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第11回ワシントン条約締約国会議 決議文和訳

NEW:2004年の第13回ワシントン条約締約国会議での改正が反映されています。
 
決議11.1(Cop.12, 13で改正) 委員会の設置

第9回締約国会議(フォートローダーデール、1994年)で採択され、第10回会議で改正された委員会の設置に関する決議9.1(改正)を想起し、

全委員会共通の手続き規則が正式会議の必須要件であることを認識し、

条約締約国会議は

委員会の設置に関して

締約国会議の委員会を指定するためのシステムを作り、委員会設置にあたって従うべき手続きを確立することに合意し、

次のとおりに決議する。

a)締約国会議の特別委員会として恒久的な常設委員会を設置し、締約国会議の監督下におかれる。

b)動物委員会、植物委員会、学名命名委員会は締約国会議において会合では締約国会議の監督下におかれ、締約国会議と会議の間は、要請があれば常設委員会の監督下におかれる。

c)締約国会議は必要に応じ追加委員会を指定できる。

d)締約国会議もしくは常設委員会は特定の問題との取り組みに必要な特定の委任事項を持つ作業部会を指定できる。これらの作業部会の継続期間は締約国会議の次回会議までの期間を超えないよう規定され、次回会議時点で必要ならば更新が可能である。それらは締約国会議の直属とし、要請があれば常設委員会の監督下におかれる。

e)常設委員会によって採用された手続き規則は、実用性がある限り他の委員会にも適用される。

f)締約国会議で常設委員会の構成員として地域代表が選出される。

g)事務局は可能な限りの範囲内で、要請があれば、発展途上国、移行経済圏諸国、小島嶼開発途上国からの代表のために、関連委員会の会合への出席、妥当で正当と認められる委員の旅費、および常設委員会、動物委員会、植物委員会、学名委員会の委員長のその他の経費を支給できるよう備える。

h)締約国会議によって設置された全委員会をこの決議の付記に掲載する。

i)事務局は委員会議長の要請に応じ、承認された事務局予算の範囲内で事務サービスを提供する。

常設委員会における地域代表権に関して

次のガイドラインを実施するよう勧告する。

A. 地域委員並びに代理地域委員の選出

a)地域委員並びに代理地域委員の選出にあたり、以下の点を考慮に入れるべきである。

i)委員1名、代理委員1名の地域については、選出において輪番を推奨する。
ii)委員1名、代理委員1名よりも多い地域では、バランスのとれた形で(地政学的、文化的、生態学的に)代表を選ぶよう努めるべきである。

b)地域での立候補は、締約国会議の少なくとも120日前までに、関係国が政府の経路を通して正式に提出する。これらの立候補は事務局を通じ、その地域の全締約国に通告される。

c)ある地域に割り当てられる人数を超える立候補が提出された場合、締約国会議の会合中に、その地域の締約国による会議で投票を行う。選出には絶対過半数を必要とする(つまり、投票数の半分を超える数)。会議によって正式に認定された代表団のみが投票権を持つ。選出は会合の第2週目に行う。

d)委員並びに代理の選出は、彼らの前任者の任期満時に、前述の手続きに従い、1回の過程での連続した投票によって行う。

B. 委員並びに代理委員の交替時機

地域委員の任期は、彼らが選出された定期会合が終了した時点に始まり、その後の2回目の定期会合が終了する時点に終わる。この決議では代理委員には言及しないが、同じ規則が適用されるものと想定してよい。これは以下の項に従う。

a)委員1名、代理委員1名の地域については、選出は従来通りの方法で行うことができるが、ただし、A a)i)項の勧告を考慮に入れる。

b)委員1名、代理委員1名よりも多い地域では、継続性を保証するために、すべての委員または代理委員を同じ会合で変更すべきではない。

締約国会議における地域会議に関して

次のとおりに合意する。

a)地域会議は公式という性格を備え、議題を持つものとする。取り上げた提案並びに合意に関する議事録を作成する。

b)各地域会議の議長は常設委員会の地域委員の代表とする。および

c)各地域は次のような特定の作業を行うことになっている。

i)適宜、常設委員会委員および代理委員の選出。これらは締約国である。
ii)動物委員会並びに植物委員会の委員および代理委員の選出。この決議の付記2に従い、動物並びに植物委員会の委員および代理委員は個人である。選出される個人は動物または植物全般および特に彼らが代表する地域に関する専門家とする。
iii)複数の委員を持つ地域は、締約国会議の次回会議までに、代表権を行使する方法を決定する。これについては各会合で検討する。
iv)かなりの部分、締約国会議の議題によって決定される他の作業。地域代表は会議に先立ち、会議の議題を決める。これには代理代表の助けを借りることもできる。議題ではi)およびii)項で触れた点を取り上げ、かつ締約国会議の本会議または委員会I並びにIIの会議で論じられる議題の主な項目、特に当該地域に関係する項目に関する討議の準備をする。

動物並びに植物委員会における地域代表に関して

次のガイドラインを実施するよう勧告する。

A. 候補者の選出

a)代表候補者の提案は、活動の実施に必要な手段を彼らが獲得できることを可能な限り確約するために、関係する政府の支持を受ける。

b)提案された候補者の氏名並びに履歴書は、代表が選出される締約国会議の少なくとも120日前に、当該地域の締約国に配布する。

c)理想的には、候補者は科学当局と結びつきを持ち、CITESに関する十分な知識を備え、任務を果たすために十分な制度上の支援を受けるべきである。この情報は履歴書にも盛り込むこと。

d)地域代表が個人である限り、締約国を提案された候補者として承認し、後にその締約国が個人を特定するということは行ってはならない。

B. 委員並びに代理委員の交替時期

a)常設委員会と同じ手続きが適用されるなら、現在の委員および代理委員は次のように交替する。

i)委員1名、代理委員1名の地域については、選出は常設委員会と同じ方法で行うことができるが、ただし、選出において輪番が推奨されていることを考慮に入れる。
ii)委員2名、代理委員2名の地域では、継続性を保証するために、2名の委員または代理委員を同じ会合で変更すべきではない。

b)代理委員は特定の委員の代理であるため、委員と同時に選出する。

c)ある地域が委員または代理委員を再選出することを希望する場合は、それを阻む理由はない。
決議9.1(改正)(フォートローダーデール、1994年、ハラレ、1997年で改正)−「委員会の設置」を廃棄する。■


付記1 
締約国会議常設委員会の設置

締約国会議と会議の間の期間、条約の仕事と履行を指導する上で常設委員会が果たす重要な役割を考慮し、

南北間で起きる野生生物取引問題の数、そして影響を受ける附属書掲載種の状態を判断する上での常設委員会の重大な影響力を考慮し、

常設委員会での代表の構成に偏りがあると、生産国にとってきわめて重要な案件の決定において不公正な査定が行われる可能性があることを考慮し、

条約において地域が代表されることが、各地域に属する締約国の参加の度合いに明確に反映されることの重要性を考慮し、

条約締約国会議は

次のような委任事項を持つ締約国会議常設委員会を再設置することを決議する。

締約国会議で合意された方針の範囲内で、常設委員会は次のことを行う。

a)条約の実施に関し、事務局に総合的な方針および業務に関する指示を与える。

b)会議での議事その他の要件の準備に関し、また、事務局が機能を果たす中で事務局に持ち込まれるその他の事柄に関し、事務局に指導並びに助言を与える。

c)締約国に代わり、信託基金その他の資金源による事務局予算の編成並びに運用、締約国会議が認可した特定の機能を遂行するために事務局が行う資金調達の全側面を監督し、かつ、そのような資金調達活動の経費を監督する。

d)必要に応じて他の委員会の調整を行い、助言を与え、常設委員会自体もしくは締約国会議が設置した作業部会に指示を与え、調整を行う。

e)締約国会議と会議の間の期間に必要となる暫定的活動を会議に代わって遂行する。

f)締約国会議で検討する決議を起草する。

g)会議と会議の間に常設委員会が遂行した活動について締約国会議に報告する。

h)手続き規則が採択されるまで、締約国会議で事務局の役割を果たす。

i)締約国会議から委任されるその他の機能を果たす。
以下のとおりに決定する。

a) 常設委員会の構成に関する次の原則

i)常設委員会の委員は次のとおりに構成される。

A. アフリカ、アジア、中南米カリブ諸国、ヨーロッパ、北米、オセアニアから成る主要6地域の各々から次の基準に基づき選出される1ヵ国以上の締約国。

1.締約国数が15ヵ国までの地域から1代表
2.締約国数が16ヵ国から30ヵ国までの地域から2代表
3.締約国数が31ヵ国から45ヵ国までの地域から3代表
4.締約国数が45ヵ国より多い地域から4代表

B.寄託国

C.前回会議開催国および次回会議開催国

ii)段落Aに記載された地域ごとに代理委員として選出された各締約国1ヵ国は、それが代理する国の代表が欠席した場合にのみ地域委員として会合に代表を出席させる。
iii)常設委員会の委員構成は締約国会議の定期会議ごとに再検討される。地域委員の任期は選出される定期会議閉会時に始まり、その後の2回目の定期会議閉会時に満期となる。

b)常設委員会は次の手続きに従う。

i)全委員が委員会の仕事に参加できるが、投票権を持つのは地域委員または代理地域委員のみである。ただし、票が同数の場合は寄託国が決定票を入れる権利を持つ。
ii)議長、副議長、その他必要な役員は地域委員により、地域委員の中から選出される。
iii)締約国会議定期会議の間に、臨時会議が開催される場合、その会議の開催国はその会議の開催準備に関連する事柄について常設委員会の仕事に参加する。
iv) 技術委員会の委員長は定期的に常設委員会の会合に招かれる。
v)常設委員会の委員ではない締約国は、参加権を持つが投票権は持たないオブザーバーという形で委員会の会合に代表を送る権利を与えられる。
vi)議長は、いかなる人物または他の国もしくは組織の代表に対しても、投票権を持たないオブザーバーとして委員会の会合に参加するよう呼びかけることができる。
vii)事務局は常設委員会の会合の開催日時および場所を全締約国に通知する。

c)常設委員会の委員に対する旅費支給に関する原則

i)事務局は要請があれば、各地域委員の代表1名が年1度の常設委員会の会合に出席するための妥当で正当と認められる旅費を支給するよう予算を配分する。
ii)委員は自費で旅費をまかなえるよう最大限の努力を払う。
iii)常設委員会議長は締約国会議、常設委員会または事務局を代表して行った旅行の妥当で正当と認められる旅費全額について払い戻しを受けることができる。
iv)旅費の支給を受ける地域委員の旅行手配は国連の規則並びに規定に従い事務局が行い、また、払い戻しが適用される場合、その申請は領収書による裏付けが必要とされ、旅行後から30日以内に事務局に提出されなければならない。

常設委員会の地域代表の任務に関して次のとおりに決議する。

a)地域代表は彼らの地域の締約国並びに事務局と流動的かつ永続的な連絡を維持する。

b)常設委員会の会合に先立ち、代表は彼らの地域の締約国に議題を伝え、できればそれらの国々または地域に特に関連性を持つ事柄に関して意見を求める。また、会合の結果も報告する。締約国会議と会議の間に、少なくとも2回の地域会合を開き、その内1回の会合では、次回締約国会議に提出される提案を特に取り上げる。これらの会合は地域代表が招集する。

c)地域代表は締約国会議の会合中に開かれる地域会議で、彼らの活動、率先的計画、実績について詳しく報告する。

締約国はこれらの報告に対して意見を表明することができ、それらは議事録に盛り込まれる。■

付記2 
締約国会議の動物委員会並びに植物委員会の設置

動植物の取引および管理に関する生物学的データと専門知識の不足に関し、締約国会議並びに個々の締約国が直面する多くの問題を了解し、

ある種がCITES附属書に適切に掲げられているかどうかを評価する有効な手法として、その種の生物学上並びに取引上の状態の定期的再検討が必要であることを認識し、

かなりの水準で国際取引があり、かつ、そのような水準の取引に対してその種が耐え得るかどうかについての科学的情報が、当条約第4条3項の要件を満たすほど十分には存在しない附属書II掲載種を識別する必要性を認識し、

世界の中でもアフリカ、アジア、中南米において生物多様性が高く、条約附属書に掲げる動植物の半数以上がそれらの地域に生息することを認識し、

北米地域の締約国がわずか3ヵ国であるのに対し、アフリカには40ヵ国以上、中南米カリブ諸国には25ヵ国以上、アジアには20ヵ国以上の締約国が存在し、それに加え、アジアは西のイスラエルから東の日本にまで及ぶことを意識し、


