコ種の違法捕殺およびそれらの標本の違法取引の陰にある誘引となる力は地域によって異なり、生きた標本、部分および派生物の販売による経済的利益、アジア産大型ネコ種の生息地に住む人々の保護、捕食からの家畜の保護または捕食に対する対策を含む場合があることを自覚し、

生息国と非生息国との技術協力の補強および財政支援が、トラ並びに他のアジア産大型ネコ種のさらに有効なトラの保護に寄与することを認識し、

一部の生息国並びに消費国において政治的公約、財源、専門知識を強化することにより、トラの違法捕殺およびその部分およびに派生物の取引の規制と生息地の保護を大幅に改善できることを認め、

インドで実施した法執行訓練コースを含め、CITESトラ法執行特別本部(タイガーエンフォースメントタスクフォース)を通じて達成された進歩を認め、だが、保護問題の原因は他のアジア産大型ネコ種にも関連する可能性があること、かつ、トラ標本の違法取引を削減するための解決策はそれらの種にも役立つよう適用できることに留意し、

ユキヒョウ・ネットワークおよび世界トラ・フォーラムのメンバーの活動および報告をさらに認め、野生におけるそれらの種の長期的存続に対する脅威およびそれらの脅威と取り組むために推奨される措置を検討し、

トラ並びに他のアジア産大型ネコ種およびそれらの生息地の保護、保護および管理に対する長期的解決策として、確実な情報基盤に基づく大胆かつ革新的処置が必要であることも認識し、

条約締約国会議は

次のとおりに促す。

a)全締約国並びに非締約国、特にアジア産大型ネコ種の生息国並びに消費国が緊急に、保護地域内外および野生生物市場や店舗などの部分および派生物の小売店における取引の規制に対して責任を持つ様々な政府機関の管理責任を明瞭に定義した包括的な法律並びに執行上の規制を採用する。

b)トラ並びに他のアジア産大型ネコ種、およびそれらの部分および派生物、またはそれらを含むと表記されたり、称されている製品の標本の国際取引を禁じる法律の改善を目指すすべての締約国が、そのような法律を採用し、違法取引を抑止するために十分な罰則を盛り込み、かつ、決議9.6(改正)に規定された部分、派生物並びに製品の国内取引を自発的に禁止するなど、CITESの実施を促進する国内措置の導入を考慮する。

c)全締約国、特に生息国並びに消費国が、革新的な施行措置を導入し、優先的に、重要な国境地域における執行活動を強化する。

d)領土内でトラ並びに他のアジア産大型ネコ種を飼育下で繁殖している締約国並びに非締約国は、部分および派生物がそれらの施設から、またはそれらを通じ、違法に取引されることを防ぐため、十分な管理業務並びに規制を設けるように確実にする。

e)トラ並びに他のアジア産大型ネコ種の部分および派生物の在庫(トラの骨の在庫など)が存在するが、条約適用前に取得した標本は存在しない締約国並びに非締約国は、そのような在庫を統合した上で十分な管理を確約し、可能な場合は、教育並びに科学的目的での使用を除き、同在庫を破棄する。

f)トラ並びに他のアジア産大型ネコ種の生息国並びに非生息国は、グローバル・タイガーフォーラムおよびユキヒョウ・ネットワークなどの国際保護計画を支持し、かつそれらに参加する。

g)すべての生息国並びに消費国で非締約国は、トラ並びに他のアジア産大型ネコ種の部分およびに派生物の国際取引の規制を改善するため、可能な限り早急に、条約に加盟する。

次のとおりに勧告する。

a)CITES事務局はすべてのアジア産大型ネコ種を含むようCITESトラ法執行特別本部(タイガーエンフォースメントタスクフォース)の範囲を拡大する。

b)トラ並びに他のアジア産大型ネコ種の生息国は、アジア産大型ネコ種の違法捕殺および取引を取り締まるために、密猟取締りチームおよび法執行部隊を設立し、かつ有効に資源を供給すること、および違法捕殺および取引を取り締まるために、関連法執行機関の間で情報を共有することを確実にする。

c)トラ並びに他のアジア産大型ネコ種の生息国は、アジア産大型ネコ種、それらの獲物並びに生息地の生態系と文化における重要性並びにエコツーリズムにおける重要性に関し、都市と地方の地域社会およびその他の対象集団に向けた適切な教育並びに意識向上キャンペーンを実施する。

d)すべての生息国並びに消費国は、法執行、検察並びに司法当局の間で野生生物犯罪および違法野生生物取引に関する意識を向上させるための措置を講じる。

e)トラ並びに他のアジア産大型ネコ種の生息国並びに消費国の法執行機関は、アジア産大型ネコ種の標本の違法国際取引のより有効な規制を達成するために、特に共有する野生生物種並びに共通の国境を持つ保護されている生息地の管理に関し、協力的な二国間並びに多国間の取り決めを定める。

f)締約国並びに非締約国はCITES事務局からの技術援助を受け、また、利用可能な場合は、それに関心を持つ政府並びに団体からの財政支援を受け、生きた標本や部分および派生物の取引の規模、密輸の経路および方法、最終的な消費者市場を含め、アジア産大型ネコ種の標本の違法な越境移動に伴う法執行の必要性に関する地域ワークショップを開催する。

g)アジア産大型ネコ種の生息国は必要に応じてこれらの種の違法捕殺の背後にある動機を調べる研究を実施し、かつ、その動機と取り組むための適切な措置を勧告する。

次のとおりに要請する。

a)関連する専門知識を有する国並びに団体は、アジア産大型ネコ種の部分および派生物の検出並びに正確な識別を支援するための実用的な識別マニュアルの作成にあたり、緊急に生息国並びに消費国を奨励かつ支援する。

b)生物学並びに分布に関するデータは条約の実施に不可欠であるため、コンピュータ・データベース並びに地図作成、さらにその他の必要な保護管理技法を開発するために、資金提供国は社会基盤並びに専門知識提供のための資金を援助する。

トラ並びに他のアジア産大型ネコ種の標本の消費国に対し、次のとおりに勧告する。

a)伝統医療社会並びに業界と協力し、アジア産大型ネコ種の部分および派生物の使用を徐々に削減し、最終的に全廃するための戦略を立案する。

b)必要かつ適切な場合、附属書Iに掲げるアジア産大型ネコ種の部分および派生物を薬局方から除外し、他の野生種を脅かさず容認できる代替品を掲載し、かつ、附属書Iのアジア産大型ネコ種から派生する物質の使用を全廃し、適切な代替物質の採用を促進するために、業界並びに利用者のグループを教育するプログラムを導入する。

c)トロフィー、装飾品、衣料品または他の素材を生産するためのアジア産大型ネコ種の皮の違法取引並びに使用を全廃するために、適切な教育並びに意識向上キャンペーンを実施する。

全政府並びに政府間組織、国際援助機関並びに非政府組織に対し、アジア産大型ネコ種の標本の違法取引を停止し、野生でのアジア産大型ネコ種の長期的存続を確保するための資金その他の援助を緊急に提供するよう呼びかける。