条約締約国会議は

次のような委任事項を持つ締約国会議動物委員会並びに植物委員会を再設置することを決議する。

締約国会議で合意された方針の範囲内で、動物委員会並びに植物委員会は次のことを行う。

a)締約国会議、他の委員会、作業部会、事務局に対し、附属書に掲げる動植物種の国際取引に関連するすべての事柄に関して助言並びに指導を提供し、それには附属書改定案も含まれる。

b)標準種名一覧表の作成および維持について学名委員会を補助する。

c)識別マニュアルに関する決議およびそれに関連する決定の実施について事務局を補助し、事務局から要請があれば、識別について起こりうる問題に関して附属書改正案を検討する。

d)科学当局を補助するための作業計画実施について事務局と協力する。

e)当条約掲載種の専門家である各地域の植物学者および動物学者を掲載した地域ごとの名簿を作成する。

f)次のことを行うために、取引による実質的な影響を受けるとみなされている附属書IIの分類群の一覧表を作成し、それらの分類群に関し、以下の事項について原産国からの意見を含む、入手可能なすべての生物学上並びに取引上の情報を検討し、査定する。

i)取引がそれらの個体群に対して実質的な悪影響を及ぼしていないと結論するに足る十分な情報が存在するすべての種を除外すること。
ii)取引が悪影響を及ぼしていると確信できる種のための修正策に関する勧告の実施。
iii)取引水準が悪影響を及ぼすかどうかの判断基準として入手可能な情報が不足している種に関し、情報収集のためのプロジェクト優先課題を定めること。

g)取引量の変化を示す証拠があるか、または再検討の必要性を示す特定情報が得られた種に関する情報を査定する。

h)次の方法により、CITES附属書に掲げる動植物種の定期的再検討を実施する。

i)これらの種の生物学上並びに取引上の状態を再検討するための日程を確定する。
ii)取引される種の生物学的状態に関する問題もしくは潜在的問題を特定する。
iii)特定種を再検討する必要性に関して締約国と協議した後、原産国と直接協力して種を選抜し、再検討においてそれらの国々の支援を求める。
iv)その再検討の結果として、寄託政府を通じ、締約国会議で検討する改正案を準備し、提出する。

i)原産国から支援要求があれば、それらの国に管理の技術および手順に関する助言を与える。

j)動植物に関連する事柄に関し、締約国会議で検討される決議を起草する。

k)締約国会議または常設委員会が動物委員会並びに植物委員会に委託するその他の機能を実施する。

l)締約国会議と会議の間に遂行または監督した活動に関し、締約国会議および要請があれば常設委員会に報告する。

さらに、動物委員会は生きた動物の輸送に関連する案件も取り扱うことを決議する。

次のとおりに決定する。

a) 動物委員会並びに植物委員会の委員は次のとおりに構成される。

i)北米およびオセアニアで構成される主要地域各々から1名を選出。
ii)アフリカ、アジア、中南米とカリブ海諸国、ヨーロッパで構成される主要地域各々から各々2名を選出。

b) a)のi)またはii)に記載された委員の代理委員として選ばれた者はそれぞれ、その者が代理する委員が欠席した場合にのみ会合で地域委員としてその地域を代表する。

c)委員会の委員構成は締約国会議の定期会議ごとに再検討される。地域委員の任期は選出される定期会議閉会時に始まり、その次後の2回目の定期会議閉会時に満期となる。

d)どの締約国もオブザーバーという形で委員会の会合に代表を送る権利を与えられる。

e)議長並びに副議長は委員会によって選出される。

f)議長はいかなる人物または他の国もしくは組織の代表に対しても、オブザーバーとして委員会の会合に参加するよう呼びかけることができる。

動物並びに植物委員会の委員および彼らの代理委員の任務に関して次のとおりに決議する。

a)各委員は委員会の会合の間に行うべき作業に関し、代理委員と協力する。

b)各委員はその地域内の締約国と定期的に連絡をとる。

c)ある地域に複数の代表がいる場合、代表は各人がどの締約国を代表するかについても合意する。それらの国々における窓口となる人物を特定する。その地域の非締約国との窓口も設ける。

d)各委員は、事務局および地域または小地域レベルでの他の組織が開催するセミナーまたは関連する会合への参加などの仕組みを通じ、委員会の役割および機能、その権限、自分の地域に関係する問題についての意識を高める。

e)委員会の会合に先立ち、委員は議題、特に地域内の国々に関係する事柄に関し、自分の地域の締約国と相談する。

f)委員会の各会合で、委員は先立つ期間に関する報告書を提出する。

g)委員は自分の地域の締約国に、委員会の各会合の結果について報告する。

h)委員は委員会の次の会合に出席しない場合、十分な時間的余裕を見て、代理にその旨を伝えなければならない。

i)委員はその地域内の活動に関するすべての関連情報を後任者に提供する。
さらに、植物委員会または動物委員会の地域委員に対する旅費支給に関する次の原則を決定する。

a) 締約国会議の会期間に開かれる当該委員会の2回までの会合に出席するために、事務局は要請があれば地域委員の妥当で正当と認められる旅費を支給できるよう予算の中で備える。

b)委員は自費で旅費をまかなえるよう最大限の努力を払う。

c) 旅費の支給を受ける地域委員の旅行手配は国連の規則並びに規定に従い事務局が行い、また、払い戻しが適用される場合、その申請は領収書による裏付けが必要とされ、旅行後30日以内に事務局に提出されなければならない。

事務局に対し、可能な限りの範囲内で、委員会が準備する刊行物の制作費として、外部の資金源から資金を提供するよう命じる。■


付記3 
締約国会議の学名委員会の設置

種の生物学的名称が国によって異なることを認識し、

上記の生物学的名称は不変ではないことに留意し、

条約附属書で使われる学名が標準化されれば、締約国にとってきわめて有益であることを認識し、

締約国会議(ジュネーブ、1977年)特別作業セッションで採択された勧告S.S.1.7で、附属書で用いる学名を標準化する必要性が認識されたことを想起し、

条約締約国会議は

次のとおりに決議する。

a)次のような委任事項を持つ学名委員会を再設置することを決議する。

締約国会議で合意された方針の範囲内で、学名委員会は次のことを行う。

i)条約附属書に掲げる全種に関し、亜種または植物品種の水準まで、同義名を含め、動植物分類群の標準化した学名参考文献を作成させるか、または適宜、既存の学名参考文献の採択を提案する。

ii) ある分類群に関する新規または更新された参考文献(またはその一部)を受け入れるにあたり、下記の手続きに従った後、これをその分類群の標準参考文献として採択するよう締約国会議に提示する。

iii)動植物名並びに異名の標準参考一覧表を作成する上での最優先項目を次のとおりに定める。

A.種レベルで附属書の掲載する動植物の種名
B. 属または科レベルで附属書に掲げる動植物の属名
C. 科レベルで附属書に掲げる動植物の科名
iv)動物学並びに植物学上の学名の正しい使用に関し、既存の附属書を再検討する。
v)事務局から要請があれば、附属書改定案で種その他の当該分類群について正しい名称が使われていることを確認する。
vi)締約国によって提案された学名変更が、その分類群の保護の適用範囲を変えないことを確認する。
vii) 締約国会議、他の委員会、作業部会、事務局に対し、学名に関する提言を行う。

b)学名委員会は締約国会議が指名する2名の人物で構成される。その内、動物分類群に関する学名問題を取り扱う動物学者1名および植物分類群を取り扱う植物学者1名である。

c)副委員長は、締約国から委ねられた責任を果たすため、必要な専門家の意見を調整、監視、分析し、進捗状況の情報を提供するために動物委員会ならびに植物委員会と定期的に連絡を取り、締約国会議の各会合に間に合うよう報告を行う。

現行の標準学名参考文献の更新および新規参考文献の採択に関し、次の手続きを推奨する。

a)現行の標準学名参考文献の更新および新規参考文献の採択の過程は、学名委員会が主導で直接開始するか、または以下による学名委員会への提案の提出によって開始する。

i) ひとつ以上の締約国
ii) 動物委員会または植物委員会が主導で。および
iii)事務局が主導で、または締約国から受理した情報への対応として

b)変更案は公認の分類法に関する出版物に基づくものとする。ある分類群の学名上の状態に対する改正案についてまだ議論が続いている場合は、その新規分類法は採択すべきではない。

c)学名委員会は会合で提案について議論し、締約国会議による採択のために提出する前に、動物委員会ならびに植物委員会に勧告を提示し、それらの意見を求める。かつ

d)現行標準学名参考文献を更新または新規参考文献を採択するための最終勧告は、締約国会議の各会合の150日前までに用意する。かつ

事務局に対し、可能な限りの範囲内で、委員会が準備する刊行物の制作費として、外部の資金源から資金を提供するよう命じる。■


決議11.3(Cop.13で改正) 遵守および施行

第6回および7回締約国会議(オタワ、1987年、ローザンヌ、1989年)で採択された決議6.3並びに決議7.5、第2回締約国会議(サンホセ、1979年)で採択され、第9回締約国会議(フォートローダーデール、1994年)で改正された決議2.6(改正)、第3回締約国会議(ニューデリー、1981年)で採択され、第9回会議で改正された決議3.9(改正)、第6回締約国会議で採択され、第9回締約国会議で改正された決議6.4(改正)、第9回会議で採択され、第10回会議(ハラレ、1997年)で改正された決議9.8(改正)を想起し、

条約の附属書U並びにVに掲載される動植物の取引が一部の種の存続に悪影響を及ぼすことに関して、さまざまな締約国から表明された憂慮を認識し、

生きたものおよび死んだ動植物、およびそれらの部分・派生物の取引を規制する規定の遵守状態の監視、書類の発給、管理に関し、輸出国と輸入国両方の管理当局による不適切または不十分な実施が原因で過去に条約違反が何件か起きていることを意識し、

上記の違反が再発しないこと、および条約の目的のために定められたメカニズムが完全に実施され、絶滅のおそれがある動植物種の取引規制並びに有効な保護のためにその正常かつ効率的な機能が保証されることが、条約の全締約国にとり、倫理、生物学、生態学、経済的にもっとも有益であることを考慮し、

条約の規定を施行ならびに執行する能力には、締約国の間でかなりの差があることを意識し、

途上国はその特別な社会経済的、政治的、文化的、地理的状況により、適切な規制要件を満たす上で大きな困難を抱えているが、しかし、可能な限りの最高水準の効果を維持することがそのために免除されるわけではないことを認識し、

適切なCITES規制の欠如により、違法輸入を許し続けている消費国がいまだに存在する中、自国のCITES規制の施行において全生産国が極度の困難に直面し、そのような困難が他の締約国での施行問題を悪化させることを認識し、

附属書に掲げる種の標本の生産国からの違法輸出が貴重な野生生物資源に対して深刻な被害を引き起こし、管理計画の効果を下げることを認識し、

輸入国による留保が抜け穴となり、それを通じて原産国で違法に取得された標本が何ら規制を受けることなく合法的な市場を見つけることができるという事実に配慮し、

留保を維持する一部の輸入国が、第4回締約国会議(ガボローネ、1983年)で採択された決議4.25の勧告を検討することを拒否し、そうすることにより、自国の野生生物資源の保護を望む生産国の自然保護政策を弱めていることに注目し、

野生動植物の違法取引がいまだに主要な関心事であることを認識し、

これらの違法に取得された資源を輸入する国は世界的な違法取引を助長する直接的責任があり、このような方法で生産国の自然遺産が損害を受けることを考慮し、

締約国が条約によって定められたすべての規則を実施し、有効に遵守することが条約の成功にとり不可欠であることを考慮し、

もし彼らが条約の目的達成に成功したら、条約の執行は締約国のもっとも高いレベルの絶え間ない関心事でなければならないことを確信し、

野生動植物の違法取引によって生じる深刻な問題と取り組むために条約の執行を強化する必要があること、またそのような取引から得られる利益と比べたときに、執行のための入手可能な資源はほんとうにわずかであるということを確信し、

条約の目的達成に成功するためには、締約国が条約の条約第8条1項により、締約国は条約の規定を施行し、それに違反した標本の取引を禁じるために適切な措置を講じること、およびそれには違法に取引された標本の没収または輸出国への返還を行うための措置が含まれる、と規定されていることを想起し、

条約の前文に、野生の動植物の一定の種を国際取引による過剰な捕獲から守るためには国際協力が不可欠であると明記されていることを認識し、

不正行為と疑われる野生生物取引に関連する事例と状況に関する迅速な情報交換を通じ、条約の適用において緊密に協力し、他の関連締約国が法的制裁を加えることを可能にするという締約国の義務を確認し、

1994年3月にイスラエルで開催されたアジア地域会合で、法施行協力に関する決議が採択されたことを歓迎し、

1995年10月に北京でこの件について開催されたワークショップで作成され、アジア地域での法執行協力機構を創設するために努力すると述べたアジア地域野生生物取引規制に関する北京声明を歓迎し、

野生動植物の違法取引に対する協力執行活動に関するルサカ協定によるCITES施行強化への寄与を認識し、

国、地域、国際レベルでのCITES当局ならびに野生生物法執行機関の間で協力と調整を改善する必要性を意識し、

2004年2月にシェパーズタウン(米国)で開催された会合でのCITES執行専門家グループの結論ならびに勧告に留意し、

事務局からの情報要求に締約国が対応する期限が第13条で指定されていないこと、また対応がない場合に回答拒否と解釈されないようにするためには期限設定が必要であることを考慮し、

野生生物の部分並びに派生物を示すためにある種の用語を使用した際、何らかの法律違反を引き起こす場合があることを考慮し、

施行過程において事務局が果たしうる役割の重要性および条約第13条で規定された手段を認識し、

第13条で規定された条約施行促進における事務局の役割、および施行機構間および教育目的の情報交換の円滑化のために事務局が国際刑事警察機構(ICPO-インターポール)並びに世界税関機
構(WCO)と共に講じた措置を自覚し、

入手可能な限られた資金を用い、締約国および事務局は既存の政府間施行機構並びに資源を最大限に活用すべきであることを意識し、

条約の対象種の違法取引をさらに削減するため、一層の措置が必要であることに同意し、


条約締約国会議は

遵守、規制、協力に関して

全締約国に対し、可能な限り早急に各国の管轄下にある領土内における野生生物取引の規制、特に隣国を含む生産国からの輸送に対する規制を強化し、管理当局を持つ国から発給された書類を厳重に確認するよう促す。

次のとおりに勧告する。

a) 全締約国が:

i)野生動植物の違法取引の深刻さを認識し、それを国内法執行機関における優先項目として特定する。
ii)CITESの執行を強化し、その規定の遵守を果たし、野生生物法執行機関を支援することを意図した国内行動計画を、日程、目標、資金調達の規定を盛り込み、策定することを考慮する。
iii)野生生物法執行の責任を持つ係官に、税関ならびに警察のよく似た立場の係官に同等の訓練、地位、権限を与える。
iv)附属書IIに掲げる動植物種の取引の規制に関係する条約の全機構ならびに規定に関し、また、附属書に掲げる種の違法取引からの保護を保証する全規定に関し、厳重な遵守と規制を保証する。
v)上記規定に違反した場合、そのような違反に対して罰を与え、適切な矯正策をとるために、ただちに条約第8条1項に従う適切な措置を講じる。
vi)違法取引に関係しそうなすべての状況と事実および規制措置に関し、そのような取引を全廃することを目的として、互いに情報を提供し合う。

b) 特に輸入国は:いかなる状況または弁解のもとでも、輸出国または再輸出国により権限を持つと公式に指定され、事務局に正しく通知された管理当局以外には、階層水準とは無関係に、いかなる当局が発給した輸出または再輸出書類も受理しない。

c)附属書UまたはVの種が取引に関与するいずれかの国の法律に違反して取引されていると輸入国が確信する理由がある場合、輸入国は:

i)その法律への違反が起きたと考えられる国にただちに通知し、可能な限りの範囲で、取引に関連する全書類の写しをその国に提供する。
ii)可能な場合、条約第14条に規定されたように、その取引に対してより厳重な国内措置を適用する。

許可書および証明書で部分並びに派生物に対して使われる名称に関して

次のとおりに勧告する。

a) 許可書および証明書を発給するにあたり、締約国は部分並びに派生物の名称に関し、事務局が定めた標準学名法を使う。

b) 事務局は学名法の草案を作成し、締約国に提出する。締約国は60日以内に意見を提示し、その後、事務局は最終的な学名法を確定する。学名法の修正にも同じ手続きが適用される。

第13条の適用に関して

次のとおりに勧告する。

a) 第13条の適用において、違反の疑いがある件に関する情報を事務局から要求された場合、締約国は1ヵ月の期限内に回答するか、または可能ならば、その月内に要求を受理したことを通知し、要求された情報を提供できると考える日付を、たとえおよその日付であっても提示する。

b) 要求された情報が一年の期限内に提供されなかった場合、締約国は回答できなかった理由の説明を事務局に提供する。

c) 事務局が特定の締約国で条約実施に関する重大な問題が生じていると認識した場合、事務局は当該締約国と協力し、その問題の解決に努め、必要に応じて助言または技術援助を申し出る。

d) 解決策が即座にみつからないように思える場合、事務局はその件に注目するよう常設委員会に促し、常設委員会は解決策をみつける手助けをするという観点から、当該締約国と直接接触し、その件を追求することができる。

e) 上記の実施上の問題およびそれらを解決するために講じられた措置に関する情報を、事務局は通告を通じて可能な限り完全に締約国に通報し続け、違反の疑いがある件の報告書でそれらの問題を取り上げる。

事務局の執行活動に関して

締約国、政府間および非政府組織に対し、事務局の施行支援作業に資金を提供することにより、条約の施行に対する一層の財政支援を提供するよう促す。

事務局に対し、次の優先事項にその資金を使うよう命じる。

a) 執行関係の事柄について事務局で作業を行う追加職員の指名

b) 地域の法執行協定の締結並びに実施の支援

c) 締約国に対する訓練並びに技術援助

法執行問題との取り組みで事務局を支援するための執行職員を出向させるよう締約国に促す。かつ
条約の機関、国内条約施行当局、既存の政府間組織、特に世界税関機構およびICPO-インターポールとの間でより密接な国際的連携を追求するよう、事務局に対して命じる。

情報の通報と調整に関して

次のとおりに勧告する。

a)管理当局は訓練活動および共同会議を手配し、例えば国内の機関間委員会を設置するなどの方法で情報交換を促進することにより、税関および警察を含むCITES施行担当政府機関との調整を図る。

b)締約国は、緊急の問題として、野生動植物の違法取引を調査する責任を持つ自国の関連国内法施行機関の詳細な連絡先を事務局に通報する。

c)締約国は事務局から自国が発給した書類の不正使用に関する通報を受けた時、必要であればICPO-インターポールに呼びかけ、その犯罪を教唆した者を特定するための調査を実施する。

d)偽の書類を提示された時、締約国は標本がどこにあるか、偽の書類がどこで発給されたかを割り出すために可能な限りのことを行い、適切であれば事務局およびその他の締約国に通報する。

e)地域レベルで野生生物法執行機関の間の協力ならびに調整を図るための適切な機構を作るために、締約国はそれぞれの地域内で協力する。

f)事務局は常設委員会と協議し、当初は附属書Iに掲げる種を中心に、必要に応じて臨時のCITES執行特別委員会を設置する。

g)まだ行っていない締約国は、関連国内執行ならびに起訴機関からインターポール野生生物犯罪作業部会に出席する係官を指名について考慮する。

h)締約国は事務局に意味のある違法取引事件に関する詳しい情報を提供する。

i)締約国は事務局に対し、可能な限り、有罪判決を受けた違法取引業者並びに常習犯に関する情報を提供する。および

上記の情報を直ちに締約国に通報するよう事務局に命じる。および

施行促進のための一層の行動に関して

さらに、締約国が次のことを行うよう勧告する。

a) 以下により、国境警備、監査、審査のための包括的戦略の策定に必要な措置を講じる。

i)物品の通関手続きおよび積み替え、仮通関、倉庫保管などの税関での手続きのための様々な手続きを考慮に入れる。
ii)例えばCITESの要件、標本の識別、生きた動物の取扱いなどに関するCITES関係の事柄を、規制責任者である係官が意識しており、それについて訓練されているよう保証する。
iii)CITES許可書ならびに証明書の真正性ならびに有効性を保証するために、特に必要であれば、有効性の確認を事務局に要求することにより、文書管理を実施する。
iv)リスク評価ならびに対象設定の方針に基づき、物品の物理的検査を行う。
v)輸出および再輸出の時点で規制の質を引き上げる。かつ
vi)これらの目標を達成するために必要な資源を提供する。

b)野生生物資源の管理とそれによる違法取引との戦いにおいて、国内および地方社会の支持と協力を確保するための誘因を宣伝する。

c)適宜、施行を目的として、機密保護の基準を守りつつ、非政府情報源から得られる情報を評価並びに活用する。

d)国内での特別野生生物法執行部隊またはチームの編成を考慮する。

締約国、政府間組織、NGOに対し、開発途上国ならびに移行経済圏諸国を中心に、できれば地域または準地域を基盤として、施行関係の訓練または訓練資料の提供を可能にする資金と専門知識を緊急に提供し、そのような国の野生生物法執行要員が十分な訓練と備えを与えられるよう保証するための資金を提供するよう促す。

附属書Iの種の標本の違法狩猟ならびに取引に関し、違反者の逮捕と有罪判決につながる情報に報酬を与えるよう各国に奨励する。

ICPO-インターポールに対し、次のように促す。

a)フランス、リヨンのICPO-インターポール本部事務局内で野生生物犯罪専門の係官を指名する。かつ

b)インターポール野生生物犯罪作業部会の代表によるCITES締約国会議会合への出席を支援する。

事務局に対して次のように命じる。

a)世界税関機構、ICPO-インターポール、所管国内当局と協力し、

i) 適切な訓練資料を準備し、配布する。かつ
ii)国境警備を担当する当局間の技術情報交換を促進する。かつ

b)常設委員会の各会合ならびに締約国会議の各定期会合に、施行問題に関する報告書を提出する。

次に列挙する決議またはその一部を廃棄する。

a) 決議2.6(改正)(サンホセ、1979年、フォートローダーデール、1994年で改正)−附属書IIおよびIII種の取引−b)並びに「要求」という表題の項

b)決議3.9(改正)(ニューデリー、1981年、フォートローダーデール、1994年で改正)−国際的遵守管理

c)決議6.3(オタワ、1987年)−CITESの実施

d)決議6.4(改正)(オタワ、1987年、フォートローダーデール、1994年で改正)−違法取引の規制

e)決議7.5(ローザンヌ、1989年)−施行

f)決議9.8(改正)(フォートローダーデール、1994年、ハラレ、1997年で改正)−施行■


決議11.4(Cop.12で改正) クジラ目の保護、クジラ目の標本の取引及び国際捕鯨委員会(IWC)との関係

第2回、3回、9回締約国会議(サンホセ、1979年、ニューデリー、1981年、フォートローダーデール、1994年)で採択された決議2.8、決議2.9、決議3.13、決議9.12および第2回締約国会議で採択され、第9回会議で改正された決議2.7(改正)を想起し、

野生動植物の特定の種を国際取引による過剰な捕獲から守るためには国際協力が不可欠であるという締約国の決意を想起し、

海洋種に関し、条約第15条2(b)項で、事務局はそれらの種に関連する機能を果たす政府間機関と協議するよう義務づけられていることを考慮し、

締約国会議特別作業セッションの勧告(ジュネーブ、1977年)に従い、事務局が国際捕鯨委員会(IWC)の会合並びにIWC科学委員会の会合におけるオブザーバー資格および取引に関する事柄でのアドバイザー資格を申請し、それを獲得したことに留意し、

さらに、IWCが締約国会議のオブザーバー資格を申請し、獲得したことに留意し、

条約第3条5項並びに第4条6項で、持ち込みされる国の管理当局から前もって証明書が発給されていない限り、締約国の管轄権下にない海洋環境で取得された条約附属書IまたはIIに掲げる種の標本(識別可能な部分または派生物を含む)の締約国への輸送が禁じられていることを認識し、

周辺海域の海洋資源に関する締約国の管轄権は、その及ぶ範囲が一様でなく、性質が異なり、国際的にまだ合意されていないことを認識し、

附属書に掲げるクジラ目に対し、この条約のもとで可能な限り最大限の保護が加えられることを願い、

IWCが、クジラの特定の個体群並びに種の保護に関して締約国の支持を求めたことを考慮し、

クジラ並びにその他のクジラ目の保護に特に注意する必要があることを心がけ、

大型クジラ類の多数の種並びに個体群がひとたび捕獲対象となるや否や商業利用がそれらの急速な減少を引き起こし、これらの種並びに個体群のいくつかの存続に対する脅威となったことを想起し、

IWCによって守られる種並びに個体群のいかなる商業利用もそれらの継続的存在を危険にさらし、これらの種並びに個体群の標本の取引に対しては、それらの存続をさらに脅かすことを避けるために特に厳重な取り締まりを加えねばならないことに注目し、

これらのクジラの種並びに個体群はIWC加盟国の国民による商業捕鯨からは保護されているが、IWC非加盟国の国民による商業捕獲は行われており、そのような捕獲がIWCの保護体制の効力を回避して行われ、効力を減退させていることを認識し、

IWCの規制外で未知の水準のクジラの利用が起きている可能性があることに留意し、

たとえ他の多くの野生生物種が捕獲による同等あるいはそれ以上の減少から回復したとしても、大型クジラ類は商業利用によって起きた減少から全体的にまだ回復していないことも想起し、

加盟国の国民によって取得される可能性があるクジラの頭数に対して制限を設けることにより、
IWCが世界のすべての国の関心事である有効なクジラの保護並びに管理を提供するための対策を強化してきたことに留意し、

特定の種並びに個体群を保護し、過剰な捕獲から回復する機会を与えるために、IWCが加盟国の国民によるすべての商業捕鯨からそれらを保護するための規定を確立したことに留意し、

1978年12月のIWC特別会合で採択された決議で、条約締約国に対し、クジラの特定の種並びに個体群に関するIWCの商業捕鯨禁止令を支持するために、第2回締約国会議で可能な限りのあらゆる措置を講じるよう要請があったことを歓迎し、

輸入国内もしくは輸入国への輸送途上で、妥当な既存の供給源から供給されたものではない販売用のクジラの肉並びに製品の発見に関する国際的報告が続いていることを憂慮し、

クジラの肉並びにその他の製品の国際取引に関する適切な国際的監視または規制の欠如を憂慮し、

IWCが世界中のクジラの個体群に関する主要情報源であることを認識し、

さらに、前述の保護されたクジラの種の肉並びにその他の製品が、IWCだけでは有効に規制できない国際取引の対象であることを認識し、

さらに、IWCとCITESが協力し、クジラ製品の国際取引に関する情報を交換する必要性を認識し、

附属書Iのクジラの標本の違法国際取引が、IWC並びにCITES両方の効力を減退させるという憂慮を肯定し、

条約締約国会議は

国際捕鯨取締条約への加盟に関して


現在、国際捕鯨取締条約に加盟していない締約国の加盟を奨励するよう勧告する。

クジラ目の標本の取引に関して

CITES第4条および14条に従い、クジラ目の標本に関する必要書類に特に注意するよう締約国に勧告する。

IWCによって商業捕鯨から守られているクジラの特定の種並びに個体群の標本の取引に関して

国際捕鯨取締条約により商業捕鯨から守られている種または個体群の標本に関し、主に商業目的で、この条約に基づく輸入または輸出許可書もしくは海からの持ち込みのための証明書を発給しないことに合意するよう締約国に勧告する。