決議11.5(ギギリ、2000年)―「トラの保護および取引」を廃棄する。

ワシントン決議一覧へ戻る


決議12.6 サメの保護および管理

成熟の遅さ、寿命、繁殖力の低さが原因で、サメが過剰な捕獲に対して特に弱いことを認識し、

サメ並びにその製品の顕著な国際取引があることを認識し、

無規制で無報告な取引が、サメ数種の非持続的な漁獲に寄与していることを認識し、

直接または適切な地域内または地域の機構を通じ、全締約国が漁業資源の保護および管理に関して協力する義務を認識し、

IUCN-国際自然保護連合の「脅かされている種のレッドリスト」(2000年)が79のサメ分類群(レッドリストで評価を行った分類群の10%から)を掲げていることに留意し、

サメの保護および管理に関する国際行動計画(IPOA-Sharks)が、1999年にFAOによって作成され、かつ、国内の漁船がサメを対象とする漁業を行う、またはサメを対象とした漁業は行わないが定期的にサメを漁獲する全締約国に対し、サメの保護および管理に関する国内行動計画(NPOA-Sharks)の採用がCOFI(FAO水産委員会)によって奨励されていることを認識し、

CITES締約国が決議9.17および決定10.48、10.73、10.74、10.93、10.126、11.94並びに11.151の採択を通じ、国際取引がサメの保護に与える脅威を以前に認識したことに留意し、

現在サメ2種がCITES附属書III1に掲げられていることに留意し、

第18回動物委員会で、CITESはサメの保護および取引に関する懸念と取り組むための国際的努力への貢献を継続すべきであると指摘した報告書が採択されたことを歓迎し、

締約国は2001年に開催されたCOFIの第24回会合までにサメに関するNPOAを作成するようFAOによって奨励されたことに留意し、

NPOAの立案および実施が大幅に遅れていることに留意し、

包括的なサメ評価報告書およびNPOA-Sharksが作成された締約国を除き、IPOA-Sharksの実施を通じたサメ管理の達成が十分進んでいないことを憂慮し、

サメ並びにその製品の取引を著しく継続することは持続的でないことを憂慮し、

条約締約国会議は

FAO のIPOA-Sharksの立案が進んでいないことは、CITESフォーラム内でサメの取引問題に対するさらなる実質的行動が欠如している正当な理由とはならないことに合意する。

CITES事務局に対し、IPOA-Sharks実施にあたり顕著な進歩がみられないことに関するFAOの憂慮を取り上げ、NPOA-Sharksの立案を関連締約国に対して積極的に奨励するための対策をFAOに促すよう指示する。

動物委員会に対し、決定11.94に特定された活動を第12回締約国会議後も続行し、第13回締約国会議で進捗状況を報告するよう命じる。

動物委員会に対し、第13回CITES締約国会議の1年前の日までに、主な漁業並びに取引国によるIPOA-Sharks実施(NPOA-Sharks)に向けた進捗状況を厳しく検討するよう命じる。

動物委員会に対し、重要な種を特定し、CITESに基づく考慮および掲載の可能性に関してそれらを検討するという観点から、サメ評価報告書その他の入手可能な関連文書の中で生息国が提供した情報を再検討するよう命じる。

締約国に対し、IPOA-Sharksの実施に関する情報を漁業部門から取得し、進捗状況を直接CITES事務局および動物委員会の今後の会議に報告するよう奨励する。

FAOのCOFI並びに地域漁業管理組織に対し、IPOA-Sharksの実施に必要であるためにFAOによって概説された研究、訓練、データ収集、データ分析、サメ管理計画立案を実施するための措置を講じるよう促す。

締約国に対し、IPOA-Sharksの実施に財政並びに技術的に寄与するよう奨励する。

動物委員会に対し、サメの保護状態およびそれらの種の国際取引規制の改善に関し、第13回締約国会議および必要ならばそれに続く締約国会議で、種に特有な勧告を行うよう命じる。

管理および保護状態が改善しない場合、附属書掲載を考慮する必要がある絶滅のおそれのあるサメの種の特定を続けるよう締約国に勧告する。

可能ならば加工並びに未加工製品、肉、軟骨、皮およびヒレに対する個別の分類を含むサメの取引に関する詳細データの収集を可能にし、輸入品、輸出品、再輸出品を区別するための現行分類制度の拡大に向け、各国税関当局と協力するよう管理当局に要求する。それらのデータは可能な限り種に特有なものとする。

1第12回締約国会議の結果を受け、2003年2月13日から変更になっている。

ワシントン決議一覧へ戻る


決議12.7(Cop.14で改正) チョウザメ並びにヘラチョウザメの保護および取引

第10回締約国会議(ハラレ、1997年)で採択され、第11回会議(ギギリ、2000年)で改正された決議10.12(改正)および第11回締約国会議で採択された決議11.13を想起し、

チョウザメ目Acipenseriformesの現存するチョウザメ並びにヘラチョウザメが、近年、違法漁獲並びに違法取引、水流調節および自然産卵場の減少などの負の要因によって影響を受けてきた貴重な再生可能生物並びに経済資源であることを意識し、

常設委員会の第45回会議(パリ、2001年6月)で承認された「パリ協定」に従い、カスピ海のチョウザメ目の保全のために支持された概念およびそれに向けた進歩を想起し、

持続的漁業管理の基礎としてのさらなる研究の必要性および資源の状態の科学的モニタリング並びにそれらの遺伝的構成の理解の重要性に留意し、

保全、生息地保護、違法漁獲並びに取引防止のための地域管理並びにモニタリング計画を立案するために、チョウザメ種のユーラシアの生息国が資金並びに技術援助を必要としていることを考慮し、

条約第6条7項で、附属書に掲げる種の標本は、それらの識別を促進するためにマーキングできると規定されていることを想起し、

取引される全キャビアのラベリングが、チョウザメ並びにヘラチョウザメの標本の取引の有効な規制に向けての基本的一歩になることを考慮し、

取引される合法的キャビアの識別に関して締約国を補助するために、マーキングを標準化すべきであり、かつ、ラベルのデザインに関する特定の仕様が根本的に 重要であり、全般的に適用されるべきであり、現行のマーキング制度およびマーキング制度において予想される技術的進歩を考慮に入れるべきであることに留意し、