事務局に対し、上記の種並びに個体群の一覧表および必要に応じてその一覧表の修正版を締約国に連絡するよう要請する。

鯨肉の違法取引に関して

この件に関するIWCの作業を歓迎し、CITES締約国に対し、鯨肉の違法取引の問題および違法に取引されたと思われる肉の地理的原産地を調査すること、およびこの件に関する情報収集についてCITES事務局と協力することを促す。

締約国会議と会議の間の期間、CITES事務局並びに常設委員会を通じCITES締約国にクジラの製品の違法取引に関連するすべての新事実を完全に通知するようIWCに奨励する。

関連するすべての国に対し、鯨肉の違法取引防止のために協力し、この件に関するあらゆる新事実をCITES事務局に報告するよう勧める。

鯨肉の違法取引に関して収集するあらゆる情報をIWCと共有するよう事務局に指示する。

クジラの部分および派生物の違法取引監視における協力に関して

関係するすべての国に対し、自主的に次のことを行うよう奨励する。

a)商業的な数量を所有するすべての冷凍したクジラの部分および派生物の目録を作成し、種名、数量、地理的原産地を示す。

b)そのような冷凍クジラ標本全部から、DNA識別用の皮または肉のサンプルを集め、目録を作成する。

すべての関係国が次のようなヒゲクジラからDNA識別用の皮または肉のサンプルを集め、目録を作成するよう勧告する。

a)それを目的とする捕鯨で捕獲されたもの

b)先住民生存捕鯨で捕獲されたもの

c)他の漁業で偶発的に捕獲されたもので、これらのクジラのいずれかの標本が商業利用される場合
すべての関係国に対し、次のような方法により、クジラの部分およびに派生物の供給源、および密輸の場合は当該種名の決定に協力するよう呼びかける。

a)援助を要求する場合は、その動物の種名並びに地理的原産地の決定または最初の分析の確認を行う能力を持つ国に、皮または肉のサンプルか、デジタル化したDNA配列を提供する。

b)集めた国から提供されたサンプルを分析し、他の締約国または公衆に結果を発表する前に、分析結果に関してその国と十分協議する。

c)分析のためのサンプルの輸出および輸入に必要なCITES書類を取得および発給する。

関心を持つ締約国からの要求に応じ、事務局が配布できるよう、クジラの部分および派生物の目録および未知のクジラ製品の調査に関係するあらゆる情報をCITES事務局に提出することを、あらゆる関係国に促す。

次に列挙する決議を廃棄する。

a) 決議2.7(改正)(サンホセ、1979年、フォートローダーデール、1994年で改正)−「国際捕鯨委員会との関係」

b) 決議2.8(サンホセ、1979年)−「海からの持ち込み」

c) 決議2.9(サンホセ、1979年)−「国際捕鯨委員会により商業捕鯨から守られるクジラの特定の種並びにストックの取引」

d) 決議3.13(ニューデリー、1981年)−「クジラ製品の取引」

e) 決議9.12(フォートローダーデール、1994年)−「鯨肉の違法取引」      ■

 


決議11.6(Cop.13で改正) ビクーニャの毛織物の取引

第8回締約国会議(京都、1992年)で採択され、第10回会議(ハラレ、1997年)で改正されたビクーニャの毛および毛織物の在庫に関する決議8.11(改正)を想起し、

ビクーニャ(Vicugna vicugna)の個体群が条約の附属書T並びにUに掲げられていることを考慮し、

ビクーニャの毛から加工された毛織物の在庫および毛の在庫が、日本や英国などの国々および香港(中国)でみつかっていることに留意し、

「ビクーニャの保護並びに管理に関する協定」管理技術委員会(アルゼンチン、ボリビア、チリ、エクアドル、ペルー)の第8回定例会合が1987年9月にチリで開催され、そこで採択されたCITES事務局に向けた決議No.56/87で、全締約国、特にビクーニャの毛織物および毛の在庫を持つ締約国に定められた期間内にそれらの在庫の一覧表を提出するよう勧告することをCITES事務局に要請し、また、在庫を持つ締約国が可能な限り早急に在庫の毛で毛織物を加工することを提唱したことを考慮し、
「ビクーニャの保護並びに管理に関する協定」の加盟国によって採択された決議No.56/87に基づき、CITES事務局が締約国への通達No.472で、それに従う対応をするよう締約国に要請したことを考慮し、

ビクーニャ協定管理技術委員会の第11回定例会合で採択された決議No.97/90で、CITES事務局に対し、決議No.56/87で採択された合意について念を押していることを自覚し、


条約締約国会議は

管理当局に対し、織物の裏に原産国に対応するロゴならびに商標VICUÑA-COUNTRY OF ORIGINが付いているか、またはそれが条約適用前のビクーニャの毛を含む織物である場合にのみ、ビクーニャの織物の輸入を認可するよう勧告する。かつ

決議8.11(改正)(京都、1992年、ハラレ、1997年で改正)−「ビクーニャの毛と毛織物の在庫」を廃棄する。■

 


決議11.7 ジャコウジカ属の保護及び取引

ジャコウジカ属全種が条約の附属書T又は附属書Uに掲げられていることを意識し、

ジャコウジカはアジア原産だが、天然ジャコウ並びにジャコウを含む製品は世界中で使用並びに取引され、そのため、ジャコウジカの保護は世界的関心事であることを認識し、

ジャコウジカの個体群の状態並びに動向及び生息国内でのジャコウの需要が十分記載されていないことに留意し、

さらに、野生のジャコウジカに由来する未加工のジャコウが継続的に違法取引されることが条約の効力を阻害していることに留意し、

締約国及び非締約国が違法取引全廃のための対策を講じない限り、密猟が特定個体群の衰退、さらには絶滅さえ引き起こす場合があることを意識し、

ジャコウジカ保護のための長期的解決策として、持続的利用の保証を意図した実質的かつ測定可能な対策を採用する必要があることを認識し、

生息国と消費国の間の技術協力及び財政支援の強化がより有効なジャコウジカの保護に寄与することを認識し、

条約締約国会議は

全締約国、特にジャコウジカの生息国並びに消費国、及びジャコウジカの標本が輸送途上で通過する締約国に対し、野生のジャコウジカに由来するジャコウの違法取引を明白に削減させるために次の方法による緊急対策を講じるよう促す。

a) 生息国並びに消費国で革新的な施行方法を導入し、かつ、優先事項として主要な国境地域での施行活動を強化する。

b) ジャコウを含む製品の明瞭なラベルシステムの開発、及び医薬品その他の製品中の天然ジャコウを検出するための法科学的方法の開発並びに普及を追求する。

c) 条約に加盟していない全生息国並びに消費国に対し、未加工のジャコウ並びにジャコウを含む製品の国際取引規制改善のために可能な限り早急に条約に加盟するよう奨励する。

d) ジャコウ消費者と協力し、未加工ジャコウの代替品開発を通じて天然ジャコウに対する需要を削減し、一方、生きたジャコウジカからジャコウを採取するための安全かつ有効な技法の開発を奨励する。

e) ジャコウジカの保護及び管理を改善し、法律を強化し、施行活動を強化するための二国間並びに地域協定を締結する。

施行活動を支援するために、ジャコウを含む加工品に関する識別ガイドの作成と配布において製造国並びに消費国が協力するよう勧告する。

締約国、国際援助機関、政府間組織、非政府組織に対し、優先事項として個体数調査及び合法並びに違法両方の取引を含むジャコウジカ国内市場調査を実施するための財政並びに技術援助を生息国に提供するよう呼びかける。

 


決議11.8(Cop.12, 13で改正) チベットアンテロープの保護及び取引規制

1999年10月12日から14日に中国の西寧(シーニン)で開催された「チベットアンテロープの保護および取引規制に関する国際ワークショップ」で、中国、フランス、インド、イタリア、ネパール、グレートブリテン・北アイルランド連合王国(英国)、米国の政府代表、およびCITES事務局並びにNGOの代表により、チベットアンテロープ (Pantholops hodgsonii) の保護および取引規制に関する決議案をめぐる討議が行われたことを想起し、

チベットアンテロープは附属書Iに含まれており、1979年以降、その部分およびに派生物のあらゆる商業的国際取引が条約によって規制されていることを意識し、

シャトゥーシュと呼ばれるこの種の高級毛糸およびそれから作られる製品を市場に供給する目的の密猟により、チベットアンテロープの野生の個体数が引き続き脅かされていることに留意し、

シャトゥーシュの加工および取引を有効に禁止することは大規模な密猟の規制をはじめとするこの種の現地での効果的な保護策に対する、きわめて重要な補助策であることを自覚し、

生息国と非生息国の間の技術協力の強化および財政支援がチベットアンテロープのより効果的な保護に寄与することを認識し、

チベットアンテロープの保護における協力を促進し、チベットアンテロープの密猟と取り組む次のような締約国による試みを推賞する。

a) 中国はチベットアンテロープの密猟および密輸の停止と本格的に取り組み、この種の自然保護区を確立した。

b) フランス、インド、イタリア、英国、米国はチベットアンテロープの部分およびに派生物の違法取引を停止するための執行並びに法的対策およびそのような部分およびに派生物の識別技法の開発を含め、この種を保護するための措置を講じた。


条約締約国会議は

次のとおりに勧告する。

a) 全締約国並びに非締約国、特に生息国並びに消費国がチベットアンテロープの部分およびに派生物の商業的取引全廃を目標として、チベットアンテロープの部分およびに派生物、特にシャトゥーシュの違法取引を実証可能なほど明白に削減するために、緊急に包括的な法律並びに施行上の規制を採用する。

b) 全締約国が「シャトゥーシュ」またはチベットアンテロープの標本を含むと称するあらゆる製品を、容易に識別可能なチベットアンテロープの部分または派生物として、すなわち決議9.6(改正)に規定された附属書I種に関連する規定の対象として取り扱い、そのような製品に関するこれらの規定を完全に実施するための法律が存在しない場合はそのような法律を制定する。

c)全締約国が違法取引を抑止するための十分な罰則を採用し、かつチベットアンテロープの製品の実際の供給源およびチベットアンテロープの状態に関する一般市民の意識向上のための措置を採用する。

d)領土内にチベットアンテロープの部分並びに材料の在庫が存在する全締約国並びに非締約国が、そのような在庫が取引に再利用されることを防止するための登録制度並びに国内措置を採用する。

次のとおりに命じる。

a)事務局は関連締約国、政府間組織、NGOの支援を受け、密猟防止活動の改善、個体数調査の実施、保護戦略の策定、チベットアンテロープの部分および派生物の取引防止を目的として、チベットアンテロープの生息国に資金および技術援助を提供する。

b)常設委員会は事務局の報告書に基づき、チベットアンテロープの製品の違法取引を減らすために、締約国の執行について定期的検討を行い、その結果を各締約国会議で報告する。かつ

次のとおりに促す。

a)チベットアンテロープの製品の加工国は、チベットアンテロープの毛の加工を禁止する努力を続ける。

b)関連する経験並びに技術能力を持つすべての国および領土が、教育と意識向上、密輸のルート並びに方法などに関する法執行、チベットアンテロープの部分およびに派生物の識別のための技法に関し、協力および情報、技術、経験の交換を強化する。

c) 関連する締約国はチベットアンテロープの部分およびに派生物、特にシャトゥーシュの違法取引の規制を支援するネットワーク構築のために連絡場所を指定し、連絡方法の詳細を事務局に提供し、また、適宜、ICPO-インターポールのエコメッセージおよび世界税関機構(WCO)を含む既存の法執行ネットワークを最大限に活用する。 ■


決議11.9(Cop.12, 13で改正) アジアその他の地域の淡水カメ並びにリクガメの保護及び取引

淡水カメ並びにリクガメの世界的な国際取引で毎年数百万頭の標本が取引されていることを意識し、

ほぼすべてのアジア産淡水カメ並びにリクガメ種が取引され、数種はすでに附属書IまたはIIに掲げられていることを認識し、

淡水カメ並びにリクガメの採取は罠猟師、猟師、仲介者で構成される広範囲な非公式ネットワークを通じて実施され、特にアジアでかなりの採取活動および取引量があることに注目し、

それに加え、遅い成熟、少ない年間繁殖数量、高い幼体死亡率、および生息地の衰退並びに消失が原因で、一般に野生個体の淡水カメ並びにリクガメは、過剰捕獲に弱いことを考慮し、

淡水カメ並びにリクガメの取引の主な種類として、食品と伝統医療の両方の消費を目的とする淡水カメ並びにリクガメおよびその部分の大量取引、およびペットとしての特定種の取引という2種類があることに留意し、

リクガメ並びに淡水カメの特定の種が、特に食品および医薬品に対する需要を満たすために、生息国の内外で多数繁殖され、リクガメ並びに淡水カメの大規模商業繁殖による保全上の危険性および利点が十分判明していないことを意識し、

生きたリクガメ並びに淡水カメの輸送が、しばしば条約第3、4並びに5条の規定に従い実施されないこと、および特に生きたリクガメ並びに淡水カメの空輸が、しばしばIATAの規則に従い実施されないことに留意し、

リクガメ並びに淡水カメの無規制または非持続的な取引が、野生個体群に対して重大な脅威となり、これらの脅威と早急に取り組むには、国際協力が必要であることを認め、

2002年3月25日〜28日に中国の昆明で開催されたリクガメ並びに淡水カメの保全および取引に関する技術ワークショップで、保全管理、CITES実施、執行並びに取引規制、および実施能力育成の必要性に関する、勧告および、第11回会議(ギギリ、2000年)に採択された決議11.9の改正に関する提案が行われ、それらが事務局から動物委員会に報告されたことを想起し、


条約締約国会議は

次のとおりに促す。

a)全締約国、特にアジア産リクガメ並びに淡水カメの生息国並びに輸出入国は、緊急に既存の法律の執行活動を強化並びに拡大する。

b)全締約国、特にアジア産リクガメ並びに淡水カメの生息国並びに輸出入国は、リクガメ並びに淡水カメの取引の規制に関する国内並びに国際レベルの野生生物法執行機関の間、および執行機関と国内CITES当局の間の協力を促進する。

c)全締約国、特にアジア産リクガメ並びに淡水カメの生息国は、国内産リクガメ並びに淡水カメ個体群を管理するための現在の活動に関する評価を実施し、必要であれば、例えばリクガメ並びに淡水カメの特定の生物学的要因を考慮に入れた割当量の設定などを通じ、それらの活動を改善する。

d)全締約国が、取引に関与する種を特定し、取引が野生個体群に対して与える影響を推定し、リクガメ並びに淡水カメの大規模商業繁殖の保全上の危険性および利点を評価するための調査計画を立案し、実施する。

e)リクガメ並びに淡水カメの非持続的な捕獲並びに取引を、国内法で十分効果的に規制できない全締約国は、これらの種を適切に保護並びに管理するための法律を制定する。

f)全締約国において、特にアジア地域の締約国は、非持続的捕獲並びに無規制の取引がリクガメ並びに淡水カメに対して引き起こす脅威に対する公衆の意識を高め、NGOに対してこの件に関するポスターその他の教育ならびに情報資料を開発、制作、配布するよう奨励し、必要に応じ、施行係官が使用するリクガメならびに淡水ガメに関する情報の編纂、普及、各国言語への翻訳を促進し、その際、既存の識別ならびに施行ガイドを利用し、識別、地元での名称、分布、図解に焦点を絞る。

g)全締約国が、採集者、取引業者、輸出業者、輸入業者、消費者のリクガメ並びに淡水カメ種の保全並びに持続的取引への参加を促進するための方法を探る。

h)全締約国、特にアジア地域の締約国は、2002年3月25日〜28日に中国の昆明で開催されたリクガメ並びに淡水カメの保全および取引に関する技術ワークショップで行われた勧告を考慮に入れ、リクガメ並びに淡水カメの保全並びに管理、取引、条約実施の全側面において協力する。

i)全締約国、特にアジア地域の締約国は、リクガメ並びに淡水カメの生きた標本が没収された場合に遅滞なく実行できる決議10.7に準拠した行動計画を立案する。

j)リクガメ並びに淡水カメの生息国は、事務局、業界代表、関心を持つ政府、NGO、その他適切な利害関係者と協力し、アジア産リクガメ並びに淡水カメの保全に関する地域行動計画を含め、CITESに掲載されたリクガメ並びに淡水カメに関する管理戦略を策定する。

k)全締約国は生きたリクガメならびに淡水ガメのすべての積み荷が関連IATAガイドラインを遵守して輸送されるよう保証する。

l)全締約国は生息国ならびに関連政府機関と協力し、押収または没収されたリクガメならびに淡水ガメのための救助センターを設立し、運営するために、関心のあるNGOまたはその他の団体の間の連携を促進する。かつ

m)リクガメならびに淡水ガメの取引を認可するそれらの種の生息国は、第8条7(b)項に従う定期報告に、この決議の実施の進捗状況に関する情報を盛り込む。かつ

事務局に対し、この決議に従いCITESに掲載されているリクガメ並びに淡水カメに関する管理戦略並びに行動計画を立案並びに実施するために財政援助を必要とし、それを要求する生息国に対する締約国、国連専門機関、政府間並びにNGO、業界団体、業界、その他適切な方面からの財源確保を援助するよう命じる。■



決議11.10(Cop.12で改正) イシサンゴ類の取引

水槽飼育用標本および飾り物として、イシサンゴ類(イシサンゴ目Scleractinia、根生目Stolonifera、共莢目Coenothecalia、アナサンゴモドキ亜目Milleporina、サンゴモドキ亜目Stylasterina)の国際取引が行われていることを意識し、

サンゴ岩、破片、砂その他のサンゴ製品が取引されていることもまた認識し、

サンゴのユニークな性質、すなわち骨格が残り、時の経過につれて石化する場合があること、それがサンゴ礁の土台であること、そして、侵食後にサンゴの断片が鉱物および沈殿物の一部を形成する場合があることに留意し、

サンゴ岩は生きたサンゴが付着する重要な基底の役割を果たすことがあり、岩の除去がサンゴ礁の生態系に有害な影響を及ぼす場合があることにも留意し、

だが、サンゴ岩はイシサンゴ目に属するという以外には即座に識別できず、したがって、条約第4条2(a)項に基づく害を与えないという判断を容易に適用できないことを意識し、

第4条3項により、附属書IIの種が生態系で果たす役割に合った水準を維持しているかどうかを査定するために、各種の標本の輸出の監視が必要であることに留意し、

サンゴの採取が、採取が行なわれた生態系に与える影響を、CITES第4条3項に従い評価することは、輸出の監視のみでは十分行えないことに留意し、

サンゴ片並びにサンゴ砂は即座に認識できないことを受容し、

標準学名法の欠如および非専門家のための包括的かつ利用しやすい識別ガイドの欠如が原因で、生きたまたは死んだサンゴを種のレベルまで識別することが難しい場合が頻繁にあることも認識し、
化石化したイシサンゴ類は条約の規定の対象ではないことを認識し、

サンゴの取引に関する条約の規定の適用並びに執行が難しかったことに留意し、

条約締約国会議は

この決議の付記に規定されたサンゴ砂、サンゴ片、サンゴ岩、生きたサンゴ、死んだサンゴの定義を採用することを採択する。

締約国は、サンゴの輸出を許可するにあたり、CITES第4条3項の実施を、従来よりもはるかに重視し、かつ輸出のみの監視に頼らずに、生態系的なアプローチの原則並びに実施を採用するよう勧告する。

次のとおりに促す。

a) 関連締約国および生息国並びに消費国の他の組織は、取引されるサンゴ並びにサンゴ岩を認識するための利用しやすい実用的なガイドを優先事項として作成し、それらを適切な媒体を通じ、締約国が広く入手可能とするために協力かつ支援し、事務局はそれを調整する。

b) 締約国はサンゴ礁生態系の保全並びに持続的な利用のために他の多国間環境協定並びに構想との相乗効果を追求する。 ■

付記
定義

サンゴ砂?全部または一部が直径2 mmを超えない死んだサンゴの微粉砕断片で構成される物質。有孔虫および貝並びに甲殻類の殻の残骸、サンゴモなどを含むことがある。属までの識別は不可能

サンゴ片(砂利並びに石を含む)?直径2 mmから30mmの折れた指状の死んだサンゴその他の物質で構成される未固結断片。属までの識別は不可能

サンゴ岩1(およびライブロック並びに基底)?死んだサンゴの断片から成る直径が3 cmより大きく硬い固結物質で、接着した砂、サンゴモ、他の堆積岩を含むことがある。「ライブロック」は、条約附属書に掲げられていない無脊椎動物種並びにサンゴモの生きた標本が付着し、水に入れずに湿った状態でクレート梱包輸送されるサンゴ岩を指す用語である。「基底」は無脊椎動物(CITES附属書に掲げられていない種の)が付着し、生きたサンゴのように水に入れて輸送されるサンゴ岩を指す用語である。サンゴ岩は、属のレベルでは識別不可能だが、目のレベルまでは識別が可能である。死んだサンゴと定義される標本はこの定義には入らない。

死んだサンゴ?輸出される時点で死んでいるが、採取した時点では生きていた可能性があり、サンゴ石(個々のポリプの骨格)の構造はまだ損なわれていないサンゴ。したがって、種のレベルまたは属のレベルまでの識別が可能である。

生きたサンゴ?水に入れて輸送され、種または属のレベルまでの識別が可能な生きたサンゴ。

1 サンゴを含まないか、またはサンゴが化石化した岩は条約の規定の対象にはならない。 ■


決議11.11(Cop.13で改正) 植物の取引の規制

第9回締約国会議(フォートローダーデール、1994年)で採択され、第10回会議(ハラレ、1997年)で改正された植物に関するCITESの施行に関する決議9.18(改正)を想起し、

特定の野生植物種を国際取引による過剰な捕獲から保護するための国際協力の手段を条約が提供していることを意識し、

条約並びにいくつかの締約国会議決議の植物に関する文章は植物の栽培における最新の発展および人工繁殖された植物の取引に照らして起草されない場合があるか、または起草され得なかったことを意識し、

植物に関して条約を実施するにあたり条約締約国がこれまで直面し、いまだに直面している多数の特定問題を想起し、

ランのフラスコ入り実生に関する性質など、植物の取引および植物の生物学的性質には動物と同類とみなすことができないユニークな側面があり、時に植物には異なる取り組みが必要であることを認識し、

閉じた苗床に由来するランのフラスコ入り実生の取引の規制は、一般にラン種の自然個体群の保護に関係があるとみなされないことを認識し、

条約に基づく植物の国際取引取締に伴う問題の多くに人工繁殖標本が関与することを認識し、

第7条4項、5項の免除を受ける資格がない附属書I掲載植物種の標本の取引については、条約第3条の規定がいまだに許可の根拠であることも認識し、

人工繁殖のための商業事業設立を目的とした附属書I植物種の野生採取標本の輸入は条約第3条3(c)項によって除外され、第5回締約国会議(ブエノスアイレス、1985年)で採択された決議 5.10でさらに説明されていることに留意し、

人工繁殖植物を大量に輸出する特定の締約国が、野生植物の保護を維持しつつ事務作業を減らす方法および人工繁殖植物の輸出業者が条約の要件を理解し遵守できるよう支援する方法をみつける必要があることに注目し、

注釈により示されるCITES条文の免除規定に従い、植物標本の合法的な国際取引が可能となり、またそのような免除の資格は原産国の外では失効することを意識し、

そのような標本はその後の国際取引のためにCITES許可書または証明書を必要とすることを意識し、

原産国で発給された輸出許可書を伴わない場合、そのようなCITES許可書または証明書の発給は困難なことがあることを認識し、


条約締約国会議は

「人工的に繁殖させた」の定義に関して

この決議で使われる用語について以下の定義を採択する。

a)「制御された条件下で」は植物生産という目的で人工的に集中的に操作された非自然環境を意味する。制御された条件の一般的な特性としては、耕作、施肥、除草ならびに害虫駆除、潅漑、または鉢植え、苗床もしくは天候からの保護などの種苗事業を含むが、それらに限定されない。および

b)「栽培された親株」は繁殖に使われ、制御された条件下で育成された植物の集合を意味し、輸出国の指定CITES当局が満足する程度に以下の条件を満たすものとする。

i)CITESおよび関連国内法の規定に従い、野生でのその種の存続に有害でない方法で確立された。かつ
ii)野生からの補充の必要性を最小限にするか除去し、そのような補充は例外としてのみ起こり、栽培された親株の生長力と生産性を維持するために必要な量に限られるよう、繁殖に十分な量が維持されていた。

「人工的に繁殖させた」という用語は以下の植物標本を指すと解釈すると決定する。

a)制御された条件下で育成された。かつ

b)免除されるか、または栽培された親株から派生した種子、切り枝、株分け、カルス組織またはその他の植物組織、胞子またはその他の胚芽から育成された。

切り枝または株分けから育成された植物は、取引される標本が野生から採取されたものを含まない場合にのみ人工的に繁殖させたとみなされると決定する。かつ

野生から採取した種子または胞子から育成された標本については、関係する分類群について以下の条件を満たす場合にのみ、免除を与え、人工的に繁殖させたとみなすよう勧告する。

a) i) 多数の樹種で見られるように、標本が生殖年齢に達するまでに長い時間を要し、栽培された親株の確立が実際上かなり困難である。
ii)種子または胞子が野生から採取され、生息国内の制御された条件下で育成され、生息国がその種子または胞子の原産国でもある。
iii)その生息国の関連管理当局が、種子または胞子の採取が合法的であり、その種の保護と保全に関する関連国内法と一致すると決定した。かつ
iv)その生息国の関連科学当局が以下のように決定した。

A.種子または胞子の採取は野生でのその種の存続に有害ではなかった。かつ
B.その標本の取引を許可することが野生個体群の保全に肯定的影響を与える。

b)最低限、上記iv) AならびにBを遵守するために

i)この目的のための種子または胞子の採取は野生個体群の再生を可能にする方法に限られる。
ii)そのような状況下で生産された植物の一部は、将来栽培された親株としての役割を果たし、種子または胞子の追加供給源になり、よって野生から種子を採取する必要性を削減または除去するプランテーションの確立に使われる。かつ
iii)そのような状況下で生産された植物の一部は、既存個体群の回復を促進するか、または絶滅した個体群を再確立するために、野生での再移植に使われる。

c)そのような条件下で商業目的のために附属書Iの種を繁殖させる事業の場合、附属書Iの種の人工的に繁殖させた標本を輸出する種苗事業の登録に関するガイドラインについての決議 9.19(CoP13で改正)に従い、CITES事務局に登録する。