元の輸出に関連したキャビアの再輸出および年間輸出割当に関連した輸出水準のモニタリングを改善する必要性があることを承知し、

UNEP世界自然保護モニタリングセンター(UNEP-WCMC)によるキャビア取引データベースの設置を歓迎し、

締約国は輸出許可書、再輸出証明書の発給または輸出割当量の設定を行う際、国内市場および違法取引を考慮に入れることを認識し、

共有資源からのチョウザメ標本の輸出割当量の設定には透明性を要することを認識し、

条約締約国会議は

チョウザメ目の種の生息国に対して次のとおりに促す。

a) 適切な管理計画を通じてチョウザメ並びにヘラチョウザメ漁業の持続可能性を促進するために、科学研究を奨励し、個体群1の状態の十分なモニタリングを確約する。

b) CITES事務局、ICPO-インターポール、世界税関機構との密接な協力により、漁業および輸出を規制する現行法の規定および執行を改善することにより、チョウザメ並びにヘラチョウザメの標本の違法漁獲並びに取引を削減する。

c) チョウザメ並びにヘラチョウザメに関して責任を持つ全機関の代表によるそれらの種の保護および持続的使用計画への参加を促進する方法を探る。

d) チョウザメ並びにヘラチョウザメの生息国間で、それらの種の適切な管理および持続的利用をねらいとする地域協定を推進する。

e) ユーラシア地域のチョウザメの生息国の場合、地域保全戦略ならびに行動計画を策定する際には、文書CoP12 Doc.42.1中の勧告を考慮に入れる。

チョウザメ製品の取引規制に関して次のとおりに勧告する。

a) 生息国はチョウザメ並びにヘラチョウザメの標本の合法的輸出者に対して免許を与え、それらの人物または企業の登録簿を維持し、事務局にこの登録簿を提出する。変更が生じた時は登録簿を更新し、遅滞なく事務局に伝える。事務局は通達を通して締約国にこの情報を配布し、CITESウエブサイトの登録簿に掲載する。

b) 輸入、輸出、再輸出を行う各締約国は、国内法と一致する場合、その領土内の養殖事業を含むキャビア加工工場および再包装工場の登録制度を設け、それらの施設と正式な登録コードの一覧表を事務局に提出する。変更が生じた時は一覧表を更新し、遅滞なく事務局に伝える。事務局は通達を通して締約国にこの情報を配布し、CITESウエブサイトの登録簿に掲載する。

c) 輸入国は、チョウザメの標本の荷下ろし、積み替え、再包装、再ラベリング、再輸出を含め、チョウザメならびにヘラチョウザメの種の取引に関するすべての側面の規制については特に注意する。

d) 締約国は無税地帯および自由港において、および航空路線ならびに航路での配膳業のためのチョウザメならびにヘラチョウザメの標本の貯蔵、加工、再包装を監視する。

e) 締約国はチョウザメならびにヘラチョウザメ種に関する条約の規定を施行するために必要な行政、管理、科学、規制上の機構を確立するために、関連機関すべてが協力するよう保証する。

f) 締約国は条約第7条3項に従う手回り品の免除を許可するため、およびこの免除を1人あたりキャビア125gまでに制限するために、キャビアに関する手回り品免除に関係する国内法の関連を考える。

g) 共有資源から2007年に漁獲され、合意された輸出割当量に従うすべてのキャビアは、2007年末までに輸出しなければならない。2008年以降、共有資源から漁獲され、輸出割当量に従うすべてのキャビアは、漁獲され、加工された割当年(3月1日から2月末日まで)の年末までに輸出しなければならない。この目的のために、そのようなキャビアに対する輸出許可書は最長で割当年の末日まで有効とする。締約国は前の割当年に漁獲または加工されたキャビアを輸入しないものとする。

h) 関連する輸出許可書原本の発給日から18ヵ月を越えたキャビアの再輸出は行われない。

i) 締約国はUNEP-WCMCに対して直接、または事務局に対し、キャビアの取引を認可するために発給されたすべての輸出許可書並びに再輸出証明書の写しを、発給後1ヵ月以内に提出し、UNEP-WCMCキャビア取引データベースに入力できるようにする。

j) 締約国は再輸出証明書の発給に先立ち、UNEP-WCMCキャビア取引データベースを調べる。

k) 事務局は常設委員会の各会議で、UNEP-WCMCキャビア取引データベースの運用に関する進捗状況報告書を提出する。

l) 締約国はキャビアに関し、他の魚種の卵も含み、正確さが劣る6桁のコードの代わりに、入手可能な限り、8桁全部の税関コードを使用する。

m) 締約国は付記1並びに2に概略を示したキャビアに関する統一ラベリング・システムを施行し、輸入締約国はこれらの規定を遵守しない限り、キャビアの積荷を受け入れないものとする。

漁獲並びに輸出割当量に関し、さらに次のとおりに勧告する2

a) 締約国は、異なる生息国3の間で共有される資源からのチョウザメ目の種のキャビア並びに肉の輸入を受け入れない。ただし、以下の手順に従い輸出割当量が設定されている場合を除く。

i) 生息国がその割当年についてチョウザメ目の種のキャビア並びに肉の輸出割当量を定めている。割当年は2008年以降、3月1日に始まり、翌年の2月末日に終わる。

ii) i)に言及された輸出割当量が、当該種に関する適切な地域保全戦略並びにモニタリング方式に基づく漁獲割当量に由来するものであり、野生でのその種の存続に悪影響を与えない。

iii) i)並びにii)に言及された漁獲並びに輸出割当量が、チョウザメ目の種の同一資源の生息域を提供する全締約国間で合意される。ただし、資源が3ヵ国以上の間で共有され、これらの締約国のいずれかが、これらの全締約国の合意による決定に従い開催される共有資源割当量合意会議に参加することを拒否するか、または参加しない場合は、共有資源の合計並びに国別割当量は、残りの生息国の合意により決定することができる。締約国への通達のために、この状況を裏付ける書面を両方の側から事務局に提出しなければならない。参加しなかった締約国は、割当量を受け入れることを事務局に通知し、事務局が締約国にそれを通達した後、初めて割当量の中からキャビア並びに肉を輸出することができる。2ヵ国以上の生息国が上記の過程への参加を拒否するか、または参加しない場合、共有資源に関する合計並びに国別割当量を定めることはできない。生息国2ヵ国のみが共有する資源の場合、割当量は意見の一致により合意されなければならない。意見の一致に達することができない場合、CITES事務局を含め、過程を促進するために仲介者を要請することができる。意見の一致に達する時点まで、それらの国の割当量はゼロとする。

iv) 生息国が前年の12月31日までに、上記i)に言及した輸出割当量およびii)並びにiii)に従う漁獲並びに輸出割当量を設定するために使用した科学的データを事務局に提出した。

v) 上記iv)に示した期日までに事務局に割当量が伝えられない場合、関連する生息国が割当量を書面で事務局に伝え、それを事務局が締約国に通報する時点まで、それらの国の割当量をゼロとする。事務局は生息国から遅滞について通報を受け、それを締約国に通達するものとする。

vi) 事務局は生息国から情報を受領してから1ヵ月以内に、合意された割当量を締約国に通報する。

b) 事務局は要求に応じ、iv)で言及した情報全部を締約国が入手できるようにする。

c) チョウザメ目の種の共有資源の生息国が、本決議に従い定めた自国の割当量をより厳格な国内措置に従い削減すると決定した場合、それはこの資源の他の生息国の割当量には影響を与えない。

事務局に対し、動物委員会の各会議で、関連書類への参照を含め、チョウザメ並びにヘラチョウザメの保全並びに取引に関係する活動に関する報告書を提出するよう命じる。

動物委員会に対し、事務局、関心を持つ締約国、国際組織、関連する専門家と協力し、本決議の関連規定に関する進捗状況を監視し、また、2008年から始まる3年のサイクルで、それ以前の年の情報を使い、上記の「さらに勧告する」a)項の規定に従い、チョウザメ目の種の資源に対して使われるアセスメント並びにモニタリング方法の評価を実施するよう命じる。