接ぎ木した植物について

以下のように勧告する。

a) 接ぎ木した植物は、台木と接ぎ木の両方が上記の定義に従い人工的に繁殖させた標本から取られた場合にのみ人工的に繁殖させたものとして認識される。かつ

b) 異なる附属書に掲げる分類群で構成される接ぎ木した標本は、より厳重な附属書に掲げる分類群の標本として扱われる。

交配種に関して

次のとおりに決定する。

a)交配種は附属書UまたはV中の特定の注釈によってCITESの規制から除外される場合を除き、その親のいずれかまたは両方が附属書に掲げられた分類群に属していれば、たとえその交配種が附属書に特に掲げられていない場合でも、条約の規定の対象となる。

b)人工的に繁殖された交配種に関して
i) もっとも厳重な附属書に関連する規定が適用される場合、附属書Iに掲げる植物種その他の分類群に注釈を付ける(第15条に従う)。
ii) 附属書Tに含まれる植物の種またはその他の分類群に注釈が付けられた場合、それに由来するすべての人工繁殖交配種の標本の取引には、輸出許可書または再輸出証明書が必要になる。
iii)ひとつ以上の注釈が付かない附属書Tの種またはその他の分類群に由来する人工繁殖交配種は附属書Uに含まれるものとみなされ、したがって、附属書Uに含まれる種の人工繁殖標本に適用可能なすべての免除を受ける資格を得る。

附属書Iに掲げるラン科のフラスコ入り実生について

試験管中の固体または液体培地から取得され、無菌の容器に入れて輸送される附属書Iに掲げるラン種のフラスコ入り実生については、第7条4項および第1条(b)(iii)項の規定を考慮に入れ、この免除に関する決議9.6(改正)からの逸脱に合意した上で、上記定義に従い人工的に繁殖させた場合にのみCITESの規制を免除されると解釈するよう勧告する。

免除による国際取引が行われる植物標本について

CITESの規定の免除を受けて合法的に輸出入された標本が免除の資格を失った場合、免除資格を失った国がそれらの原産国とみなされると決定する。

植物での執行に関して

締約国に対して、次のことを保証するよう勧告する。

a) 執行係官はCITESの要件、CITES植物標本の検査並びに通関を司る手続き、および違法取引の摘発に必要な手続きについて十分情報を得ている。

b) 執行機関は標本が野生から取得されたものか、または人工繁殖されたものかを含め、取引される植物標本の識別を可能にする資料並びに専門知識を利用できる。

c) 施行機関は可能性のある違法取引を摘発するために、年次報告書、植物の健康に関する書類、ナーセリー(栽培場)のカタログ、その他の情報源を利用する。

d) 施行機関は施行の優先課題を設定並びに実施することを目的として、管理当局並びに科学当局との密接な連携を維持する。および

e) 施行を改善するために、取引されるものを注意深く検査し、特に人工的に繁殖させたと申告された植物を輸入と輸出両方の時点で検査する。

救出された植物標本の取引に関して

次のとおりに勧告する。

a) 締約国は可能な限り常に環境に変化をもたらす計画がCITES附属書に掲げる植物種の存続を脅かさないよう、また、附属書T種の現地での保護を国内並びに国際的責務とみなすよう保証する。

b) 一致協力した試みにより、上記の計画がCITES附属書に掲げる種の野生個体群を危険な状態に置かないよう保証することができなかった場合、締約国は保護された標本の培養を確立する。

c) 保護された附属書Tの植物標本、および取引が種の存続に有害な可能性がある附属書Uの保護された標本の国際取引は、次の条件全部が満たされた場合に許可される。

i)上記の取引が野生においてではないとしても、明瞭に種の存続を強化する。
ii)輸入がその種の保護および繁殖という目的で行われる。
iii)輸入が「真正の」植物園または科学施設によって行われる。

CITESによる植物保護教育に関して

次のとおりに勧告する。

a) 科学、園芸または植物取引の専門誌、および植物協会の刊行物で発表するために、締約国は日常的に、植物に関するCITES施行の全側面に関する最新情報を提供する。

b) 締約国はCITES施行の全側面に関する最新情報を植物園、観光団体、関連NGOに定期的に提供し、一般社会への一層の普及を図る。

c) 締約国は国内の植物取引組織との間に良好な連携を確立し、それを維持し、植物に関するCITES施行の全側面に関する情報を提供し、また、これらの国内組織から提示された施行上の特定の問題を、締約国会議で協議するために事務局に通報する。

d) 事務局は国際植物取引組織並びに植物園協会(特に、国際植物園協会および植物園自然保護国際機構)との間に良好な連携を育て、それを維持する。

e) 事務局は人工繁殖の潜在的な保全上の有益性に関する情報を配布し、適切な場合、野生からの標本採取に代わる方法として人工繁殖を奨励する。かつ

決議9.18(フォートローダーデール、1994年、ハラレ、1997年で改正)−「植物の取引の規制」を廃棄する。■


決議11.12 ワニ皮の識別のための国際統一標識システム

現存するワニ目全種が附属書T又はUに掲げられていることを意識し、だが、いくつかのワニ目がある程度の違法取引の対象になる場合があることを憂慮し、

ワニ目の特定個体群は附属書Tから年間輸出割当量を設定したうえで附属書Uに移行されることがあり、これらの輸出割当量については、これらの個体群からの年間採取量がそれらの存続にとって有害ではないと保証するものとされていることを認識し、

過去に違法取引がワニ目の特定個体群の存続を脅かし、国内のワニ資源を持続可能な方法で管理しようとする生産国の努力を阻害したことがあることを認識し、

条約第6条7項で、附属書に掲げる種の標本はそれらの識別を促進するためにマーキングできると規定されていることを想起し、

国際取引される全てのワニ皮の標識付けは、ワニ目の国際取引の有効な規制に向けた基本的一歩であり、それを趣意とする決議6.17並びに9.22が第6回、9回締約国会議で(オタワ、1987年、フォートローダーデール、1994年)採択されたことを考慮し、

だが、類似種を確実にマーキングするための戦略では、現在設けられているシステムに加え、合法的な加工業界の要件も考慮に入れる必要があり、第9回締約国会議で確立されたシステムは改善を必要とすると判断されたことに留意し、

ワニ皮をマーキングするための標識を作ることができる製造者の登録簿が、事務局により作成並びに維持され、存在することに留意し、

多数の標本を個々に識別し、書類に記録するマーキングシステムに関する要件により、書類上の誤りの増加が見込まれることを認識し、

条約締約国会議は

次のとおりに勧告する。

a) 原産国から国際取引に供される全てのワニ皮に再使用不可標識を全般的に適用することで、生、なめし、及び/又は仕上げたワニ皮の国際統一標識システムを維持する。

b) ワニ目の原皮及び脇腹には個別に標識を付け、キャレコには輸出前に各側面(脇腹)に標識が付けられている。

c) 再使用不可標識には少なくとも次の情報を盛り込む。原産国を示すISOの2文字のコード、独自の連続識別番号、標準種コード(付記1に表示)、及び適宜、第11回締約国会議(ギギリ、2000年)で採択された決議11.16の規定に従い、産出又は捕獲された年。さらに、標識は少なくとも次の特性を備える。自動ロック式メカニズム、耐熱性、化学並びに機械処理に対する慣性、永久型押しによる英数字情報。

d) 標識上の情報は原産国、産出年、連続番号、種コードの順序に並べ、産出年と連続番号はハイフンで区切る。

e) ワニ目の交配種に由来する皮のラベルには、この決議の付記1に示した標準種コードの代わりに、HYBという指定か、又は血統が判明している場合は、親の3文字のコード2個をxという文字で区切ったもの(たとえば交配種がCrocodylus porosusCrocodylus siamensisの交配であればPORxSIA)を使う。

f) 尾、喉、足、背、その他の部分は、内容の記述と総重量及びc)、d)、e)に記された個々の原皮、脇腹、キャレコの標識に必要な情報全部が盛り込まれた再使用不可標識で明瞭にマークされた密封容器に入れて輸出する。

g) 締約国は法律的に可能な限り、ワニ皮の生産者、なめし業者、輸入者、輸出者の登録又はライセンス供与、もしくはその両方のシステムを設ける。

h) 生、なめし、及び/又は仕上げたワニ皮の再輸出を許可する全ての国が、輸入品と再輸出品の有効な照合を行う管理システムを実施し、さらに、最初に輸入されたものがさらに加工され、さらに小さく切り分けられた場合を除き、皮並びに脇腹が元のままの標識を付けて再輸出されることを保証する。

i) 生、なめし、及び/又は仕上げた皮並びに脇腹に付けられた元の標識を紛失するか、又はそれがはずれた場合、再輸出国は再輸出に先立ち各皮又は脇腹に標識を付ける。この「再輸出標識」は上記c)の全ての要件を満たすものとする。但し、原産国、標準種コード、産出年及び/又は捕獲年は必要ない。さらに、これらの標識に盛り込まれたものと同じ情報を、皮が輸入された際の許可書原本の明細と共に、再輸出証明書にも記入する。

j) 再輸出貨物が決議9.22発効(1995年2月15日)以前の日付の標識無しの皮を含む場合、管理当局はそれを再輸出証明書に記録する。

k) ワニ皮及びその部分の取引に関する輸出許可書、再輸出証明書又はその他の条約書類に関し、締約国はそれらに適宜c)、f)、i)又はj)で言及された情報が記入され、かつ、関連する皮及びその部分に、この決議の規定に従い標識が貼付されている場合にのみ、それらを受け入れる。
l) 締約国は適宜、事務局の助言を受け、この決議の付記2に示された取引で使われる標識の管理並びに追跡システムを実施する。

m) 管理当局は、標識上に指定された年に皮、脇腹及びキャレコに付けられたものではない標識が処分されることを確実にする。

事務局に対し、システムの欠陥又は特に憂慮される事例を、適宜、動物委員会並びに関連締約国に報告するよう命じる。

次に列挙する決議を廃棄する。

a) 決議6.17(オタワ、1987年)−ナイルワニ並びにイリエワニの皮の輸出割当の実施
b) 決議9.22(フォートローダーデール、1994年)−ワニ皮の識別のための国際統一標識システム

付記1
ワニ目識別用コード

種名 コード 種名 コード
Alligator mississippiensis MIS Crocodylus NIL
Alligator sinensis SIN Crocodylus novaeguineae mindorensis MIN
Caiman crocodilus apaporiensis APA Crocodylus novaeguineae novaeguineae NOV
Caiman crocodilus chiapasius CHI Crocodylus palustris PAL
Caiman crocodilus crocodilus CRO Crocodylus porosus POR
Caiman crocodilus fuscus FUS Crocodylus rhombifer RHO
Caiman latirostris LAT Crocodylus siamensis SIA
Caiman yacare YAC Gavialis gangeticus GAV
Crocodylus acutus ACU Mekanosuchus niger NIG
Crocodylus cataphractus CAT Osteolaemus tetraspis TET
Crocodylus intermedius INT Paleosuchus palpebrosus PAP
Crocodylus johnstoni JOH Paleosuchus trigonatus TRI
Crocodylus moreletti MOR Tomistoma schlegelii SCH



付記2
ワニ皮の取引に使われる標識の管理並びに追跡システム

1. CITES事務局はこの決議のc)に明記された最小限の要件を満たす標識を製造できる認可製造者の一覧表を作り、維持し、定期的に改定する。さらに、事務局は締約国にそのような供給源について定期的に通知し、各管理当局はこれらの認可製造者からのみ、ワニ皮をマーキングするための標識を取得する。

2. 事務局によって登録された認可標識製造者は最初に、次のことを行うと書面で合意する。

a) この決議に従い作られた一連の標識を複製しない。

b) 管理当局、又は非締約国の場合は決議9.5に従い事務局が認めた政府機関もしくはこれらの機関が認可した組織にのみ標識を販売する。

c) 納品される標識の注文を受けるたびに、事務局に直接かつ直ちに報告する。

3.認可製造者に標識を注文する際、管理当局は各標識注文の明細を直ちに事務局に提供する。

4. 管理当局の要請に応じ、事務局はワニ皮の標識を購入並びに配布し、援助を必要とする締約国に対して外部資金が得られる場合を除き、経費全額を回収する。

5. ワニ皮又はこの決議で言及された他の標本の輸出許可書又は再輸出証明書を発給する際、締約国は各書類に伴う標識の数を記録し、要請があれば、この情報を事務局に提示する。

6. 輸出、再輸出、輸入締約国の管理当局は、常設委員会が命じた場合、又は生息国とCITES事務局の間で合意された場合、ワニ皮又は脇腹に関する各輸出許可書、再輸出証明書、又はその他の条約書類の写しを、適宜、発給又は受理の直後に事務局に提供する。

7. 容器用の標識の使用を必要とするか、又は必要とする意図がある締約国は、参考として少なくとも一のサンプル標識を事務局に送付する。

 


決議11.15(Cop.12で改正) 博物館および植物標本館の標本の非商業的貸出し、寄付又は交換

第1回および2回締約国会議(ベルン、1976年、サンホセ、1979年)で採択された決議1.4並びに決議2.14を想起し、

条約第7条6項で、附属書I、II、IIIに掲げる種の標本の「その国の管理当局によって登録された科学者または科学施設間での乾燥植物標本、他の保存、乾燥または包埋された標本、および管理当局によって発給または承認されたラベルが貼付された生きた植物材料の非商業的貸出し、寄付または交換」に対し、取引の規制に関連する規定からの免除が規定されていることを考慮し、

この免除は登録された科学施設の監督下にある合法的に取得された動物並びに植物標本に適用されることを認識し、

博物館での研究用標本の必要性が、希少な動物並びに植物の小個体群に対して悪影響を及ぼしうることを考慮し、

第1回締約国会議(ベルン、1976年)の勧告を想起し、条約締約国会議は

締約国に対し、分類学並びに種保全研究の実施に必要な標本の科学目的での交換を容易にするために、国内の科学施設を登録するよう奨励する。

締約国に対し、科学標本の非商業的貸与、贈与または交換に関する第7条6項の科学的交換に関する規定の理解を促進するために、管轄下領土内の科学者および科学施設と連絡をとるよう促す。
次のとおりに勧告する。

a) 締約国は条約の範囲内であらゆる機会をとらえ、絶滅のおそれがあるか、またはそうなる可能性がある種の保護に役立つかもしれない野生動植物に関する科学研究を奨励する。

b) 研究の潜在的影響を軽減するために、締約国は自国の自然史博物館および植物標本館に対し、希少および絶滅のおそれのある種の所蔵品の目録を作成し、その情報を締約国並びに研究社会で広く利用可能にするよう奨励する。これらの目録を使い、研究者は研究用の標本を効率的に借用できる。

c) 標本が利用可能になりしだい、目録に補遺を追加する。締約国の科学並びに管理当局は、希少種のさらなる収集を正当化できるか、または他の博物館から標本を借用することにより、その必要性はすでに満たすことが可能な状態かを決定するために、この情報を使用できる。

d) 締約国は自国の博物館並びに植物標本室に対し、上の目録作成を実施し、上記の情報を利用可能にするよう促す。

e) 締約国は第7条6項における科学的交換のための免除を次のとおりに実施する。

i) 科学施設の登録は、各締約国で科学当局の助言により真正と決定されるための一定の標準を満たす全科学施設に免除が拡大されるような方法で行う。
ii) 各管理当局は実行可能になりしだい、そのように登録された科学施設の名称並びに住所を事務局に通報し、その後、事務局はこの情報を遅滞なく他の全締約国に通報する。
iii)標本の輸送に使用する容器には管理当局によって発給または承認されたラベルを貼付するという要件は、関税申告ラベルを使い認可することによって満たされる。ただし、それらには「CITES」という略語、乾燥植物標本、保存、乾燥または包埋された博物館標本、または科学研究用の生きた植物材料という内容の特定、送付元施設の名称並びに住所、輸出並びに輸入施設のコード、その下にその登録された科学施設の責任者の署名がついていることを条件とする。または、管理当局が発給し、同じ情報が記載され、利用者がその部分について責任を負うようなラベルを使うこともできる。
iv) この免除の悪用を防止するために、それは合法的に取得された標本の登録された科学施設間での輸送に限定し、また、非締約国との取引の場合は、その非締約国政府の所管当局が示すように、その国のその施設が登録のための同じ標準を満たすことを事務局が保証する。
v) この免除は冷凍博物館標本、複製乾燥植物標本、その他第7条6項で指定されたすべてのタイプの科学標本に適用され、これにはある国で合法的に採取され、非商業的貸出し、寄付または交換を目的として別の国に輸送されるものが含まれる。
vi) 科学施設の登録のための標準は次のとおりである。

A. 動物または植物標本の所蔵品並びにそれらに付随する記録が永久に所蔵され、専門的に学術管理される。
B. 標本を他の施設の利用者を含むすべての資格ある利用者が利用できる。
C. 全追加所蔵品が永久目録に適切に記録される。
D. 他の施設への貸与並びに譲渡に関し、永久的な記録が維持される。
E. 科学刊行物で報告される研究を主な目的として標本が取得される。
F. その有用性を保証するような方法で標本が作成され、かつ所蔵品が配置される。
G. 標本ラベル、永久目録その他の記録において正確なデータが維持される。
H. 標本の取得並びに所有が、その科学施設が位置する国の法律に準拠して行われる。
I. 附属書Iに掲げる種の全標本が、科学施設の直接の規制のもとで永久かつ集中的に所蔵され、条約の原則と矛盾する装飾、トロフィーまたはその他の目的のためのその標本の使用を排除するような方法で管理される。

vii)私的所蔵品を所有する科学者に対し、第7条6項で規定された免除を利用できるよう、登録された科学施設と提携するよう奨励する。
viii)博物館並びに植物標本室の標本またはそれに付随するデータの損害、または科学界にとっての消失を避けるよう、すべての国が警戒する。
ix) この免除は科学標本の非商業的交換が妨げられないよう、また、それが条約の条件と一致する方法で行われるよう、確保するために実施される。
x) 登録施設を識別するために、5文字のコードシステムを採用する。先頭の2文字はCITES名簿に示した国際標準化機構によって定められた2文字の国コード、次の3文字は締約国の場合は管理当局により、非締約国の場合は事務局により、各施設に割り当てられた一意の数である。そして、

次に列挙する決議を廃棄する。

a) 決議1.4(ベルン、1976年)−「博物館および植物標本館の目録」
b) 決議2.14(サンホセ、1979年)−「博物館および植物標本館の標本の非商業的貸出し、寄付または交換のためのガイドライン」 ■


決議11.16 附属書Tから附属書Uに移行した種のランチング標本のランチング並びに取引

第5回締約国会議(ブエノスアイレス、1985年)で採択され、第10回会議(ハラレ、1997年)で改正された決議5.16(改正)並びに第10回会議で採択された決議10.18を想起し、

第10回締約国会議(ハラレ、1997年)で採択され、第11回会議(ギギリ、2000年)で改正された、飼育下で繁殖された動物種の標本に関する決議10.16(改正)の条件が、野生から取得され、飼育下で育成された附属書I掲載種の標本の取引を、条約の第3条の規定に従う場合を除き、許可していないことに留意し、

一定の種の保護を目的とし成功したいくつかの計画により、そのような取引がもはや野生個体群の存続に悪影響を及ぼさなくなることを根拠として、それらの種の標本の国際取引が許可されることを認識し、

第9回締約国会議(フォートローダーデール、1994年)で採択され、第11回会議(ギギリ、2000年)で改正された決議9.6(改正)で、締約国はランチング事業の全製品を即座に識別可能とみなすよう勧告されていることを想起し、

十分な規制を達成するには、ランチングされた動物の取引される部分並びに派生物のマーキングが必要であることを認識し、

同じ種のランチングされた動物の部分並びに派生物に対し、各締約国が異なるマーキングシステムを設置した場合、混乱が起き、施行が困難になることを認識し、

ある種をランチングのために附属書Uに移すという提案は、その種に対して以前にそのような提案が承認されたことがある場合、承認された提案と意図、条件、特定される条件が一致すべきであることを確信し、

条約第14条に従い、締約国は附属書に掲げる個体群の標本の取引に関し、より制限的な国内規制を採用できることを認識し、

ある個体群を利用するランチング事業がもはや基準を満たさないことが確定した場合、個体群を附属書Iに戻す必要性があることを考慮し、

卵又は孵化直後の個体の管理された採取に基づくワニ目のランチングは、潜在的に価値があり、かつ積極的な保護手段になる可能性があるが、成体の取得にはより厳重な規制が必要であることを自覚し、

野生個体群を保護する努力に害を及ぼす可能性がある飼育繁殖事業の確立に対し、原則としてワニ目の保護にとってより有益なランチング事業よりも大きな誘因を提供することの危険性を意識し、

条約の優先的目的は附属書に掲げる種の野生個体群を保護することであり、この目的の達成を意図した計画に積極的な誘因を提供しなければならないことを強調し、

条約締約国会議は

定義に関して

次のとおりに決定する。

a) 「ランチング」という用語は野生から取得された標本の制御された環境での育成を意味する。

b) 「均一なマーキングシステム」という用語は種に対して締約国会議が承認した各産物をマーキングするシステムを意味し、それは最低限、国際標準化機構による原産国の2文字のコード、一意の識別番号、産出年、又は提案の時点で在庫中にあるかもしくは在庫中のその事業の産物から製造された産物については提案が承認された年を含むものとする。

ランチングのために個体群を附属書Tから附属書Uに移す提案に関して

次のとおりに勧告する。

a) 締約国の管轄権内に生息し、締約国会議により、もはや絶滅のおそれがなく、取引を意図したランチングによって利益を得ると見なされた附属書Iの個体群は附属書Uに掲げられる。

b) 締約国会議によって考慮されるために、ランチング計画実施のために個体群を附属書Uに移す提案は、次のような総合基準を満たす。

i) 計画は局所的個体群の保護にとって主に有益でなければならない(即ち適用可能な場合、野生での増加に寄与するか、又は安定した個体群を維持しつつ種の生息地の保護を促進する)。
ii) 各事業の全産物(生きた標本を含む)は、附属書Iの個体群の産物から即座に識別可能であるよう保証するため、十分に識別及び記録されなければならない。
iii)計画は適切な目録、捕獲量の規制、野生個体群を監視する機構を備えていなければならない
iv)必要に応じ、かつ適宜、十分な数の個体が野生に戻されることを保証するための十分な安全策を計画の中に確立しなければならない。

c) 以前にその種に関してランチング提案の承認を受けたことがあるか否かを問わず、ある種の個体群に関するランチング提案を提出する締約国は、附属書改正案のために必要とされる通常の生物学的データに加え、次の項目を提案に盛り込む。

i) この決議で定義された均一なマーキングシステムの最低要件を満たすべきマーキングシステムの詳細
ii)事業によって生産される産物のタイプを指定した一覧表
iii)取引に供される全産物及び容器のマーキングに使われる手法の記述
iv)ランチング事業からのものかどうかを問わず、当該種の標本の現在のストックの目録

d) ランチングを目的として、ある種のある締約国の個体群又はそれよりも小さい地理的に離れた個体群の附属書Uへの移項の提案は、次の項目を含まない限り締約国会議によって承認されない。

i) 野生からの取得が野生個体群に重大な悪影響を与えないという証拠
ii) 各ランチング事業の生物学的及び経済的成功の見込みの査定
iii)事業は全段階において人道的な(虐待しない)方法で実施されるという保証
iv) 計画は再導入又はその他の方法を通じて野生個体群にとって有益であると実証する記録された証拠
v) 上記「勧告」のb)に特定した基準が継続的に満たされるという保証

e) 締約国会議の次回会議で討論するためには、この決議に従う附属書改正の提案はその会議の少なくとも330日前までに事務局が受理するものとする。動物委員会との協議のうえ、事務局は上記「勧告」のd)に特定された基準が満たされていることを確認し、上記d)に特定された提案中の情報及び保証を検討するため、適当な科学的及び技術的助言を求める。事務局の意見により、基準に関する一層の情報が必要になった場合、事務局は提案受理後150日以内に提案した締約国に情報を要求する。その後、事務局は条約第15条に従い、締約国に通報する。

f) 野生成体の捕獲部分を含む提案は、純粋に卵、新生児、幼生、又はその他の若年期段階の採取のみに基づくものよりもはるかに厳重に検討する。

g) この決議の規定に従い、ある種の個体群の附属書Uへの移行を達成しようとするか又は達成した締約国は、野生個体群の利用方法を提案に記載された技法に限り、たとえば後に事務局に通知せずに野生の動物を取得するための新たな短期計画を開始するようなことをしない。

h) ランチング提案を承認された締約国は上記「勧告」のc)で事務局に供給した情報の変更を事務局に提出する。事務局は動物委員会との協議のうえ、提案された変更が元のランチング計画を実質的に変え、野生個体群の保護を阻害又は危険にさらすかどうかを決定する。事務局はその結果としての決定を締約国に通知する。

i) 事務局が動物委員会との協議のうえ、h)に従い提案されたランチング計画の変更がその種の管理を実質的に変えるという結論に達した場合、提案された管理は新たな提案として扱われ、この決議及び条約第15条の要件に従う提案の提出を必要とする。

附属書Tから附属書Uに移される種のランチングされた標本の取引に関して

全締約国は取引が当該個体群に関して承認されたランチング提案の全ての条件及び要件を遵守しない限り、ランチング事業の産物の取引を禁ずるよう勧告する。

ランチングのために附属書Tから附属書Uに移される種に関する監視及び報告に関して

次のとおりに勧告する。

a) 承認された各ランチング事業の関連する全側面に関する年次報告書が、関連締約国により提出され、それは次の項目に関する新たな情報を含むものとする。

i) 当該野生個体群の状態
ii)野生から毎年取得される標本(卵、若年個体又は成体)の数
iii)ランチング事業のために取得される野生個体群の生産量の推定パーセント値
iv)放出された動物の数、及びもしも行われていれば、調査並びに標識計画に基づき推定されるそれらの生存率
v) 飼育下での死亡率及び死亡原因
vi)産物の生産、販売及び輸出
vii)ランチング事業又は当該野生個体群に関連して実施される保護計画及び科学実験

b) 常設委員会及び関連締約国の同意を受け、事務局は状況がそれを必要とするいかなる場合にも、ランチング事業を訪れ、検査するという選択肢を持つ。

c) 事務局の報告書がこの決議を遵守することができず、常設委員会及び関連締約国がその件を満足できる程度に解決できない場合、常設委員会は関連締約国との十分な協議の後、寄託政府に対して当該個体群を附属書Iに戻すための提案を準備するよう要求することができる。

以下に列挙する決議を廃棄する。

a) 決議5.16(改正)(ブエノスアイレス、1985年、ハラレ、1997年で改正)−ランチングされた標本の取引
b) 決議10.18(ハラレ、1997年)−ランチングされた標本のランチング及び取引

 


決議11.17(Cop.12, 13で改正) 国の報告書

第9回締約国会議(フォートローダーデール、1994年)で採択され、第10回会議(ハラレ、1997年)で改正された取引の年次報告書および監視に関する決議9.4(改正)を想起し、