生息国に対し、「さらに勧告する」a)項並びに上記の「動物委員会に対し命じる」の項の規定を施行するという観点から、動物委員会並びに事務局と協力するよう促す。

動物委員会に対し、上記の進捗状況のモニタリング並びに3年サイクルの評価に基づき、講じるべき措置を常設委員会に対して勧告するよう命じる。

生息国、輸入国およびIUCN/SSCチョウザメ専門家グループなどの他の適切な専門家並びに組織に対し、事務局並びに動物委員会と協議の上、取引される標本の出所を後に識別する際の補助として、チョウザメ種の部分および派生物および養殖したストックに関する均一なDNAに基づく識別システムの開発を行い、また、DNAに基づく方法が役に立たない場合に、野生と養殖のキャビアを区別するための方法の開発並びに応用を行うための研究を続けるよう求める。

事務局に対し、次のとおりに命じる。

a) 産業界および保護分野の両方の国際組織並びに生息国と共同で、チョウザメ目の保護に関する行動計画を含む戦略の立案を補助する。

b) 締約国、国際組織、国連特別機関、政府間並びに非政府組織および産業界からの財源確保を補助する。
次に列挙した決議を廃棄する。

a) 決議10.12(改正)(ハラレ、1997年、ギギリ、2000年で改正)-「チョウザメの保護」

b) 決議11.13(ギギリ、2000年)-「キャビアの識別のための国際統一ラベル・システム」

-------------------------------------------------------------
1 この決議の目的のために、「資源(stock)」は「個体群(population)」と同義とみなす。

2 第13回締約国会議において、この勧告はキャビアの商業目的の漁獲または共有する資源からの輸出を行わない生息国には適用されないことが合意された。だが、そのような資源からのチョウザメ製品の漁獲と輸出における著しい変化に関し、事務局または締約国は、常設委員会または締約国会議の注意を喚起することも合意された。

3 固有資源つまり他の国と共有しない資源および飼育繁殖または養殖事業からの標本については割当を設定する必要はない。そのような標本について通報された割当は自主割当である。

-------------------------------------------------------------

付記1 キャビアの取引および識別のための国際統一ラベリング・システムに関するCITESガイドライン

a) 統一ラベリング・システムは、野生並びに養殖を出所とし、商業または非商業目的で、国内または国際的な取引のために生産されるすべてのキャビアに適用され、各一次容器への再利用不可ラベルの貼付を基本とする。

b) キャビアの取引に関しては、次の定義が適用される。

-キャビア:チョウザメ種の加工された未受精卵(魚卵)

-ロット識別番号:加工または再包装工場によって使われるキャビア追跡システムに関係する情報と一致する番号

-再利用不可ラベル:破損せずにはがすことも別の容器に移すこともできないラベルまたはマークで、容器を密封することもある。再利用不可ラベルが一次容器を密封しない場合、キャビアは容器の開封を視覚的に証明できるような方法で包装するものとする。

-プレス・キャビア:より高級なキャビアの加工および調整後に残った、ひとつ以上のチョウザメ並びにヘラチョウザメ種の未受精卵(魚卵)から成るキャビア

-一次容器:キャビアと直接接触する缶、瓶または他の容器

-加工工場:キャビアを一次容器に最初に入れる責任を負う原産国の施設

-再包装工場:キャビアを受け取り、新しい一次容器に再包装する責任を負う施設

-二次容器:一次容器を入れる容器

-出所コード:関連CITES決議で定義されたキャビアの出所に対応する文字(例えばW、C、F)。注意点として、さまざまな状況の中でも特に、飼育下で生まれ、少なくとも片親が野生原産であるメスから生産されたキャビアには、「F」というコードを使用する。

c) 原産国では、加工工場で一次容器に再利用不可ラベルを貼付する。このラベルには少なくとも付記2に示す標準種コード、キャビアの出所コード、原産国 を示すISOの2文字のコード、採取年、加工工場の公式登録コード(例えばxxxx)並びにキャビアのロット識別番号(例えばyyyy)を記載する。

HUS/W/RU/2000/xxxx/yyyy

d)再包装が行われない場合、上記c)項で言及された再利用不可ラベルを一次容器上に貼付したまま残し、再輸出を含め、それで十分とみなす。

e)キャビアが再包装される一次容器には、再包装工場によって再利用不可ラベルを貼付する。このラベルには少なくとも付記2に示す標準種コード、標本の出 所コード、原産国を示すISOの2文字のコード、再包装した年、再包装工場の公式登録コード(再包装した国が原産国と異なる場合は、再包装した国のISO の2文字のコードを付ける)(例えばIT-wwww)並びにキャビアのロット識別番号またはCITES輸出許可書または再輸出証明書の番号(例えば zzzz)を記載する。

PER/W/IR/2001/IT-wwww/zzzz

f) キャビアが輸出または再輸出される際、国際的な税関規則に従い、内容の記載に加え、キャビアの正確な量も二次容器上に示さなければならない。

g) 容器に貼付されたラベル上と同一の情報を輸出許可書または再輸出証明書あるいはCITES許可書または証明書に添付された付記に記載しなければならない。

h) ラベルと許可書または証明書の情報が合わない場合、輸入国の管理当局は可能な限り早急に輸出国または再輸出国の管理当局に連絡し、それがガイドライン によって必要とされる情報の複雑さから生じる純粋な誤りかどうかを確認する。その場合は、その取引に関与した人々の処罰を回避するためにあらゆる努力を払う。

i) 締約国はキャビアの積荷を、それらがc)、d)またはe)項で言及された情報を含む適切な書類を伴う場合にのみ受け入れる。

付記2 チョウザメ種、交配種並びに混合種の識別コード

コード

Acipenser baerii

BAE

Acipenser baerii baicalensis

BAI

Acipenser brevirostrum

BVI

Acipenser dabryanus

DAB

Acipenser fulvescensa

FUL

Acipenser gueldenstaedtii

GUE

Acipenser medirostris

MED

Acipenser mikadoi

MIK

Acipenser naccarii

NAC

Acipenser nudiventris

NUD

Acipenser oxyrhynchus

OXY

Acipenser oxyrhynchus desotoi

DES

Acipenser persicus

PER

Acipenser ruthenus

RUT

Acipenser schrencki

SCH

Acipenser sinensis

SIN

Acipenser stellatus

STE

Acipenser sturio

STU

Acipenser transmontanus

TRA

Huso dauricus

DAU

Huso huso

HUS

Polyodon spathula

SPA

Psephurus gladius

GLA

Pseudoscaphirhynchus fedtschenkoi

FED

Pseudoscaphirhynchus hermanni

HER

Pseudoscaphirhynchus kaufmanni

KAU

Scaphirhynchus platorynchus

PLA

Scaphirhynchus albus

ALB

Scaphirhynchus suttkusi

SUS

混合種(プレスキャビアのみ)