条約第8条7項の規定に従い定期報告書を提出するという締約国の義務を考慮し、

条約の施行状況および附属書に掲げる種の標本の国際取引の水準を監視する唯一の利用可能な手段としての年次報告書と隔年報告書の重要性を認識し、

締約国の年次報告書が可能な限り完全かつ比較可能である必要性を認め、

条約第12条2(d)項の規定により、事務局は締約国の定期報告書を研究しなければならないことを考慮し、

この義務を果たすなかで、事務局との契約のもとでUNEP世界自然保護モニタリングセンターが提供する貴重な支援の価値を認め、

コンピューターの使用が、条約施行に関する取引統計および情報をより有効に扱うことに役立つことに留意し、

期限である翌年の10月31日までに、報告書の作成に関するガイドラインに従い年次報告書を提出する、という締約国会議と事務局の勧告に多数の締約国が従っていないことを憂慮し、

多数の締約国が隔年報告書を定期的に提出していないことをさらに憂慮し、


条約締約国会議は

全締約国に対し、第8条7(a)項の規定に従い要求される年次報告書を、2002年4月9日付けの締約国への通達No.2002/022で事務局が配布し、常設委員会の同意を得て時折事務局が改定することがある「CITES年次報告書の作成並びに提出に関するガイドライン」に従い提出するよう促す。

全締約国に対し、第8条7(b)項の規定に従い必要とされる隔年報告書を期限である翌年の10月31日までに、事務局が配布する「隔年報告書書式」に従い提出するよう求める。書式は時折、常設委員会の賛成を得て事務局によって改訂される。

全締約国に対し、2003年1月1日から2004年12月31日の期間を対象とする隔年報告書を提出することも求める。

複数の管理当局を持つ締約国に対し、可能な限りの範囲で、調整のとれた年次報告書と隔年報告書を提出するよう、さらに促す。

年次報告書または隔年報告書を通じて求めることができない追加情報が必要な場合、締約国会議が締約国に対して特別報告書を提出するよう求めることがあることを認める。

条約の各締約国に対し、第14条3項の意味での地域取引協定に加盟している場合、条約第8条の記録並びに報告の義務が地域取引協定の規定と直接的かつ両立不可能な形でくい違う場合を除き、年次報告書にその地域取引協定の他の加盟国との間での附属書I、II、およびIIIに掲げる種の標本の取引に関する情報を盛り込むよう勧告する。

あらゆる締約国に対し、統計と施行の報告書作成のコンピュータ化の可能性、また、そのような報告書の電子書式による提出の可能性を考慮するよう促す。

年次報告書あるいは隔年報告書の定期的作成並びに提出に関して問題を抱えている締約国に対し、それら報告書の作成に関し、事務局の援助を求めるよう、さらに促す。

条約の下、情報管理と同様に取引の認可および報告のためのコンピュータ・プログラムの研究または開発を行う締約国は、システムの最適な調和並びに互換性を確保するため、互いに、また、事務局と協議するよう勧告する。

次のとおりに決定する。

a) 年次報告書を期日の翌年の10月31日までに提出できない場合、それは条約の実施に関する重大な問題を構成し、事務局は決議11.3(Cop13で改正)に従い常設委員会にその解決策について問い合わせる。

b) 締約国が期日前に事務局に十分な正当化理由を含む書面による要請を提出することを条件として、年次報告書または隔年報告書の提出に関する10月31日という期日の妥当な期間の延長を求める締約国からの有効な要請を事務局は承認することができる。

常設委員会に対し、条約第8条7(a)項で求めている年次報告書を、当決議で示す期限(または延長された期限)内に提出することを3年連続で怠り、その理由を示す十分な資料を提示しなかった締約国を、事務局が提示する報告書に基づき確定するよう命じる。

条約第8条7(a)項で求めている年次報告書を当決議で示す期限(または延長された期限)内に提出することを3年連続で怠り、それを正当化する十分な証拠も提示しなかったと、常設委員会が確定した締約国とのCITES掲載種の標本の取引を許可しないよう締約国に勧告する。

全締約国並びに条約の目的の推進に関心を持つ非政府組織に対し、事務局の取引監視業務および事務局との契約のもとで請け負われるUNEP世界自然保護モニタリングセンターの取引やその他の監視業務を支援するため、事務局に対する寄付を行うよう訴える。

決議9.4(改正)(フォートローダーデール、1994年、ハラレ、1997年で改正)-「取引の年次報告書および監視」を廃棄する。■


決議11.18* 附属書U並びにV掲載種の取引

第2回締約国会議(サンホセ、1979年)で採択され、第9回会議(フォートローダーデール、1994年)で改正された決議2.6(改正)を想起し、

条約の附属書U並びにVに掲載される植物及び動物の取引が一部の種の存続に悪影響を与える可能性があるという、さまざまな締約国によって表明された憂慮を認識し、

条約締約国会議は

附属書U又はV掲載種がその種の存続に悪影響を及ぼすような方法で取引されているといずれかの締約国が見なした場合、その締約国は次のことを行うよう勧告する。

a) 関与する国々の適切な管理当局と直接協議するか、又はこの手続きが実行不可能もしくは成功しない場合は、第13条の規定を利用し事務局の支援を求める。

b) 特に再輸出又は積み換え、又は条約締約国でない国との取引が関与する場合、より厳重な国内措置を適用するために第14条で提供された選択肢を利用する。

c) 条約締約国でない国との取引が関与する場合、第10条で提供された選択肢を利用する。
決議2.6(改正)(サンホセ、1979年、フォートローダーデール、1994年で改正)−「附属書U及びV種の取引」のa)を廃棄する。

注* この決議は第2回締約国会議で採択され、第9回会議で改正された決議2.6(改正)の文章を基本にしたものである。決議11.3の採択に伴い一部の段落が削除され、その結果、決議2.6(改正)の番号が変更された。


決議11.19 識別マニュアル

識別マニュアル委員会は1977年に初めて設置され、条約締約国の役に立つ最初の委員会の1つだったことに留意し、

この委員会のために働いた全員に対し、識別マニュアル作成のために行った働きについて感謝の意を表し、

第6回締約国会議(オタワ、1987年)と第10回会議(ハラレ、1997年)の間、この委員会には議長も委員もいなかったことにも留意し、

第10回締約国会議(ハラレ、1997年)以降、同委員会の委員の指名に対する関心を表明した締約国が1国のみであることにさらに留意し、

識別マニュアルのために条約で使用される3言語での印刷物を定期的に制作する必要があり、それに必要な作業は委員会によって即座に実行できる性質のものではないことを認識し、

条約締約国会議は

事務局に対して次のことを行うよう命じる。

a) 条約で使用される3言語の識別マニュアルに掲載するために、動物並びに植物種の識別に関する印刷物を制作する。

b) 締約国からの要請に従い、種の識別に関する助言を提供するか、又は当該分類群に関して専門家からの助言を求める。

c) 関連性がある場合、事務局が組織するトレーニングセミナーに種又は標本の識別というテーマが盛り込まれるよう保証する。

d) 国内又は地域で識別マニュアルを作成するにあたり締約国に支援を提供する。

e) 附属書に新たな種を掲載する提案が採択された場合、その提案を出した締約国から、採択後1年以内に、識別マニュアルへの掲載のための適切なデータを獲得する。

f) 財政能力の範囲内で、識別マニュアルを刊行する。

g) 常設、動物及び植物委員会の各会合で進捗状況を伝える。

h) 各締約国会議で報告を行う。

締約国会議は、附属書に新たな種を掲載する提案を提出し、それが採択された締約国に対し、採択後1年以内に、識別マニュアルへの掲載のための適切なデータを提供するよう強く勧める。

締約国並びに組織に対し、識別マニュアルの制作を保証するための資金を提供するよう訴える。

識別マニュアルの利用を推進するよう締約国に要請する。


決議11.20 「適切かつ容認できる目的地」という用語の定義

第9回締約国会議で、ミナミシロサイ(Ceratotherium simum simum)の南アフリカの個体群が条約の附属書Uに移され、「適切かつ容認できる目的地への生きた動物、及びハンティングトロフィーの国際取引を許可するという唯一の目的のために」という部分を含む注釈の対象であることを想起し、

第10回締約国会議で、アフリカゾウ(Loxodonta africana)のボツワナ、ナミビア、ジンバブエの個体群が条約の附属書Uに移され、「生きた動物の適切かつ容認できる目的地への輸出を許可するという唯一の目的のために」という部分を含む注釈の対象であることも想起し、

「適切かつ容認できる目的地」という用語がまだ完全に定義されていないことに留意し、

目的地が「適切かつ容認できる」か否かの決定を輸出国又は輸入国のいずれが行うべきかを締約国がまだ示していないことにさらに留意し、

生きた動物に言及した注釈が現在存在し、また、同様の注釈が将来採択される可能性があることを認識し、

生きた動物にとって適切かつ容認できる目的地は、その動物が人道的に扱われると保証されるような場所であるべきであることにさらに留意し、

条約締約国会議は

条約の附属書U掲載種の注釈の中に、生きた動物の輸出又は国際取引に言及して、「適切かつ容認できる目的地」という用語が現れた場合、この用語は生きた標本の提案された受取先がそれを収容し、世話するための適切な設備を備えていると輸入国の科学当局が認めた目的地を意味するものと定義される。


決議11.21(Cop.13で改正) 附属書TおよびUにおける注釈の使用

いくつかの理由により附属書での注釈の使用例が増えていることを認識し、

一定のタイプの注釈が参考のためのみに使われるのに対し、他のタイプの注釈は実質的で、種の掲載の適用範囲を定義することを意図したものであることを意識し、

ランチング、割当量、一定の部分並びに派生物、取引制度に関連するものなど、附属書改正の一定の特別な事例に関する移行、報告、および検討のための特定の手続きを締約国が整備したことを考慮し、

一定のタイプの注釈が種掲載一覧表の不可欠な部分であり、また、そのような注釈の導入、改訂または削除の提案は、第9回会議(フォートローダーデール、1994年)で採択され、第12回(サンチアゴ、2002年)、第13回会議(バンコク、2004年)で修正された決議9.24(Cop13で改正)の規定に従わねばならないことも意識し、

注釈を含む附属書改正の提案を提出するための基準およびそのような注釈の実施を検討するための手続きは、実施並びに施行上の問題を避けるために明確に定義する必要があることを自覚し、


条約締約国会議は

次のとおりに合意する。

a) 以下は参考注釈であり、情報としての使用のみを目的とする。

i) 注釈が付いた分類群のひとつ以上の地理的に離れた個体群、亜種または種が別の附属書に掲げられていることを示す注釈
ii) 「絶滅の可能性あり」を意味する注釈、および
iii) 学名法に関する注釈

b)以下は実質的な注釈であり、種掲載一覧表の不可欠な部分である。

i)指定された地理的に離れた個体群、亜種、種、種の集団、またはそれよりも上位の分類群の掲載または除外を指定する注釈で、輸出割当量を含むことがある。および
ii)標本のタイプまたは輸出割当量を指定する注釈

c)参考注釈は附属書の理解を助けるために、必要に応じて締約国会議または事務局により導入、改訂または削除することができる。

d)附属書TまたはUの種に関連する実質的注釈は、条約第15条に従い締約国会議によってのみ導入、改訂または削除できる。

e)附属書TまたはUの地理的に離れた個体群に関連する実質的注釈は、決議9.24(Cop13で改正)付記3に含まれる分割掲載規準を遵守するものとする。

f)附属書Iから附属書IIに種を移行する状況で使われる実質的注釈は、決議 9.24(CoP13で改正)付記4に含まれる予防措置を遵守するものとする。

指定されたタイプの標本に関連する注釈の対象となる附属書Tから附属書Uへの種の移行に関し、問題の種について留保した締約国からの提案は考慮されないが、ただし、その締約国が改正の採択から90日以内に留保を取り下げることに合意した場合はその限りではないことに合意する。

以下のとおりに勧告する。

a) 実質的注釈を含む提案を提出する締約国は、文章が明瞭かつ曖昧でないよう保証する。

b)薬用植物に関して今後注釈を作成する際の標準ガイドラインとして従うべき2つの主要原則

i)規制は、原産国からの輸出品として最初に国際取引に現れる商品について集中的に行う。その範囲には原料から加工製品まで含まれる。かつ
ii)規制は野生由来資源の取引と需要にかかわる商品のみを含む。

c)提案された注釈が指定タイプの標本に関係する場合、標本の各タイプの輸入、輸出、再輸出に関する条約の適用可能規定を指定する。

d)一般的な規則として、締約国は、生きた動物またはトロフィーを含む注釈を採択するための提案を回避する。かつ

e)附属書に掲げる標本のタイプを指定する注釈については、特に識別問題がある場合や取引の目的が指定されている場合など、その施行が特に困難を伴うため、慎重に使うものとする。

以下のとおりに命じる。

a)実質的な注釈の対象となる附属書Tから附属書Uへの種の移行提案の採択後最低4年、事務局はそのような種の違法取引または密猟の有意な増加を示す信頼の置ける情報を受理した場合、それを常設委員会に報告する。

b)常設委員会は上記の違法取引の報告に関する調査を行い、状況を矯正するための適切な対策を講じる。それには影響を受ける種の商業的取引を一時停止するよう締約国に呼びかけることや、注釈を改訂するか、または種を附属書Iに戻す提案を提出するよう寄託政府に勧めることが含まれる。

附属書に掲げる標本のタイプを指定する注釈に従って附属書IからIIへの移行される種に関し、注釈で特に指定されていない標本は附属書Iに掲げる種の標本とみなされ、それらの取引はそれに従い規制されることに合意する。■



(2005年12月5日更新)
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