MIX

交配種:オスの標本のコード×メスの標本のコード

YYYxXXX

ワシントン決議一覧へ戻る


決議12.8(Cop.13で改正) 附属書II掲載種の標本の著しい取引の再検討

条約第4条2(a)項で、輸出許可書を発給する条件として、その輸出は当該種の存続に対して悪影響を与えないと輸出国の科学当局が助言したことが必要とされていることを想起し、

条約第4条3項で、各締約国の科学当局が附属書II掲載種の輸出を監視し、生息域全体にわたり、その種が生態系で果たす役割と一致する水準に維持するために、このような輸出を制限するためにとるべき適当な処置を管理当局に助言することが必要とされていることを想起し、

条約第4条6(a)項で、海からの持ち込みの証明書を発給する条件として、その輸出は当該種の存続に対して悪影響を与えないと海から持ち込む国の科学当局が助言したことが必要とされていることも想起し、

附属書II掲載種の輸出を許可している一部の国が、条約第4条2(a)、3並びに6(a)項を有効に実施していないこと、およびそのような場合に、個体数評価およびモニタリング計画など、附属書II種の輸出がその種の存続に対して悪影響を与えない水準で行われると確約するために必要な措置が講じられていないこと、および多くの種の生物学的状態に関する情報がしばしば入手できないことを憂慮し、

第4条の適切な実施が附属書II掲載種の保護および持続的な利用に不可欠であることを想起し、

第8回締約国会議(京都、1992年)で採択され第11回会議(ギギリ、2000年)で改正された、決議 8.9(改正)に明記された、著しい取引の再検討と呼ばれる、動物委員会ならびに植物委員会による附属書IIの種の標本の取引に関する再検討の重要な有益性およびその手続きをさらに明確かつ単純にする必要性に留意し、

条約締約国会議は

著しい取引の再検討の実施に関して

動物並びに植物委員会に対し、事務局および専門家と協力し、かつ生息国と協議し、次の手続きに従い、著しい取引の対象となる附属書II掲載種に関する生物学的、取引上、その他の関連情報を再検討し、かつ、条約の4条2(a)、3並びに6(a)項の実施に関する問題並びに解決策を特定するよう命じる。

 再検討する種の選択

a)事務局はUNEP世界自然保護モニタリングセンター(UNEP-WCMC)に対し、締約国会議の各会合後90日以内に、最近5年間の附属書II掲載種に関して記録された純輸出水準1を示す年次報告統計のCITESデータベースの要約を作成するよう要求する。

b)動物または植物委員会、事務局、締約国または他の関連する専門家が入手できる記録された取引水準および情報に基づき、優先問題として動物または植物委員会による再検討を受ける種が選択される(その種が以前に再検討の対象とされたかどうかは問わない)。

c)新たな情報により緊急問題であることが示された例外的場合には、動物または植物委員会が別の段階で、問題のある種の一覧表に種を追加することができる。

 第4条の実施に関する生息国との協議

d)事務局は種が選択される動物または植物委員会の会合後30日以内に、選択された種の生息国に通達し、選択の理由を説明し、かつ、委員会によって特定された条約第4条実施について起こりうる問題に関する意見を要求する。生息国は60日以内に回答する。

e)事務局は動物または植物委員会に対し、他の関連情報も含め、当該生息国の回答について報告する。

f)動物または植物委員会が入手可能な情報を検討した後、条約第4条2(a)、3または6(a)項が正しく実施されていると確信した場合、その種は当該国については再検討から除外される。その場合、事務局は60日以内に締約国にその旨を通達する。

 情報の編纂および予備類別

g)上記f)項に従い、その種が再検討から除外されない場合は、事務局はその種に関する情報の編纂を進める。

h)必要に応じて事務局はその種の生態並びに管理および取引に関する情報を編纂するためにコンサルタントを雇用し、コンサルタントは編纂したものに盛り込む情報を取得するために生息国または関連する専門家と連絡をとる。

i)事務局またはコンサルタントのいずれか適切な方が、選択された種に対する国際取引の影響に関する結論、そのような結論に達した根拠および第4条の実施に関する問題を要約し、かつ、選択された種を暫定的に3種類に類別する。

i)「緊急の問題がある種」には、条約第4条2(a)、3または6(a)項の規定が実施されていないことが入手可能な情報により示された種が掲載される。
ii)「問題の可能性がある種」には、それらの規定が実施されているか否かが明らかでない種が掲載される。
iii)「問題が最小限の種」には、それらの規定が満たされていることが入手可能な情報により示された種が掲載される。

j)事務局またはコンサルタントの報告が動物または植物委員会によって考慮される前に、事務局はそれを関係する生息国に送達し、意見および必要に応じて追加情報を求める。生息国は60日以内に回答する。

 動物または植物委員会による情報の検討および類別の確認

k)動物または植物委員会は事務局またはコンサルタントの報告および当該国から受領した回答を検討し、適切な場合は提案された予備類別を修正する。

l)問題が最小限の種は再検討から除外する。検討中に第4条2(a)、3または6(a)項の実施と関連しない問題が特定された場合、条約および関連決議の他の規定に従い、事務局がそれらと取り組む。

 勧告の作成および生息国への通知

m)動物または植物委員会は事務局と協議した上で、残りの種に関する勧告を作成する。勧告は当該生息国に向けて作成される。

n)緊急の問題がある種については、それらの勧告において第4条2(a)、3または6(a)項の実施に関係する問題と取り組むための特定の処置を提案すべきである。そのような勧告は短期と長期の処置を区別し、かつ、例えば次のものを含むことができる。

i)当該種の輸出に関する管理手続き、慎重な輸出割当量または一時的制約を定めること
ii)当該種の採取および管理に関するさらなる決定が以前の採取および他の要因の影響の監視に基づき行われることを確約するための適応的管理手続きの適用
iii)第4条2(a)または6(a)項の規定に従い必要とされる科学当局による有害でないという判定を下すための根拠を提供するために、分類別並びに国別の状態評価、フィールド調査、個体群に対する脅威または他の関連要因の評価を実施すること

これらの勧告の実施期限は動物または植物委員会が決定すべきである。それは実施される処置の性質に適したものとし、通常は当該国に送達した日から90日以上2年以下とする。

o)問題の可能性がある種については、その種を緊急の問題がある種と類別すべきか、問題が最小限の種と類別すべきかを動物または植物委員会が決定できるようにするために必要な情報をそれらの勧告で指定すべきである。取引の規制のために適切であれば、それらは暫定措置も指定すべきである。そのような勧告は短期と長期の処置を区別し、かつ、例えば次のものを含むことができる。

i)分類別並びに国別の状態評価、フィールド調査、個体群に対する脅威または他の関連要因の評価を実施すること
ii)暫定措置として当該種に関する慎重な輸出割当量を設定すること

これらの勧告の実施期限は動物または植物委員会が決定すべきである。それは実施される処置の性質に適したものとし、通常は当該国に送達した日から90日以上2年以下とする。

p)これらの勧告は事務局により当該生息国に通知される。

勧告の実施に関して講じられる措置

q)事務局は動物または植物委員会の議長と協議した上で、上記で言及した勧告が実施されたかどうかを判断し、その旨を常設委員会に報告する。

r)勧告が実施された場合は、事務局は常設委員会の議長と協議した上で、その種がこのプロセスから除外されたことを締約国に通達する。

s)事務局が動物または植物委員会の議長と協議した上で、n)またはo)項に従い動物または植物委員会が行った勧告を生息国が実施したと確信できない場合、事務局は常設委員会に適切な処置を勧告し、それには最後の手段として、その国との影響される種の取引の一時停止も含めることができる。事務局の報告に基づき、常設委員会は適切な処置を決定し、当該国または全締約国に対して勧告を行う。

t)事務局は常設委員会が行った勧告または処置について締約国に通達する。

u)当該国との影響される種の取引を一時停止するという勧告は、その国が第4条2(a)、3または6(a)項に遵守していることを実証し、事務局を通じて常設委員会がそれを確信した場合にのみ撤回すべきである。

v)常設委員会は事務局および動物または植物委員会の議長と協議した上で、2年を超える取引停止の勧告を再検討し、適切であれば状況と取り組むための措置を講じる。


生息国への支援に関して


締約国並びに野生生物の保護および持続的利用に関心を持つすべての組織に対し、かなりの国際取引の対象とされる動植物の種の野生個体群が、それらの存続にとって有害な取引の対象とされないよう確約するために、補助を必要とする国に対して財政支援または技術的補助を提供するよう促す。そのような措置としては次のような例がある。

a)生息国における保護要員の訓練

b)当該種の標本の生産および輸出に関与する人物および組織への情報およびガイダンスの提供

c)生息国間での情報交換の促進

d)技術的な装置および支援の提供

事務局に対し、生息国における資金調達の必要性の特定並びに通報およびそのような資金調達の潜在的財源の特定を補助するよう命じる。

監視、報告および種の再検討プロセスへの再導入に関して

事務局に対し、本決議および条約第4条の関連する項の実施の監視および促進を目的として、次のとおりに命じる。

a)動物または植物委員会の各会合で、当該生息国によるその委員会が行った勧告の実施に関して報告する。

b)本決議に明記された再検討プロセスを受ける種の登録簿および勧告の実施に関する進捗状況の記録を維持する。

フィールド調査の調整に関して

事務局に対し、適切であれば動物委員会または植物委員会の委員長と協議した上で、IUCNやその他の適切な専門家と契約し、UNEP-WCMCと共同で、著しい水準の取引の対象になっていると特定された附属書IIの種について要求されるフィールド調査の実施を調整し、そのような調査に必要な資金を調達するよう命じる。かつ

決議8.9(改正)(京都、1992年、ギギリ、2000年で改正)-野生から取得された附属書II掲載種の標本の取引を廃棄する。

-------------------------------------------------------
1「純輸出水準」とは、締約国の年次報告書中の輸出入データをもとにある生息国から輸出された標本の総数から同国によって輸入された標本の総数をひいたものである

ワシントン決議一覧へ戻る


決議12.10(Cop14で改正) 附属書Iの動物を商業目的で繁殖させる事業を登録並びに監視するための手続きに関するガイドライン

第8回締約国会議(京都、1992年)で採択された決議8.15および第11回会議(ギギリ、2000年)で採択された決議11.14を想起し、

条約第7条4項で、商業目的のために飼育下で繁殖させた附属書Iの動物種の標本は、附属書IIに掲げる種の標本とみなされると規定されていることを認識し、

条約第3条の規定が、第7条4並びに5項による免除に値しない附属書I動物種の標本の取引を許可する根拠であることも認識し、

商業的な飼育繁殖事業を設立する目的で野生から捕獲された附属書I掲載種の標本の輸入は、条約第3条3(c)項により排除され、第5回締約国会議(ブエノスアイレス、1985年)で採択された決議5.10でさらに説明されていることに留意し、

第10回締約国会議(ハラレ、1997年)で採択され、第11回会議で改正された決議10.16(改正)が、「飼育下で繁殖させた」の定義を定め、ある事業が登録の資格があるかどうかを判断する根拠を提供していることを想起し、

条約第7条5項に従い、非商業目的で飼育下で繁殖させ、飼育繁殖証明書が添付される附属書I掲載種の輸入には、輸入許可書の発給を必要とせず、したがって、目的が商業的であるか否かを問わず、認可されることに留意し、

条約締約国会議は

次のとおりに決定する。条約第7条4項で使われている「商業目的のため飼育下で繁殖させた」という用語は、販売、交換またはサービスの提供、もしくはその他の経済的用途または便益を目的とし、現金か現物かを問わず、利潤を含む経済的利益を得るために繁殖される動物の標本を指すものと解釈される。

条約第7条4項の免除は附属書I掲載種の標本を商業目的で繁殖する事業の事務局による登録を通じて実施すべきであることに合意する。

商業目的で繁殖させる附属書Iの動物種に関し、飼育繁殖事業を登録するための次のような手続きに合意する。

商業目的で飼育により繁殖させた附属書Iの動物種の標本の輸出に関し、条約第7条4項の免除を適用するか否かは、各事業が決議10.16(改正)の規定を遵守するという科学当局の助言を受け、輸出国の管理当局が決定する責任を負うことにも合意する。

次のとおりに決議する。

a) 事業によって生産される標本が決議10.16(第11回締約国会議で改正)の規定に従い「飼育下で繁殖させた」と認められた場合にのみ、その事業はこの決議の手続きに従い登録することができる。

b) 条約第7条4項に従い飼育繁殖事業を承認する第一の主な責任は各締約国の管理当局にあり、管理当局はその締約国の科学当局と協議した上でそれを行う。

c) 管理当局は、付記1に明記されたように、各飼育繁殖事業の登録を行い、かつ維持するための適切な情報を事務局に提供する。

d) 事務局は付記2に明記された手続きに従い、全締約国に各登録申請を通達する。

e) 締約国は商業的目的で飼育下で標本を繁殖させる事業から産出された附属書I掲載種の標本に関し、条約第4条の規定を厳格に実施する。

f) 登録された飼育繁殖事業は、取引されるすべての繁殖ストック並びに標本を明確に識別するために適切かつ安全なマーキングシステムが使われるよう保証 し、また、さらに優れたマーキングおよび識別方法が利用可能になった場合は、それらを採用することを約束する。

g) 管理当局は科学当局と協力し、管轄下の登録された各飼育繁殖事業の管理を監視し、事業の性質または輸出用に生産される製品のタイプに大きな変化があっ た場合は、それを事務局に知らせ、動物委員会は登録を継続すべきかどうかを決定するため、その事業について再検討する。

h) 管轄下に事業が登録されている締約国は事務局に通達することにより、他の締約国に言及せずに単独で、その事業の登録簿からの除外を要求することができ、その場合、その事業はただちに除去される。

i) 登録事業が決議10.16(改正)の規定に遵守していないと確信する締約国は、事務局および関連締約国と協議した上で、締約国会議に対し、条約第15条の記載に従い締約国の3分の2の賛成によってその事業を登録簿から削除するよう提案できる。また、一度削除されると、そのような事業は付記2に概説され ている手続きを満たした場合にのみ、登録簿に再登録することができる。

j) 当該種の保護の必要性に従い、飼育繁殖事業が継続的に意味のある貢献をすると管理当局が満足するものとする。

以下のとおりに促す。

a) 締約国は、外来種の飼育繁殖事業の設立に先立ち、国内の生態系および在来種に対する悪影響を防ぐために、生態学的危険性の評価を実施する

b) 管理当局は飼育繁殖事業者と密に協力し、この決議の付記1で必要とされる情報を用意するか、またはその手続きを促進するために繁殖事業者と政府を代表するメンバーから成る支援グループを設置する。かつ

c) 締約国は飼育繁殖事業者に対し、より速い許可申請処理、国際的に登録された繁殖事業としての承認を示す正式証明書の発給、または可能であれば輸出許可料金の引き下げなど、登録を促す誘因を提供する。

次のように奨励する。

a) 締約国は登録を希望する事業に対し、簡単な申請用紙(カナダの管理当局が使用しているようなもの)と明瞭な指示を提供する。かつ

b) 輸入国は登録済みの飼育繁殖事業からの附属書Iの種の輸入を容易にする。

さらに次のとおりに合意する。

a) 附属書I掲載種の飼育繁殖標本を決議5.10で定義された主に商業的目的の輸入をする場合、締約国はそれらを事務局の登録簿に掲載された事業によって生産されたもののみに制限し、当該標本がそのような事業から生産されたものでなく、各標本に付けられる特定の識別マークが書類に記載されていない場合、条 約第7条4項に従い発給された書類を却下する。

b) 条約締約国でない国により条約に従い発給された同等の書類は、事務局との事前の協議なしには締約国によって受理されない。

以下に列挙する決議を廃棄する。

a) 決議 8.15(京都、1992)- 商業目的で附属書Iの動物種を繁殖させる事業の登録と監視をモニターの手順に関するガイドライン、および

b) 決議 11.14(ギギリ、2000)- 商業目的で附属書Iの動物種を繁殖させる事業を登録並びに監視する手続きに関するガイドライン

付記1 管理当局から事務局に提供する登録される事業に関する情報

1. 飼育繁殖事業の所有者と管理者の氏名並びに住所

2. 設立日

3. 繁殖させる種(附属書Iのみ)

4. 親の繁殖ストックを構成する雌雄の数と年令(判明している場合または適切な場合)の詳細
-各雌雄の合法的取得の証拠。領収書、CITES書類、捕獲許可書など。

5. 生息国内に設置された事業は、親ストックが関連する国内法に従い取得されたことを示す証拠(例えば捕獲許可書、領収書など)または輸入された場合は、条約 の規定に従い取得されたことを示す証拠(例えば領収書、CITES書類など)を提出しなければならない。

6. 非生息国内に設置された事業は、親ストックを構成する動物が次のとおりであることを示す証拠を提出しなければならない。    

a) 条約適用前の標本である(例えば、関連する日付の領収書またはその他の合法的取得を示す容認できる証拠)。

b) 条約適用前の標本から派生した(例えば、関連する日付の領収書またはその他の合法的取得を示す容認できる証拠)。

c) 条約の規定に従い生息国から取得された(例えば、領収書、CITES書類など)。

7. 現在のストック(上記の親繁殖ストックに加え、所持する子孫の性別と年齢ごとの数)。

8. 死亡率、および可能ならば異なる年齢集団およびオスとメスの間での死亡率に関する情報。

9. その種がその施設で第2世代の子孫(F2)まで繁殖されていることを示す書類および使われた方法の記述。

10.その事業がその種を第1世代までしか繁殖していない場合、使われた繁殖方法が、他の場所で第2世代の子孫を産出するために使われたものと同じかまたはそれと類似であることを示す書類。

11.過去、現在および予想される年間の子孫の産出数量および可能であれば次の情報。

a) 各年の子孫を産出した雌

b) 年間の子孫の産出数量に見られる異常な変動(考えられる原因の説明を含む)

12.有害な同系交配を避けるために飼育個体群の遺伝子プールを拡大するという目的で繁殖ストックを補強するための追加標本に関して予想される必要性および供給源の評価。

13.輸出される製品のタイプ(例えば生きた標本、皮、および/またはその他の身体部分)。

14.繁殖ストック並びに子孫および輸出される標本のタイプ(例えば皮、肉、生きた動物など)に使われるマーキング方法(例えばバンド、タグ、トランスポンダー、焼き印など)の詳しい記述。

15.繁殖ストック並びに子孫の身元を確認し、事業内で保管されるかまたは組み込まれるか、もしくは輸出用に提供される未許可の標本の存在を検出するために、CITES管理当局が使用する検査並びに監視手続きの記述。

16.逃亡および/または盗難を防止するための保安対策を含め、現在並びに予想される飼育ストックを収容する設備の記述。繁殖並びに飼育のための囲いの数 とサイズ、孵卵設備の容量、食料の生産または供給、獣医の利用可能性、記録管理に関する詳しい情報を提供する必要がある。

17.その種の野生個体群の保護状況改善に寄与する繁殖事業またはその他の活動が用いる戦略の記述。

18.その事業はすべての段階において人道的(虐待がない)方法で営まれるという保証。

付記2 新規事業の登録に先立ち事務局が行う手続き

1. すべての申請に関して

a) 各登録申請を検討し、それが付記1の要件を満たすことを確認する。

b) 全締約国に各登録申請について通達し、締約国からの要求に応じて事業に関する全情報(付記1に指定)を提供する。および

c) 新規飼育繁殖事業を登録簿に追加することを提案する内容の締約国への事務局通達と共に、飼育繁殖事業で使用される特定のマーキング方法の詳細(および可能であれば、識別コードまたは分類コード)を配布する。

2. いずれかの締約国が事業の登録に関する意見の表明を希望する場合は、事務局の通達日付から90日以内にそれを行わねばならない。

3. いずれかの締約国が登録に反対した場合、または申請に関して懸念を表明した場合、事務局は書類を動物委員会に回し、同委員会は60日以内にその異議に対し 回答する。その後、事務局は申請を提出した締約国の管理当局と登録に反対している締約国との円滑な対話を図り、動物委員会の勧告を提出し、特定された問題を解決するためにさらに60日の期間を設ける。

4. 反対が取り下げられないか、または特定された問題が解決されない場合、次回締約国会議における3分の2の多数決あるいは条約第15条に明記されたそれと同等の郵便投票手続きにより決定されるまで、その申請は延期される。

5. すでに事務局の登録簿に掲げられている種が関与する申請に関しては、重大な新しい局面またはその他の懸念材料がある場合にのみ、そのような申請を専門家に回し、それらの適格性について助言を求める。

6. 申請が付記1の要件全部を満たすと確信した場合は、その事業の名称その他の明細を登録簿で公表する。

7. 事業の登録が認められなかった場合、関連管理当局に却下事由の完全な説明を提供し、さらなる考慮を受けるために再提出する前に満たさなければならない特定条件を提示する。

ワシントン決議一覧へ戻る


決議12.11(Cop14で改正) 標準学名命名法

第11回締約国会議(ギギリ、2000年)で採択された決議11.22を想起し、

生物学上の学名命名法は流動的であることに留意し、

いくつかの科の属および種の名称については標準化が必要であり、十分な情報を備えた標準参考文献が欠如した現状が、附属書に掲げる多くの種の保護におけるCITESの実施の有効性を引き下げていることを意識し、

条約の附属書で使われる分類法が、学名参考文献によって標準化されれば締約国にとって非常に役立つことを認識し、

条約の附属書で使われている分類の名称で、生物学で認められた使用法を反映させるために変更すべきであるものをかつての学名命名委員会が特定したことを意識し、

それらの変更を条約締約国会議で採択すべきであることに留意し、

附属書に掲げる分類の中で家畜化された形態が存在するものがあり、いくつかの事例では、締約国は保護されている形態に対して標準学名命名法での名称とは異なる名称を適用することにより、野生の形態と家畜化された形態とを区別する方法を選んだことを認識し、

附属書への掲載に関する新たな提案の場合、締約国は入手可能な限り必ず採択された標準参考文献を使うべきであることを認識し、

現在附属書に掲げる亜種が取引に供された場合、その多くの識別において生じる実施上の多大な困難を考慮し、また、執行上の目的のため、亜種識別の容易さを地理上の出所に関する情報の信頼性と比較検討する必要性を考慮し、

条約締約国会議は

菌類の種が条約の対象であることに合意する。

次のとおりに勧告する。

a) 亜種については、それが一般に有効な分類群として認識され、取引される形態で容易に識別可能である場合にのみ附属書への掲載を提案する。

b) 識別が困難な場合は、種全体を附属書Iまたは附属書IIに掲げるか、または保護が必要な亜種の生息域を区切り、この地域内の個体群を国ごとに掲げることによって問題と取り組む。

c) 掲載された分類群の家畜化された形態がある場合、動物および植物委員会は野生および家畜形態に対して名称を勧告する。

d) 条約附属書改正案を提出する際、提案者は提案される存在の記述に使われる参考文献を特定する。

e) 条約附属書改正案の受理に際し、事務局は適宜、当該種または他の分類群に使用する正しい名称に関して動物および植物委員会の助言を求める。

f) 附属書に掲げる分類群の名称に関する変更が提案された時は常に、事務局は動物および植物委員会と協議し、その変更が条約に基づく動植物の保護の範囲を変えるかどうかを判断する。分類群の範囲が再定義される場合、動物および植物委員会はその分類群の変更を受け入れたことにより附属書に掲げる種が追加されるか、あるいは掲げられた種が附属書から削除されるかを評価し、掲載の当初の意図を保持するために動物および植物委員会の勧告に従い附属書の改正案を提出するよう寄託政府に要請する。提案は締約国会議の次回会議で検討するために提出され、そこで動物および植物委員会の勧告が検討される。

g) 標準参考文献が締約国会議で採択されていない分類群のための分類典拠の選択に関してくい違いがある場合、そのような分類群の動物または植物(またはそれらの部分または派生物)の輸出を許可する国は、CITES事務局および予期される輸入国に対し、その国が優先する発表済みの分類典拠を通知する。「分類典拠」とは輸出される分類群の学名命名法を検討し、関連する学術分野の専門家の検討を受けた最近発表された論文またはモノグラフを意味する。その分類群の標本がいくつかの国から輸出され、分類典拠に関して輸出国の間で合意に達しないか、または輸出国と輸入国の間で合意に達しない場合は、締約国会議への正式な勧告が行われるまで、学名委員会がもっとも適切な分類典拠を決定する。動物および植物委員会は、採択のためにこの中間決定を締約国会議への報告書に盛り込む。事務局は締約国に対してこの中間決定を通告する。

h) 事務局は標準参考文献として指定されるチェックリストの推状(および注文に関する情報)を、そのチェックリストについて協議する締約国会議の遅くとも 6ヵ月前までに受けとる。事務局はその情報を締約国への事務局通達に含め、締約国が希望すれば会議前に検討するための写しを入手できるようにする。

i) 現行標準学名参考文献を更新または新規標準学名参考文献を採択するための最終勧告は、締約国会議の各会合の150日前までに用意する。

j) 学名委員会が附属書で使う分類群の名称の変更を勧告する時、同委員会は条約の施行に対してそれが意味することの評価も行う。

現行の標準学名参考文献の更新および新規参考文献の採択に関し、次の手続きを用いるよう勧告する。

a) 現行の標準学名参考文献の更新および新規参考文献の採択の手続きは、動物委員会または植物委員会が主導で直接開始するか、または以下が委員会への提案を提出することにより開始する。

i) ひとつ以上の締約国

ii) 事務局が主導で、または締約国から受領した情報への対応として

b) 提案された変更は公認の分類法に関する出版物に基づくものとする。ある分類群の学名命名の状態に対する改正案についてまだ議論が続いている場合は、その新規分類法は採択すべきではない。

事務局は学名命名委員会と協議し、締約国会議との協議なしに、条約の附属書に掲げる種の一覧表にあるつづりを変更し、締約国にそれらの変更を通達することを決定し、

この決議の付記に掲げる分類ならびに学名命名の参考文献を、附属書に掲げる種に関する公式の標準参考文献として採択し、

UNEP 世界自然保護モニタリングセンターが2003年に編纂したChecklist of CITES Speciesならびにその更新版を、当初の種に関する提案に含まれた分類と学名命名、学名命名委員会の勧告、附属書に掲げる種について締約国会議で採択 された標準参考文献に含まれ受け入れられたすべての名称を全面的に反映した標準参考文献中の学名の公式要覧として認識し、

締約国会議による標準チェックリストの採択はそれだけでは附属書に掲げられているか否かを問わず、いかなる存在のCITESにおける地位も変更せず、さら なる提案の採択により特に変更されない限り、その存在の地位は締約国会議で採択された提案で意図されたまま変わらないことに合意する。

次のことに関する主な責任を科学当局に負わせるよう締約国に促す。

a) 掲載表の解釈

b) 適宜、CITES学名命名委員会との協議

c) 適切なCITES委員会によるさらなる検討を必要とする学名命名問題の特定および適切な場合に附属書を改定するための提案の作成

d) チェックリストの作成並びに維持に対する支援並びに協力
事務局に対し、ラン科Orchidaceaeに関する各標準参考文献の完成後ただちに締約国が利用できるようにするよう要請し、

決議11.22(ギギリ、2000年)-「標準学名命名法」を廃棄する。

付記 締約国会議によって採択された標準参考文献

(訳者都合により省略、内容についてはニュースレターの特別号をご参照ください


(2009年6月8日更新)

もどる
pagetop
??